パミールハイウェイを行く

“世界の屋根”とまで言われる場所が、中央アジアのタジキスタン南東部にあると言う。

平均標高が5,000メートル強のこの場所。
なかなか訪れる機会も多くないこのエリア。

でも、どうしても行ってみたくって…

起点としたのはキルギス第2の都市であるオシュ。

ココでシェアメンバーを探して、日程と行く場所を決め、買い出しをして、スタートした今回のパミール高原ツアー。
車内に余裕が欲しかったのと、もう面倒だったので、ドライバーを含めて4人(ボクを入れて3人が日本人)で。

キルギス領内はまだまだ標高も2,000メートル強と言うコトもあって、緑豊かな土地。
町を抜けるとどんどん標高を上げて走って行く。

ひたすら南へ。
ひたすらタジキスタンに向けて。

初日のお宿はサリタシュ(サルイ=タシ)からサリ=モゴルに出て、そこからさらに進んだ場所。

昔ながらのユルタがそこには待っていました。
モンゴルのゲルにも通じる所がある、遊牧民スタイルの部屋の中は、ホントに薪ストーブだけしかないけれども、こうした伝統的なスタイルの場所に泊まれるのは嬉しい限り。

が…

何か布団が湿ってる。
ってか、下に敷いてある絨毯も心なしか、湿っている。

ふと、上を見上げると、ユルタの特徴である天窓状の部分に大きな空洞が。

そりゃ、濡れるし、湿るわ…って。

伝統的な遊牧スタイルのユルタに泊まれたのは嬉しかったんだけれど、先が思いやられたのは間違いないデス。

ユルタから見えるのは真夏なのに白い雪をこれでもかと湛えた山々。
もう5,000メートル級の山々が、目前。
そして、その山の向こう側はタジキスタン。

って、雹が降って来た。

真夏の8月なのに…
スグにユルタへと戻って、薪ストーブを倍速で炊いて貰いました(笑)。
が、コレがホントにコレでもかと言うぐらいに温かく。

ってか、布団や絨毯が濡れていた理由は、コレですね。

でも、ホントに昔の人の知恵なのか、ストーブを入れたら、全然、熱を逃がさなくって、暖かくぐっすり快眠。

キルギスを後にして、タジキスタンへ(とは言っても国境の検問所がめっちゃくちゃ離れていましたが)。

一気に峠越えで、タジキスタン側のパミールエリアでは唯一の“町”であるムルガブを目指す。
あまり天気が良くなくて、どんよりとした雲行き。
多分、天気が良かったらエメラルドグリーンの湖とか、空と雲が映えてキレイなんだろうけれども、天気ばかりは仕方がナイ。

さて、ムルガブ。
しっかりと市場があるぐらいの町(ケータイのSIMも手に入るぐらい)。
まぁ、その市場も中央アジアでは良く見る“コンテナを活用した市場”。
野菜とか生活雑貨とか、とりあえずのモノは手に入る感じだけれども、さすがに高地になった分、農作物は貧相になったなぁ…

ムルガブを基点に、ハイキングを計画。

いざ、そのポイントに行ってみると、その行く先に見えるのは、白い雪山。

って…
ボクら、めっちゃ軽装ですやん。
標高5,000メートル級の場所のハイキングを舐めてましたね、我々。
ハイキングと言うよりも、“トレッキング”の方が正しかったです。
雨も降り出して来たから、あえなく退散する羽目に。

まぁ、こんなコトもあるか…(笑)

いよいよパミールハイウェイへ!!と言う朝、車に乗ってムルガブの町を離れようとしたら、ドライバーから衝撃の一言。

“車、壊れた”。

おおっ(*”▽”)。

マジかっ。

でも、ウチのドライバー、そんなコトでは全然、動じません。
寧ろ、“車は壊れるモノ”ぐらいな勢いですらあります(笑)。
スグに代車とそれを運転している人を手配すると言う素晴らしいリカバリーっぷり。
最後まで一緒に行けないのは残念だけれども、故障だったら仕方がナイし、ちゃんと代車を手配してくれたから…と思ったのですが、後日、他の人のblogを読んでいたら、同じドライバーの車に乗っていて、その人達が乗っていた車も壊れてました(笑)。

だから、リカバリーが早かったのだろうか…

ムルガブから代車でパミールハイウェイへ。

この日は朝からずっとかなりの快晴が続いていたコトもあって、ホントに“パミールの美しさ”を存分に楽しめた1日に。

それは、もう、コトバに出来ない風景。

ってか、何かがある訳じゃない。
高地特有のずっと荒々しい岩山があるだけ。

ただそれだけ。

でも、それだけなのに、美しかった。

ずっと一直線の道。
青く何処までも澄み渡った空。
ニョキニョキとした雲。
緑が皆無の荒々しく聳えた岩山。

ただそれだけの風景が、延々と続く。

こんな場所でテント張って寝たくなるぐらいに、何もなく、全てが澄み渡っていて、混じり気ナシと言ったぐらい。

地球純度100%みたいな、そんな場所だった。

そのままホローグ(ホログ)の町に抜けても良かったけれども、急ぎたくなかった我々は、途中のブルンクルの集落で1泊。

ちゃんとしたゲストハウスなんてモノはなく、民泊ですけれども、早速、和気藹々とした家族の中に仲間入りして、バター茶を振舞われました(バター茶って、タジキスタンでも飲まれているのね)。

物流手段があまりナイ村だからか、ナンもヨーグルトもパンも色々なモノが手作り。
自分たちの使う・食べるモノを、自分たちで出来うる限り作る、そんな素朴な村だったけれども、民泊の家族のホスピタリティーが、ホントにココロに染み入る温かさ。

コトバが通じなくても、もてなされているのがしっかり分かる、そんな場所で、出来るなら、延泊したい!と思ったぐらい。

いつか、またココに戻って来たい…

そんな民泊だった。

名残を惜しむ様にブルンクルの村を去って、最後はドライバーの機転で温泉に立ち寄り。

健康ランドの様な温泉。
特に、何も聞いていなくて、“行く?”みたいな感じだったので、どんな温泉かも分からなければ、入浴方法も分からなかったんだけれども…

とりあえず、素っ裸でした。

そして、ほんのり硫黄の匂い。
湯温も、かなり温かくて、日本人にはピッタリな温泉。

一気に旅の疲れが落ちたと言う感じで、車はホローグの町へと吸い込まれて行きました。

パミールへの基点になるのは、キルギスのオシュもしくはタジキスタンのホローグ。
ゲストハウスでシェア相手を探すのが1番ですが、スグに見つかるかどうかは運次第と言う感じでしょうか。
1人は同じ宿の人、もう1人はtwitterで見つけた人(笑)。

パミールハイウェイを進むルートと、より南のアフガニスタン国境沿いをひたすら進むワハーン回廊ルートの2種類が大きく分けると存在していて、ワハーン回廊沿いはより温泉とかがあるのですが、日数も掛かります。

パミールハイウェイを進むルートだと、オシュ→サリタシュ(サルイ=タシ)→ムルガブ→ホローグの2泊3日がポピュラーですが、急ぎたくなかった我々は、オシュ→サリ=モゴル→ムルガブ(連泊)→ブルンクル→ホローグの4泊5日コースにアレンジ。

パミールハイウェイもワハーン回廊も、基本的には公共交通機関がほぼナイに等しい感じ(皆無じゃないらしい)デスが、そもそもチャーターしてツアーを組んだ方が、写真も撮れるし、止まりたい場所で止まれるのでおススメかと。

持参したいのは、ライト・防寒具。
8月でしたが、結構、外と夜は冷え込みが。ただがっつりとした寒さじゃなかったけれど。
ムルガブの宿はめっちゃくちゃ温かい風呂(シャワーなし)がありましたが、ブルンクルはナシでした。
宿については、食事・宿泊費など、現地で応相談になります(交渉可能)。
あと電気事情はかなり貧弱なので、しっかりと充電と呼びを持参した方がベターです。
我々はパン+スイカ+メロン+共同の水はオシュで購入し、朝食はパンを食してちょっとだけ安く上げてました。

ビザに関しては、キルギスはノービザ・タジキスタンもe-Visa制度があるので、非常に入りやすくなっていますが、パミールエリアはバダフシャーン自治州のパーミットが必須です(e-Visaでも入手可能)。また国立公園の入園料が別途必要になります。

因みに、キルギスとタジキスタンは時差が1時間あるのですが、タジキスタンのパミールエリアは“ムルガブタイム”と称して、キルギスと同じ時間軸で動くコトもあるので、時間は要チェックです。

オシュでパミール高原へのシェア相手探し
パミール高原(1日目):8月の北半球なのに雹が降って来た
パミール高原(2日目):国境を越えて、ムルガブへ
パミール高原(3日目):パミールでトレッキング…??
パミール高原(4日目‐1):空・雲・道・山・雪、ただそれだけ
パミール高原(4日目‐2):ココロに響くブルンクル
パミール高原(5日目):ホローグ目指して一直線
パミール高原4泊5日のちょっとした情報のまとめ

【VISA情報】日本で取るタジキスタンビザ