JAL、低収益路線として釜山・高雄線を運休へ!

JAL、釜山・高雄線を当面運休へ!

コロナ禍で航空業界は未曽有の経営状態に瀕している状態ですが、かなり大きな赤字決算となったJALは、低収益路線の運休を発表しました。

経営破綻を経験しているJAL。
その際にも多くの路線で(特に国際線)、運休・撤退を行ない、財務体質の改善に繋げただけに、今、そんなに低収益路線があるのかな?と思ったら、

・成田~釜山(韓国)
・成田~高雄(台湾)

の2路線が対象になるとのコト。

2021年7月から、“当面の間、運休”となるが、現時点でもコロナ禍で、成田~釜山線は全便運休、成田~高雄線は週1往復のみの運航と言う状態。
さらに事務所なども閉鎖すると言うコトで、限りなく廃止近いと言える。

奇しくも、釜山も高雄も日本から見るとお隣の国・地域にある実質的な第2の都市(高雄は人口だけで見れば台北・台中に続く第3の都市だけれども)。
往来も多いからか、JALが経営破綻した時に約40%近く事業規模を縮小した際にも、運航が継続されてきた都市である(高雄は当初、撤退の方向だったけれども)。

近年、近距離路線はLCCがどんどん就航している中で、コロナが落ち着いた後も、収益の改善が見込めないと言う判断なのでしょう。

ただ隣国ですら首都にしか就航しなくなる…と言うのは、やっぱり路線網が縮小しすぎている感じは否めないですけれどもね。

本来、そこを系列のLCCが就航してカバーするべきなのでしょうが。

ちょうどいい系列のLCCがナイ?

JALの中期経営計画では、フルサービスキャリアのJALの需要は、良くて停滞と言う感じで、低収益路線から撤退し、自前路線での拡大と言うよりも、コードシェアならびに共同事業で路線網を広げて行こうと言う考えが色濃い。

そして、成長はLCCで補うとしており、2025年度までにLCC事業の売上高を2019年度から見ると倍増させると言う考え。

釜山・高雄の両路線とも日本発LCCの国際線としては、ちょうどイイ距離感にある都市に思う。

が、JALのLCC事業を担う会社は3社。

1社目が100%子会社の「ZIPAIR Tokyo」。

こちらは現時点では成田~ソウル・バンコクとホノルルと言う路線構成で、2024年度まで毎年2機ずつ、機材を増やしていく計画でいる。
ソウルには飛ばしているモノの、あくまでもこれは機材繰りの関係で、ソウルぐらいしか飛ばせる場所がなかったと言う方が正しく、基本的に狙っているのは、太平洋路線である。
一応、次の機材が入った場合、台北への就航も噂としては出ているが、現時点では未定で、貨物が搭載できるので、それなりの貨物需要がある都市…と言うコトになるのだと思う(高雄だとそれがネックなのだろう)。

2社目がカンタス航空との共同出資である「ジェットスター・ジャパン」。

近距離の国際線も持っているが、主軸は成田発着の国内線と言う位置付けで、路線網の割合も国内線に偏っているのが現状。

そして3社目が子会社化を発表したばかりの「春秋航空日本」。

こちらは成田発着の国内線もあるが3路線のみに留まっており、メインは日中間の国際線で、中国からの訪日客需要を狙っているLCC(元々、春秋航空自体が中国のLCC最大手ですしね)。

つまりは、釜山・高雄ともちょうどイイ感じのLCCが手元にないと言うのも、撤退の大きな理由なのかも知れないですね。

本来ならば、JALとしては撤退するけれども、LCCで就航させると言うのがベターな訳ですから。

仮に就航の可能性があるとしたら、「ジェットスター・ジャパン」なのでしょうが、JALとして同社の展望をどう描いているのか、今一つ、見えない状態ですし、コロナ禍でも路線開設を進めるANAのピーチとは異なり、ややココに来て縮小モードでもありますし。

機材的にはまだ増備が続く「ZIPAIR Tokyo」での就航もアリだとは思うのですがね…

ちょっと縮小しすぎているのでは…?

既にJALは成田発着のソウル線は、全て撤退して羽田発着に切り替えており、成田~韓国線もこの釜山線の撤退でなくなると言うカタチに。
ANAも既に成田~韓国線はなく、現状、成田発着の韓国路線で日系の航空会社となると、成田~ソウルの「ZIPAIR Tokyo」のみに。

一抹の寂しさはあるが、羽田移管は便利だし高付加価値が付けられる訳だから、仕方のない流れ。

ただ、これが系列のLCCでの運航へと移管すると言うのであれば、全然、理解ができる。
ただ今回のJALの決定は、そう言う話ではなく、単に限りなく撤退に近い運休。

今はコロナ禍でそれどころの話じゃないと言うのも分かるし、その判断は重要だとは思う。
あくまでも民間企業だし、ビジネスな訳で、収益を出さなければ意味がナイのだし。
ただ往来の多い隣国の首都にしか路線網がナイと言うのは、やっぱり縮小しすぎているのでは?と言う感じがしなくもない。

しかも釜山も高雄も、人口レベルとしては十分ですしね。

経営的に成り立たないのではなく、そこに飛ばせるだけの経営をするには、どうしたら良いのか。

そろそろそう言う逆算じゃないと、コロナ禍が落ち着いても路線網を再拡大するなんて無理なんじゃなかろうか…

ふと、そう思ったりもするけれど、またJALグループの翼が、釜山や高雄に飛ぶ日を願うばかり。

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください