ANA、年間賞与ゼロ提示!まずは雇用維持が最優先?

ANA、労組に年間ボーナスゼロ提示!

ANAが2021年の夏と冬のボーナスを支給しないと言う提案を、労働組合に対して行った模様です。

新型コロナウイルスの影響で、世界的に業績が急速に悪化している状態の航空業界。
日本では最大手のANAももちろん、例外ではない。

ANAの2021年3月期決算は、4,000億円を超える巨額の赤字を計上

ただ2022年3月期には、約35億円の黒字に転換するコトを掲げている。

その為に、一層の固定費削減は至上命題と言う感じで、人件費を含めて、合計で3,000億円規模のコストを削減し、黒字化への道筋を付けたいと言うコトなのだろう。

これに対して、労組側はどう対応するのか。

現状、特に声明はないけれども、難しい選択であるのは間違いなさそう。
仮に、ANAと労組とが合意に至ると、記録が残っている1962年以降では初の年間賞与ナシと言う形になる。

既にANAは、2020年夏の賞与は1ヶ月分(例年からすると半減)、さらに冬の賞与支給を見送った状態なので、2021年の賞与がカットされると、3期連続で賞与支給ナシと言うコトになります。

確かに操縦士などはまだまだ高い年間所得を得ているが、実は、CAだったり地上職員だったり、本社社員などは実はそこまで基本給が高くない。

さらにそこもコロナ禍で一部がカットされていて、2020年冬の賞与支給見送りと併せると、人によっては既に年収が30%ばかり減っている人もいる状態。

そこに3期連続で賞与ナシとなると、そもそも家計に与えるインパクトはかなり大きいですしね。

ってか、年収で3割減ともなると、やって行けませんよね、フツー。
単身者ならば、まだやり繰りができるかも知れないけれど、子供がいて、さらにその子供が高校生になるぐらいの年齢だと、相当、厳しいですよね…

まずは雇用の維持が先決だが…

大きな赤字額を考えると、賞与ナシと言うのは、理解ができる。

あくまでも賞与は、“賞与”に過ぎず、赤字決算だったのを考えると、賞与が出るコトは疑問符ですし。

賞与よりまずは雇用の維持。
雇用を維持していなければ、コロナが落ち着いた際に反転に出るコトも出来なくなる訳だし、それが会社側にとっても従業員側にとっても、最も必要事項ですしね。

欧米だとリストラを大胆に行なえたりできますが、日本の場合は、労働者側の権利の方が、雇用に関しては強いので、なかなかそれも難しい部分もあり(それが一律に悪いコトだとも言わないけれど)、そうした中では仕方がないのかな…と思わなくもない。

ただこうした状況だから“仕方ない”と言うのも、なんだかな…とは思うけれど。

いち早く貨物需要を拾いに行った大韓航空やベトジェットなどは、辛うじてですが、コロナ禍であっても黒字を確保出来ていたりしますしね。

JALも比較的早くから貨物需要に力を入れましたが、JALと異なり、ANAは貨物専用機材も持っていますから、こうした初動の遅れと言う経営判断の鈍さもあるのでは…と。

まぁ、早くから貨物需要を拾いに行ったとしても、赤字額が巨額なので、カバーしきれる話じゃないのかも知れないけれど。

ただ今更、結果論を行っても仕方がないですから、ここからどう黒字化を達成するのか。

そこです。
黒字化を達成しなければ、賞与ゼロがこの1年だけの話にならなくなりますからね。

第3のブランドとなる中距離向けの新LCCを立ち上げると言うコトを打ち出していますが、今期はまだ準備段階で収益になる訳じゃない。

寧ろ、立ち上げる分の費用が上乗せされてくる。
大型機の退役などの要素はあるけれど、大きく収益的に改善する要素があまり見つからない様に思うのだが…

賞与ありきの考え方も変えるべきタイミングか?

赤字額が巨額。
幾ら国内航空業界最大手のANAからしても、この赤字額は厳しいモノがあるのは、事実。
直ちに資金がショートする訳じゃなく、当面の資金繰りには問題がナイ。

だけれども、少しでも削減できる費用は削減していきたいと言う感じなのでしょうね。

ってか、日本の今までの生活リズムがあまりにも“賞与”ありきになりすぎているようにも思うのですよね。

特に、賞与の額が大きい大手・準大手クラスの会社。
ローンを組むにしても、もちろん、ボーナスを当てにしている訳ですし。

今までは確かにそれで良かったのかも知れない。

ただもうそう言う時代じゃない。
それは世界的な潮流に左右されやすい観光業だけでなく、他の業種でも世界がグローバル・ボーダレスになっている中で、5,10年後、今、自分が勤めている会社が同じ形で存続しているかどうかが、ホントに分からなくなっている訳ですから。

こうした部分も、1度、立ち止まってよく考えるべきタイミングなのかも知れないですね、コロナ禍で。

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