2期連続の赤字!国内線重点化か?
ANA系LCCである「ピーチ」の2020年3月期決算が発表になりました。
単独決算としては、最終損益が94億円の赤字で、2年連続の赤字であり、2011年の会社設立以来、最大額となる赤字を計上する結果に。
具体的な数字としては、こんな感じ。
2020年3月期 | 2019年3月期 | 2018年3月期 | |
営業収入 | 710億 | 604億 | 547億4,000万 |
営業損益 | ▲73億 | 41億3,600万 | 57億9,300万 |
最終損益 | ▲94億 | ▲1億9,300万 | 37億2,800万 |
ピーチとしては、2019年11月に同じANA系LCCで成田を拠点にしている「バニラエア」を統合。
路線数を増やした結果、営業収入としては、700億円台に乗せて来ましたが、3月に入って以降の、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で、旅客数の急減が、決算も直撃した形になります。
ただ新型コロナウイルスの影響が出たのは、国際線でも1月後半から。
国内線になると、3月ぐらいからと言うのが、正直なところ。
コロナウイルスの影響が、最も決算に反映されるのは、来期になる感じがするので、その割に内容が宜しくない気はしますね。
「バニラエア」の統合に向けての経費増は、前倒しで前期に計上しているハズだし(2019年3月期決算の赤字転落は、それが理由だったので)。
国内線の全路線での運航を再開させ、さらに8月1日からは、成田~釧路・宮崎の2路線を開設するコトを発表しているので、当面は、国内線への注力で乗り切ろうと言う形にはなりそうですが。
スカイマークは4期ぶりの赤字転落!
スカイマークも、2020年3月期の決算を発表しました。
単独決算としては、最終損益が12億円の赤字で着地。
スカイマークの最終赤字は、2016年3月期以来、4期ぶり。
2020年3月期 | 2019年3月期 | 2018年3月期 | |
営業収入 | 903億6,000万 | 882億700万 | 828億3,400万 |
営業損益 | 22億1,500万 | 72億500万 | 71億4,800万 |
最終損益 | ▲12億6,500万 | 91億2,200万 | 70億300万 |
2019年中は、順調に推移し、営業収入は、前年から2.4%増やし、過去最高となる903億円を計上。
最繁忙期になる2019年8月は、全路線の搭乗率が90.2%を記録するなど、絶好調で、税引き前純利益でも27億円と黒字を確保していた状況だが、法人税などを引いた最終損益は、赤字に転落するコトに。
全路線搭乗率としても、3月は55.2%と急低下していますが、減便ダイヤに本格的に入ったのが4月に入ってからだったので、その辺りが響いているのかも。
コミットメントライン(融資枠)契約に基づき、三井住友・みずほ・りそなの3銀行から、それぞれ100億円ずつの借り入れを実施し、当面の運転資金は確保できている形ですが、これらの借り入れは返済期限が11月27日と、案外、短期間の融資であり、どこまで返済が可能なのか…とも。
7月前半には減便率を29.4%にまで回復させる予定で(5月の減便率は85.8%)、この夏の回復状況が重要にはなりそうな感じ。
スカイマークとしては、成田~サイパン線に就航して、東京証券取引所への再上場申請も行ない、次に向けた動きがあった期ではありましたが、ひとまず仕切り直しと言う形になりそう。
ただスカイマークの場合、今でも先が見えない国際線は、成田~サイパン線1路線のみですし、羽田の発着枠もしっかりと持っているので、立ち直りは、国内の航空会社の中では早いかも知れませんけれど。
赤字決算は織り込み済みだろうが…
航空会社の赤字決算。
まぁ、それはある意味、織り込み済みと言う感じがしなくもない。
と言うか、これは仕方がない。
フツーにそう思う。
恐らく、どの航空会社も、来期までは影響が残るのも間違いはないだろう。
ただ問題なのは、先行きが見通せないと言うところなのだとは思う。
いつになったら、どのぐらい需要が回復するのか。
国際線は、いつになったら、全路線が運航再開出来るのか。
それが全く見えない中での、決算発表になっている。
今のところ、国内の航空会社では、コロナウイルスの影響による経営破綻は起きていないけれど、これだけ先が見えていないと、果たして、どこまで持ちこたえられるのかは、やっぱり心配なところ。
応援するには、乗るしかないんだけれどもね。
でも、首都圏はまたじわりと感染者が増えている段階。
第2波が来ても、こないだの様に全てを自粛と言う形にはならないのかも知れないけれど、もうどの会社に何が起きても不思議じゃない。
そんな感じですね…
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