みんな大好き、ウユニ塩湖
ボリビア・ウユニ塩湖。
東西120キロ・南北100キロにわたる巨大な塩の湖。
乾季には水が無くなり、真っ白な塩の平原になる半面、雨季には、薄く水が張った湖に雲と空が映し出されて、まさに空の上にあるかの様な場所。
自然が見せる、絶景。
それがココにある。
雨季のウユニの朝は早い。
いや、夜遅い内に出発し、そのまま真っ暗闇の中の湖へと向かう。
ドライバーが勘を頼りにその日1番の良く見えるスポットを探しながら、車を走らせる。
天空に星。
下にも星。天の川だって、しっかりと薄い水が張った湖面に映り込む。
車を降りた瞬間に、そんな宇宙空間へと放り投げだされる。
運が良ければ、そんな空間が広がる。
1番、見やすいのは、月がナイ日。つまりは“新月”であると言われるのは、月の光が星の光を邪魔しないからだ。
が、新月だったとしても、雲と風がなければ、そんな空間には出会えないのだから、まさに運任せ。
やがて少しずつ、空が白んでくる。
真っ暗闇が深い紺色の空へと移り変わる。
湖面にはすっかり星が消え、今度は自分の姿が映り込んでくる。
上下対称に空・雲・人・車…
その全てが湖面に映し出される。
その風景と、凛とした朝独特の静寂。
ついウユニの美しさに惹き込まれてしまい、コトバが上手く出てこない。
ココにしかない世界。
ココにしかない風景。
それが確かに、ウユニにはあるのだ。
風のない朝のウユニの鏡張り。
しっかりと太陽が昇り切ったら、そこに広がっていたのは、ホントに“鏡”だった。
視線のずっと、ずっと先まで広がる広大な湖が、一面、“鏡”状態。
鏡が何処で終わっているのかすら、良く分からないぐらいに、ずっとずっと、その先まで。
誰かが歩くたびに、湖面に微かな水紋が出来る。
鏡に映った風景が、静かに波打つ。
それで湖面なんだ…と言うのを実感するけれども、風もなく、動きもなければ、ホントに湖に辺り一面の風景が映し出される。
それは信じられないぐらいの風景。
何もナイ。
でも、もう何もいらない。
ただ湖と、そこに映し出される風景。
それだけあれば、充分な場所なのだ。
乾季のウユニ塩湖は、水がなくなり、一面、塩になるが、2017年は運よく、塩の平原も一緒に見るコトが出来た(雨が少なかった為)。
鏡張りは確かに美しいが、塩が張ったウユニもなかなか爽快。
遠近法を利用したトリックアートの写真が上手く取れるのも、このウユニ塩湖が“世界で1番平らな場所”と言われるぐらいに、平坦かつ広大だからだ(100キロメートル四方で50センチの高低差しかないらしい)。
因みに、トリックアート用の小道具は、ウユニの町などでも購入出来ます。
ウユニ塩湖が楽しいのは、塩湖だけじゃなく、チリのアタカマに抜けるツアーもある所なのだが、そのアタカマ抜けツアーや塩湖のデイツアーなどでも訪れるのが、このウユニの町にも程近い、“SLの墓場”。
廃墟と化したSL達が、ずらりと勢揃いしている場所。
ただ朽ち果てて行くだけのSL。
哀愁漂ってもおかしくないのに、高山特有の青く澄んだ空の下で見ると、そうも見えなくなるから、不思議なモンである(単に落書きが多いからかもしれないけれど)。
登ったり、登ったり、登ったり…
何だか、ちょっと童心に戻ってみたり。
塩湖の一番端っこから、中心部の向こうへと沈んでいく夕焼け。
水色がオレンジに変わり、柔らかな日差しが、ココでも湖面に映り込む。
やがて真っ赤な落陽になり、空も、湖も真っ赤に染めたまま、遥か彼方の水平線の向こう側へと姿を消して行く。
沈んだ瞬間に、一気に空が金色へと変わって行く。
あぁ、マジックや…
空も、湖も、この瞬間が一種のマジックに掛けられた様な、そんな状態になるぐらいのカッコ良さ。
自然の美しさ。
きっと人間がどれだけ美しいモノを創ったとしても、ボクらは、到底、この美しさには勝てないんだろう。
ウユニからのアタカマ抜けツアー。
天気さえ良かったら、こちらも2日目は、塩湖顔負けの絶景が繰り広げられるエリア。
まずは奇岩のラッシュ。
風と雨で浸食された大地に残された奇岩が、何ともカッコ良すぎなので、ひとまず、飛んだりブリッジしたり、よじ登ったり…と、年甲斐もなく遊んでみました(笑)。
アタカマ抜けツアーの最大の魅力は、空・雲・山・大地。
高山特有の高く青く澄んだ空の色が、そもそもカッコ良すぎるのに、そこに地面に影が映るぐらいの雲。
そして、5,000メートル以上の山々に、そこを一直線に伸びる道。
天気さえ良ければ、いとも簡単にそんな風景に出会えてしまう。
そして、何処をどう切り取っても、“絶景”なのだ。
ってか、こんなに“絶景”続きになると、一体、“絶景”って何だろう…とすら思えてしまうぐらいのカッコよさデス。
ってか、ホント、ボリビア、ウユニだけじゃない。恐るべしっデス。
“赤い湖”として知られているラグーナコロラダ(Laguna Colorada)。
“赤”と言うか、ピンクと言うか、寧ろ、赤褐色だけれども、それは何だか葛飾北斎の描く世界に出て来そうな、そんな雰囲気もある湖だけれども、無数のフラミンゴが飛び交っていました。
鉱物成分が入り込んだ自然が織りなす色の湖。
その不思議さと美しさに、ついずっと見ていたくなる…
アタカマ抜けツアー2日目の宿泊先は、な、なんと、“目の前が温泉”と言う日本人的にはサイコーの素晴らしさ。
ってか、もう絶景続きでお腹いっぱいなのに、最後に温泉だなんて…と思いつつ、水着着用で早速、入ってみた所、湯温も日本人的にも耐えられるぐらいの温かさ(つまり欧米人向きの湯温の低い温泉じゃないと言うコト)。
やば…
ビール片手に入りたいわ、ココと言うぐらいでしたが、まさかボリビア最終日にこんな温泉に浸かれるとは思っていなかったので、ホント、幸せです。
基点になるのは、ウユニの町(チリ側だとアタカマ)。
そこまで大きな町ではないけれども、空港・バス・列車が集まる町。
雨季のシーズンは年によって異なるが、基本的には1月ぐらいから3月(2017年は雨が全く降らず、2月前半でも水が張らなかった模様)で、このシーズンならば日本人がウヨウヨいるので、日本人だけでツアーを組むのも簡単。それ以後の時期でも水が張っている場所は、案外、ある。
また、星空ツアーは新月の日が最良とされているが、別に、新月から数日間ぐらいならば、そこまで気にならないかと思う。
ツアーの参加方法は、旅行会社の店頭に、“時間を含むいつ出発で、何日間のツアーなのか”が書かれたボードが出ているので、それに名前を書き込むだけ。
基本的には、
・ウユニ塩湖デイツアー・デイ&サンセットツアー・星空&サンライズツアー
・ラグーナベルデ・コロラダを巡ってチリのアタカマに抜けるツアー
・ラグーナベルデ・コロラダを巡ってウユニに戻るツアー
の3つに分かれており、それぞれ自分でツアーを作るコトも可能だし、1台を貸切るコトも容易に可能。
ハイシーズンならば、ラパスから夜行で来た場合、その日のデイツアーに参加するコトも可能で、値段は参加者数による頭割りになる。
因みに、アタカマ抜けツアーで温泉の前に宿泊出来るツアーは、その宿を取り扱っている旅行会社が2社しかないので、かなり限られている(尚、ウユニ発だと2泊3日だが、アタカマ発だと3泊4日プランもある)。
ツアー代金に含まれているのは、
・食事代
・長靴(アタカマ抜けのツアーの場合は、要確認)
・宿代
逆に必須なのは、
・サングラス
・防寒具(高地なので、朝晩の冷え込みは特に激しい。デイツアーだけならば、逆に、太陽の日差しが強いので不要)
・日焼け止め
・水(お酒類も必要ならば…)
アタカマ抜けツアーは高い値段のツアーじゃなければ、あまり宿に期待しない方がベターで、シャワーが有料の場合も(温泉の前にある宿は、温泉があるからかシャワー自体がなかったぐらい)。
また、ボリビアは出国税が掛かるので、そのお金はしっかりと残しておきましょう。
逆に、チリから入る場合は、一気に標高が高くなるので、高山病には要注意(と言っても、注意のしようがあまりないのですが、気になる人は副作用を理解の上で、高山病の薬の代表格であるダイナモックスを飲むのが良いかと。
それにしても、10年ぶり3回目のウユニ塩湖になりましたが、随分、観光客が増えた感じで、湖には轍が目立ち始めていたし、環境問題への対応も遅れていたりするし、地下資源の開発も進んでいるので、早めに行った方が良い場所かも…??
・みんな大好き、ウユニ塩湖#1.星空and サンライズツアー
・みんな大好き、ウユニ塩湖#2.Day and サンセットツアー
・みんな大好き、ウユニ塩湖#3.アタカマ抜けツアー、スタート
・みんな大好き、ウユニ塩湖#4.アタカマ抜け、絶景の2日目
・みんな大好き、ウユニ塩湖#5.ブラボー、温泉♪
・みんな大好き、ウユニ塩湖#6.バイバイ、ボリビア