タイ・ノックエアも更生手続き申請！

タイ航空業界で3社目の異変！

タイのLCCである「ノックエア」が、中央破産裁判所に、破産法に基づく会社更生手続きを申請しました。

既に「ノックエア」とシンガポールのLCCであるスクートと合弁で設立した中長距離向けLCCである「ノックスクート」は、会社を清算しましたが、「ノックエア」は清算ではなく、今後も事業を継続して行く計画でいるので、会社更生手続きの申請と言う形が取られました。。

タイLCC、ノックスクート清算を決議！

タイを拠点にした中・長距離向けLCCの「ノックスクート」が、会社の清算を取締役会で決議しました（正式には7月に開催される株主総会で決議される予定）。 「ノックスクート」と言えば、成田・関空・新千歳～バンコク（ドンムアン）線と日本路線も運航していたLCC。 …

元々、「ノックエア」は、コロナウイルスに関係なく、経営基盤が弱含み。

2019年の最終損益は、29.7億バーツの赤字。
日本円に換算すると、約100億6,200万円に達します。

2019年は旅客数も825万人と、前年の886万人よりも減らしており、搭乗率も87.3%と前年の88.7%よりも減少（但し、売上高自体はそこまで減っておらず、ほぼ前年並みを確保して199.7億バーツ）。

2019年末時点での負債総額が、186.4億バーツまで広がっていたところ。

そこに新型コロナウイルスの影響が加わり、国内線は減便中なのに加え、国際線は現在も全便が運休中で、負債総額は3月末時点で267億バーツにまで広がっていたと言われています。

267億バーツなので、約900億円。

それが3月末時点なので、そこから減便・運休期間は続いているので、より悪化していると言う状態。

2019年12月期まで6年連続で最終赤字を出していましたし、はたして会社更生法による再生ができるのか…と言うところは、非常に気になるところ。

タイ航空業界の構造不況も影響？

それにしても、タイの航空業界は、このコロナウイルスの感染拡大後に破綻・清算などが行われるのは、「ノックスクート」（清算）・「タイ国際航空」に続き3社目。

タイと言えば、国内線需要もありますし、観光需要も旺盛。
航空需要は高いかと思いますが、元々、各社が揃って赤字体質。
その理由の1つとしては、LCC・フルサービスキャリア・LCC間での競争も激しく、激しい価格競争に陥っていたコトが挙げられ、全ての航空会社の収益が悪い状態でした。

それにしても、全社、収益が宜しくないと言うのは、ちょっと異常だと思う。
好不調の波と言うか、ほぼ不調…みたいな。

現状、特に破綻や清算と言った異変がないのは、「バンコクエアウェイズ」と「タイ・エアアジア」。

ただ「タイ・エアアジア」だって経営自体はコロナウイルス以前から、実は順調ではなく。

2019年の最終損益は8.7億バーツの赤字転落（前年度は1.3億バーツの黒字）。
2019年末時点の負債総額は、322.3億バーツ。

「バンコクエアウェイズ」も経営自体、そこまで大きな航空会社ではないので、ドル箱路線もありますが、好不調の波を繰り返している感じ。

パッとしないんですよね、こちらも。

日本路線の広島線は、どうなる？

気になるのは、やはりバンコク～広島線。

2019年12月に就航した唯一の日本路線ですが、機材などもある程度は整理・縮小する形になるかと思いますが、そうなるとやっぱり広島線はやや厳しいのかな…と言う気がしなくもない。

需要が低い訳じゃないでしょうが、そこまで高いとも言えないかと思いますし。

ただ中国エリアから東南アジアへ唯一のLCC路線ですから、踏ん張って欲しい気はします。

そもそもコロナウイルスの影響、真っ只中ですからね。
観光客が多いと言うコトもあり、タイも厳しい出入国規制を行っている最中で、国際線もいつになったら飛ぶのか…と言う状態ですし。

また資本構成もどうなるのだろう…

と言うのも、「ノックエア」はタイ・サミット・グループのオーナー一族が筆頭株主ではありますが、先日破綻したタイ国際航空も約13%を出資している状態。

今のタイ国際航空に、「ノックエア」まで見ている余裕はないでしょうし、そもそもタイ国際航空内の別ブランドである「タイ・スマイル」との兼ね合いもありますしね。

利用者としては、競争が激しいと言うのは、価格にも反映される側面があるので、有難い部分はあるのですが、果たしてうまく更生が進むのでしょうかね。