ANAも出資しているフィリピン航空が、経営破綻!

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フィリピン航空、経営破綻!

フィリピンの航空業界大手の「フィリピン航空」が、2021年9月4日、米国で日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請したコトを発表しました。

今後は、運航を継続しながら経営再建を図っていくとのコト。

元々、赤字基調であった「フィリピン航空」。

コロナ禍以前でも2019年度の赤字額は102億ペソ(約210億円)。この年の営業収入は、前年度比で2.7%増の1,545億ペソに達していて堅調な旅客収入を確保していたが、純損失は3.6倍に膨れ上がると言う結果になっていた。

コロナ禍による航空需要の減少と、長く続いた外出規制もあり、2020年度決算では、718億ペソ(約1,500億円)の赤字。

2020年度末時点で、債務総額は3,000億ペソ(約6,200億円)に膨れ上がっていたが、2021年第1四半期になっても、86億ペソの赤字を計上しており、先行きが不透明なままであった。

負債総額の内訳としては、

・航空機リース…1,520億ペソ
・短期債務…1,200億ペソ
・長期債務…325億ペソ

で、債務超過額は840億ペソ(2021年3月末時点)。

航空機リース代も大きいコトから、この債務不履行は、現在、稼働中の航空機が差し押さえられる可能性もあった。

米国連邦破産法第11条の申請が認められると、債権の取り立てが停止され、航空機リース債務が一時棚上げになるので、事業としては継続できるコトになる。

今後は、20億ドル(約2,200億円)規模の債務削減と、金融機関から約5億ドルの資金を注入する計画。

運航は継続されるほか、航空券・マイレージなども引き続き利用が可能になる予定。

頼みのワクチン接種は、未だに低空状態

「フィリピン航空」としては、ワクチンの接種によって、コロナ禍が収束され、旅行制限が緩和されれば、業績は回復すると見ている。

が、フィリピンのワクチン接種率は、遅れているのが現状。

比較的、強権で知られているドゥテルテ大統領は、超法規的措置を通じて時事上の強制接種に動く可能性をほのめかしたコトもあるぐらい。

ただその大統領を以てしても、現状だと、13.1%しか終わっていない状態なので、東南アジアの中では、ベトナム・ビルマ(ミャンマー)に続く低さになっている。

この数値を見る限り、まだまだワクチンが全国民に広がるまでは時間が掛かりそうな雲行きなのは間違いがなく、ワクチン接種率の向上による「フィリピン航空」の業績回復と言うのは、まだ先が見えない状態と言えるのでは…と。

ANAとの提携はどうなるか

フィリピンを代表する航空会社。

それは間違いがない。

ただ既に「フィリピン航空」よりもセブパシフィック航空の方が、強くなっているのがフィリピン航空業界。
売上高で言えば、まだ「フィリピン航空」の方が上回っていたが、2019年度のセブパシフィック航空の純利益は91億ペソをしっかりと確保している。

コロナ禍は確かに大きな影響を与えたのは間違いがないけれど、そもそも大きくなったLCCに対抗できるだけの魅力を、作れて来ていなかったと言うのも大きい。

再建策としては、現在、運航している97機の内、20%程度の機材を削減して固定費をカット。

国内線の不採算路線の廃止に加え、ロンドン・ニューヨークと言った不採算の長距離国際線の廃止などが挙げられている。

「フィリピン航空」へは、ANAも2019年に約104億円の出資をしているが(出資比率としては9.5%)、今後も提携が続けられるとするのであれば、ANAのアメリカ線と言うのは、今以上に「フィリピン航空」としては大事になって行くのかも知れないですね。

そう言えば…
同じく経営破綻したタイ国際航空。

再建を進めてはいますが、実際の所、どうなんでしょうね。
そもそも色々と削減しても、コロナ禍で営業収入が激減している状態なので、どこまで計画通りに行っているんだろう…?

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