ラ・トマティーナ

スペイン・バレンシアにあるブニョールと言う田舎町。

この町が1年に1回、世界各国の旅人が集まる祭りがある。

La Tomatina―
“トマト投げまつり”として知られる“トマティーナ”だ。

念願叶って、2017年8月、ようやく参加するコトが出来ましたが、ホントに“クレイジー”なお祭りでした(最下部に地図付きで情報掲載していますので、今後、行かれる方はご参考に~♪)。

トマティーナのスタートは、市役所前での“パロ・ハモン”。
ハム取り合戦だ。

高い棒に洗剤を塗りたくった上に、生ハムが括り付けられていて、これが取れれば、祭りがスタートと言う一種の儀式。

大の大人が次々と棒へ飛び付くモノの、全然、取れる気配がナイ。
ってか、これはきっとかなり協力体制で臨まないと取れないのでは…と思うけれども、基本的に、みんな、“我先に!”と、先に登っている人を蹴落としながら、引きずり下ろしながら登って行くから、なかなかハムまでたどり着かない感じ。

ってか…

これ、ホントに取れたコト、あるんやろか?とすら思えてしまうぐらいだったけれども、取れても取れなくても一定の時間でトマト投げはスタートする。

でも、取れればホントにヒーローやねんけど。

トマトを乗せた車が来るまでは、実質、水掛け祭り状態。

随所から水(もしくはワイン・サングリア)が…
ってか、タイの水掛け祭りのソンクラーンかよっ!!的な状態。

そして…

めっちゃ、寒い。
“夏のスペイン”って、もっと暑いんじゃないんかいってなぐらいなんだけれども、何故かこの3日間、天気がどんよりで、この日もそんな天気模様。
それなのに、水って…

でも、トマトを乗せたトラックが入ってきた瞬間、寒さも吹っ飛びましたけれどね。

100トンを超えるトマト。

車が来てはトマトを投げ落としていく。
拾っては投げ、拾われては投げられ、拾っては投げ…

トマト♪ トマト♪ トマト♪

ってか、当たったらめっちゃ痛いヤツ、投げてくんの誰や~っ!!!!
黄色のトマト、当たるとマジでめっちゃくちゃ痛いっス。

でも、もっとトマトを!もっともっとトマトを!!

気が付けば、そんな感じで、トマトを求めては狙い定めた標的(笑)目掛けて投げつけている自分が。

最後のトマトを乗せた車が目の前を去った。

後に残るのはトマトの残骸だけ。

真っ白だったシャツも、いつの間にか真っ赤に染めあがり、もう元の色を留めていないけれども、ココからが“トマティーナのカオス”のスタートだった様に思う。

ハイテンション。
ナチュラル・ハイテンション。
何処から来たのかすら分からないけれども、もう周り全員が、そんなハッピーピープル。
辺り一帯が、カオスそのもの。

トマトの形を成さずにトマトジュースが足元を流れている。

いつしか誰からか、ダイブする人、続出。
そして、そこを目掛けてトマトを蹴り上げ、トマトを掛けまくる。

赤・赤・赤の一面、赤色の世界がそこにあった。

そして、それはまさに地獄絵図の様な、それでいて、その地獄を楽しんでいる様な自分がいたり。

ん?
また来年も来たいか?

いや、もう一生で見る分のトマトをこの1時間で見ちゃった感じですよ。

 

トマティーナは現在(2017年)、参加券の購入が必要になっています。

オフィシャルサイトから購入が可能ですが、1番安いチケットで10ユーロ。
ただこの10ユーロのチケットの売り出しは1番最後で、先にゴーグル・ビール付きチケットやバルセロナ・マドリッドからのバスツアーチケットが売り出されます。10ユーロの参加券だけのチケットは2017年だと7月上旬の売り出しでした。

これを購入すると、メールが3通届きましたが、前々日にバウチャーがメールで届き、それを持ってリストバンドへ引き換えますが、印刷していなくてもスマホからPDFとパスポートを見せるだけでOKでした。
なお、トマティーナの入口は2カ所あり、恐らく、早くリストバンド交換をした人がカテドラルに近い方の入口からの入場になっていたのだと(グループで行く場合は、同じ入口になる様に交換するタイミングには注意を)。

我々はブニョールの中心部からは結構離れた場所にAirbnbで宿泊しましたが(因みに宿の確保はブニョール宿泊なら数がほぼないので、5月ぐらいから動いた方がベター)、バレンシア・ブニョール宿泊チームは少なくともバルセロナから始発で来る人達よりも早く現地に到着出来、好みの場所を確保出来るのが最大の利点。
バルセロナやマドリッドからだとパロ・ハモンはたどり着けない可能性もあるかと。ボクらはパロ・ハモンの開始を見て、途中で下の地図上にある位置へと移動しましたが、結構、ベストなポジションだったかも。狭すぎず、トマトも多いし(そことカテドラルの間が最大の激戦区なのですが、道幅がかなり狭いので要注意です)。
尚、前夜祭から野宿する人も多いかと思いますが、2017年は雨に加え、かなり冷え込んでいたので、準備はしっかりとした方が良いかも。

当日の持ち物は、こんな感じ。

・水着(着用)
・防水カメラ
・防水スマホポーチ(やや大きめでスマホ以外も入るぐらいの大きさのヤツ)
・ハンカチと小銭(↑の防水ポーチ中に)
・絵を描いた白Tシャツ(正しくは描いて貰ったんですけれども)
・ゴーグル(これがナイとコンタクトの人は危険かも。固いトマトが当たって片側のコンタクトが吹き飛びました)

セルフィ―スティックとペットボトルは基本的に持ち込み不可なので気を付けて。

我々は町外れに車を路駐しておき、車の中に着替えを入れていました。

ブニョールに宿を取る利点は、朝早めに行けると言うの以上に帰りに、トマト臭いまま列車に乗らなくて済むと言う所かと。
一応、シャワーもしくは川で水浴びをしてトマトを落とすのですが、なかなか落ち切りませんし、匂いまでは取れないので。

2016年度のトマティーナに参加した人のblogを読むと、翌日、体調を壊している人がかなりの割合でいた感じなのですが、一緒に参加したメンバーは誰も壊さずに助かりましたが、日程にはちょっと余裕を見ていた方が良いのかも。
少なくとも、トマトは口に入りまくりですから。

それにしても、この祭りはホントに地元の人の支援によって成り立っていると。
これだけ汚れた町が1時間後にはさっぱり洗い流されているし、ボランティアスタッフによる運営など、ホントにそれがなければ成り立たなすぎるお祭り。

感謝、感謝です。

トマティーナ・前日。
ブニョールで、テレビ取材受けました。
阿鼻叫喚のトマティーナ2017(1)
阿鼻叫喚のトマティーナ2017(2)
阿鼻叫喚のトマティーナ2017(3)
阿鼻叫喚のトマティーナ2017(4)
思い思いの格好でトマティーナ2017
宴の翌日のブニョール