過去最大の630億の赤字予想!
西武ホールディングス(HD)が、2021年3月期連結決算の最終利益が、630億円の赤字になる見通しであるコトが、発表されました(前期は46億7,000万円の黒字)。
仮に赤字決算になると、2009年3月期以来12年ぶりで、赤字額は、2006年の西武HD発足以来、過去最大になる見込み。
西武HDは、西武鉄道の他、プリンスホテル・西武ライオンズなどレジャー・スポーツ関連の企業が傘下にずらりと入っている訳で、顧客が大幅に減っている状態で、今回の大幅な減収・赤字転落になる訳ですが、配当も無配に転落予定(前期実績は中間15円・期末15円の合計30円)。
具体的な詳細を見てみると、こんな感じ。
202年3月期実績 | 2021年3月期予想 | |
営業収益 | 5,545億 | 3,320億 |
営業利益 | 568億 | ▲560億 |
経常利益 | 487億 | ▲640億 |
当期純利益 | 46億 | ▲630億 |
今回、発表になった予想を対前期比のセグメント別で見てみると、こんな感じ。
都市交通・沿線事業:▲27.1%。
ホテル・レジャー事業:▲61.4%。
不動産事業:▲10.7%
建設事業:▲14.3%
その他:▲46.2%
「ホテル・レジャー事業」が552億円の赤字予想で、最大の赤字額。
一方で、「都市交通・沿線事業」は、73億円の赤字予想で発表になりました。
ホテル事業の収益回復が遅め
やっぱり西武HDが鉄道・レジャー比率がやたらと高いので、コロナ禍の影響が直撃していますね。
それでも鉄道事業については、2021年3月の想定が15%減まで持ち直す予測。
が、ホテルについては、下期の客席稼働率も30~40%台での推移を想定している模様なので、まだまだ回復には至らないと言う感じですね。
特にプリンスホテルの東京にある施設が、訪日外国人が皆無なのが、響いているのでしょう。
ただ平均販売室料は、1.6%の上昇を見込んでいる模様。
一応、足元の業績の推移を見てみると、こんな感じ(対前年同月比)。
鉄道事業 | ホテル事業 | ||
定期運輸収入 | 定期外運輸収入 | RevPAR | |
2020年4月 | ▲27.9% | ▲68.6% | ▲94.7% |
2020年5月 | ▲31.5% | ▲65.3% | ▲97.2% |
2020年6月 | ▲22.5% | ▲35.9% | ▲92.1% |
2020年7月 | ▲22.5% | ▲34.8% | ▲82.8% |
2020年8月 | ▲20.4% | ▲34.4% | ▲68.3% |
ホテル…
壊滅的ですね。
「Go To トラベル」事業が東京も対象になり、全国レベルで本格化して来るので、それをどこまで拾えるんだろう…と言う話になりそう。
終電繰り上げも検討に!
さて、それを踏まえて鉄道事業は、西武でも終電時間の繰り上げの検討に入ったコトが明らかに。
既にJR西日本は、繰り上げの詳細を発表、JR東日本も終電の繰り上げを検討しているので、それに合わせて来るのでしょうね(因みに、京急も検討に入っています)。
現状の終電時刻は、こんな感じ。
池袋線系統■
池袋発飯能行…24:09(準急)→飯能着25:05
池袋発小手指行…24:44(準急)→小手指着25:20
池袋発保谷行…24:45→保谷着25:08
新宿線系統■
西武新宿発本川越行…23:58(準急)→本川越着25:02
→小平で拝島線最終拝島行(拝島着24:50)に接続
西武新宿発新所沢行…24:44(準急)→新所沢着25:28
西武新宿発上石神井行…24:45→上石神井着25:11
多摩湖線国分寺発萩山行…24:22→萩山着24:29
20~30分ぐらいは、繰り上げて来るのでしょうかね。
コロナ禍以前は、特に飯能・本川越行の終電ぐらいのタイミングは、劇的に混雑していましたが、最近は、以前に比べるとガクンと空いていますモンね。
この際、新宿線の昼間の特急「小江戸」号や、S-TRAINにも手を付けて来たりしないのだろうか…なんて、ちょっと思っちゃいましたけれど。
西武としても、プリンスの再編が終わり、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町も開業し、鉄道は新型特急のLaViewが走り始め、所沢駅ビルもグランドオープンを迎え、西武園ゆうえんち・メットライフドーム周辺の改装にとしまえんの閉園と、最近、矢継ぎ早に動いていた矢先で、残念なところではありますが。
それにしても、もう各社で終電繰り上げって流れになって来ましたね。
需要が減っているのだから、仕方がないとは言えますけれど。
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