JALグループ入りした春秋航空日本、過去最大の赤字幅で債務超過拡大!

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コロナ禍以後、何気に決算に関する記事が多くなったこのブログですが、元々、決算情報を取り上げていたのは、「春秋航空日本」ぐらい。
で、その「春秋航空日本」の2020年度分の決算が発表になりましたので、今年も見てみました。

9期連続、そして過去最大の赤字幅!

先日、JALの連結子会社になったばかりのLCC「春秋航空日本」の2021年3月期決算が発表になりました。

これまでは、12月だった決算期が3月に変更になり、ちょっと変則的な2020年1月~2021年3月までの決算になりますが、こんな感じ。

項目2021年度3月期2020年度3月期
売上高50億5,743万円148億2,000万円
営業損益▲75億4,662万円▲22億8,000万円
経常損益▲76億4,215万円▲25億4,900万円
当期純損益▲75億4,133万円▲27億5,000万円

コロナ禍で航空業界は世界中で厳しい経営が続いている会社が多いですが、「春秋航空日本」は日本の航空会社の中で、特に減便率が著しい状態が続いていたので、赤字なのは納得ですが、これで2012年の創業以来、9期連続での赤字と言う状態。

過去の決算を見てみると、こんな感じ。

まぁ、ずっと赤字な訳です。

そこをJALが拾ったと言う感じですが、既に債務超過と言う状態で、3月末時点での債務超過額は50億4,795万円に達しています。

前期の売上高が過去最高でしたが、それでも148億。
資本金も増やしたので、かなり大きな債務超過額とも言えますね。

コロナ禍で開設した南京線…

去年の記事にも書きましたが、「春秋航空日本」の資本金・売上・損失額の推移を、今回発表された決算を加えて、まとめてみました。

年度資本金売上高営業損失純損失
2014年度69億円8億3,600万円▲48億8,900万円▲49億円
2015年度106億5,500万円25億2,100万円▲48億3,900万円▲49億円
2016年度114億円51億6,200万円▲38億1,700万円▲37億9,100万円
2017年度114億円91億4,100万円▲42億3,900万円▲42億4,800万円
2018年度114億円95億1,600万円▲45億200万円▲50億1,100万円
2019年度124億円148億2,000万円▲22億8,000万円▲27億5,000万円
2020年度179億円50億5,743万円▲75億4,622万円▲75億4,133万円

2019年度は、売上も過去最高になり、赤字幅もグッと減少して来て、「さぁ、これから!」と言うタイミングでもあったのですが、さすがにコロナ禍では対抗できなかったと言う感じ。

特に「春秋航空日本」の場合は、日中路線がメイン。
コロナ禍の影響を一番早くに受けた形ですしね。

そうした中で、国内線は週末のみに限定して運航し、国際線も開店休業状態でしたが、成田~南京線を2021年1月から隔週金曜日のみと言う少ない便数ではあるけれども、新規で開設するなどしていました。

コロナ禍で日中間の交流がストップしているような状態での開設には、やや驚きでしたが、単価が高く設定できるのであれば、アリなのかな?隔週運航ぐらいなら…

JALグループ入りで3年後には9機体制へ!

で、JALグループ入りして、どう言う展開になり、反転を目指すのか。

現状、6機の運航体制ですが、この規模では黒字化は厳しいとの判断で、今後3年間で中古のボーイング737-800型機(1クラス189席)を3機増やして9機体制まで増やすと言うのを発表しています。

増やした機材で、今後は日中間の国際線を新規で開設して行く方針。

現状の「春秋航空日本」の国際線は、成田~ハルビン・寧波・上海・重慶・武漢・天津・南京の7路線ですが、成田との直行便のないホワイトスポット(未就航地)の開拓を検討するとのコトで、具体的には、鄭州・石家荘・長沙・合肥・南昌などが候補に挙がっている模様。

国内線も運航してはいますが、札幌・広島・佐賀の3路線のみなので、やはりまずは日中路線が回復しなければ、業績の回復も難しい状態。

JALグループ入りしたコトで、これまでとは違う展開を見せてくれそうなのは、楽しみなところですけれどもね。

特に日系LCCは、ホワイトスポットに攻め入った動きをしている航空会社が皆無なのですからね。

ただ…
やはりちょっと赤字の止血も必要かなぁ…と言う感じはしますけれどね。

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