タイLCC、ノックスクート清算を決議!

日本路線も運航しているノックスクートが清算に!

タイを拠点にした中・長距離向けLCCの「ノックスクート」が、会社の清算を取締役会で決議しました(正式には7月に開催される株主総会で決議される予定)。

「ノックスクート」と言えば、成田・関空・新千歳~バンコク(ドンムアン)線と日本路線も運航していたLCC。

元々は、シンガポール航空系の「スクート」と、経営破綻したタイ国際航空の資本も入っているタイの「ノックエア」が2014年に合弁で設立したLCC。

そもそもシンガポール航空系の資本も入っているから、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う渡航制限が続いても、しばらくは生き永らえるんじゃないか…なんて、淡い期待を持っていたのですが、会社清算で、従業員は解雇手当を支払った上での解雇になったとのコト(既に解雇手当を全額支給して425人の従業員を解雇済み)。

実は、赤字続きだった経営

そもそも「ノックスクート」は、就航以来、1度として黒字になったコトがなかったと言うのが、大きいのかも知れない。

2019年度は売上高こそ、72.1億バーツと前年比23.7%の増加を記録したけれども、営業損益は13.5億バーツの赤字。

旅客数が159万人で36.7%の増加と言うのを考えると、旅客が増えた分の売り上げ増加が出来ていなかったと言うのが分かる。

さらにタイ側の親会社に当たる「ノックエア」は、売上高が199.7億バーツで、最終損益が29.7億バーツの赤字。

これで負債総額は186.4億バーツになった。

「ノックエア」の年間旅客数は825万人で、搭乗率は87.3%と高い数値を記録しているのにも関わらず、赤字体質から抜け出せていない状態。

さらに「ノックエア」の株式を一定数持っている「タイ国際航空」も、会社更生法を申請

 

そうした経営環境の中で、元々、合弁企業なので、資本的な主導権がちょっと微妙。

出資比率は同率だが、「スクート」の方が強いのかな…と言うイメージはあるが、それが故に、成田・関空~バンコク線は、「ノックスクート」も「スクート」も運航があったりするのも、どうなの?と言う気はしましたけれどね。

安売り競争に巻き込まれて、どうにもならない状態。

そう言えるのかも知れない。

スクートが半額分の返金を実施!

「ノックスクート」の予約客に対しては、「スクート」が、航空券・バウチャー・クレジットシェルの“半額分”を返金するコトを明らかにしています。

通常、航空会社が清算になる場合、航空券は無効。返金手続きはナイと言うケースが多いので、少なくとも、半額と言えども、極めて異例の対応が行われるコトになりそう。

現時点で「ノックエア」側の対応は発表されていないけれども、さすがに「ノックエア」側には、その体力はないのでは…と言う感じがしなくもない。

中・長距離LCCはやっぱり苦しいのか…

中・長距離のLCCは、やっぱり苦しいのか。

格安と距離。
それを両立させられるマネージメント。

その中で、「スクート」は間違いなく、その先鞭を付けた企業だったけれど、兄弟会社の「ノックスクート」の清算。

これで日本発の中・長距離LCCは、一気にエアアジア陣営が強くなりますね。

寧ろ、一強と言えるのかも。

そこにJAL系のZIPAIRが挑むと言う構造になる訳ですが、そもそもZIPAIRは旅客便の就航さえできていない状態。

こちらも併せて、どうなるのだろう…

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