トルコのLCC・アトラスグローバル運航休止!

トルコのLCC・アトラスグローバルが運航休止!

トルコのLCCである「アトラスグローバル」が、2019年11月26日~12月21日まで、一時的に全ての定期便の運航が停止されました。

同様に、新たな航空券の販売も2019年12月16日まで中止するコトも、発表になり、Webページもそのお知らせのみの表示に切り替わっています。

運航停止中の航空券の変更並びに払い戻しなどは対応が行われるとのコトですが、改めて12月16日に発表が行われるとのコト。

「アトラスグローバル」と言えば、旧名「アトラスジェット」と言う名前で運航していた航空会社。

2015~2016年に掛けてのトルコの政情不安。2018年下半期のトルコ・リラ安などで、大きく旅行需要が低迷したコトに加え、イスタンブールの新空港移転でコスト増が重なったコトが、今回の運航停止の一因だと「アトラスグローバル」側は説明している模様です。

ただ需要減による経営悪化に対しては、利益を確保して持ち直しては来ている最中だったとの話もあり、12月21日以降、運航が再開されるかどうか、予断を許さない所ではあります。

路線展開は広めだったアトラスグローバル

イスタンブールを拠点にしつつ、チャーターフライトを含めるとロンドンやエジプト・パリ・デュッセルドルフ・アムステルダムと言った欧州各地や、テヘラン・テルアビブ・ジェッダ・メディナと言った中近東、さらにエジプトのシャルム・エル・シェイクやロシアのモスクワ…と、かなり路線網を広げていたLCCの、いきなりの運航停止。

ただトルコの航空会社で見れば、ダントツの最大手「ターキッシュエアラインズ」は絶賛、路線網の拡大に余念がない状態で、関空にも再就航を果たすまで路線網が広がっていて、フルサービス型の航空会社としては、トルコで一強状態。

LCCで見ても「ペガサスエア」が路線網を広げていて、「アトラスグローバル」は、その2強の陰に隠れてしまっていた感は否めず、路線網は決して小さくはナイものの、そこまで機材数が多い訳でもなかったので、規模による価格への訴求が出来るレベルでもなかった感じがあるのかも。

アジアとヨーロッパの接点であると言うトルコの特性からしてみると、どこかしらの地域にもう少し特化していれば、もう少し違った展開があったのかも知れませんが、全方位的に路線網を広げていたコトも、経営悪化に拍車を掛けていたのかな…と言う感じがしてしまいますが…

もしかすると、2つの強い航空会社を前に、特化すら出来なかったのかも…と。



ヨーロッパ中小航空会社が軒並み運航停止

それにしても…

ヨーロッパ内の中小エアラインの運航停止などが相次いでいる感じ。

2019年9月以降だけで見ても、フランス~アルジェリアに特化していたエーグル・アズール、XL航空、アドリア航空トーマスクック…と続いている状態。

スタアラ加盟のアドリア航空、経営破綻!

先日、イギリスを中心として世界最古の旅行会社であったトーマス・クックが破綻。 グループ会社であったトーマス・クック航空も同時に経営破綻しましたが、今度は、スロベニアのアドリア航空が破産手続きの申し立てを行いました。 …

トーマスクックは母体が大きいし、そもそも資本があった訳だし、本業はあくまでも旅行会社だったので、ちょっと他の事例とは異なる感じがあるけれども、大手格による寡占化が、少しずつ進んでいると言う感じで、それはフルサービス型の航空会社だろうが、LCCだろうが関係なく進んでいる状態。

ブリティッシュ・エアウェイズ+イベリア航空のIAG・ルフトハンザドイツ航空・エールフランス-KLMにLCCのライアンエアとイージージェット。

そこにウィズエアが何とか加わろうと言う形でしょうか。

元々、航空産業なんて、規模と発着枠がモノを言うような世界ではありますが、原油価格がもう少し上がって行くと、さらに運航が継続出来なくなる航空会社も出て来るのでは…と言う気になります。

しっかりと競争原理が働く環境でなければ、消費者的には不利益になってしまう訳ですが、元々、ヨーロッパの航空業界は、寡占化が進んでおらず、2018年度でも7大航空会社のシェアは55%程度。

北米だと大手航空会社のシェアは80%を超えて来るので、その差はまだまだ大きい訳で、この先も、中小の航空会社で、経営状況が芳しくない航空会社は、ドル高や原油価格の高騰などがあれば、ひとたまりもないんだろうな…とは

そうした流れは、これから先、日本を含むアジアにも来る可能性がある訳だけれど、その際、日本の航空会社は生き残れるのだろうか…

国内線でしっかりと利益が出ている日本の航空業界と、国内線網が薄いヨーロッパとを比べるのが間違いなのかも知れないけれど、ふと、そんなコトが頭をよぎったりも。

 

まだ「アトラスグローバル」は、経営破綻をした訳じゃない。
運航を休止しただけだけれども、中小の航空会社にとって、しばらくは受難の時期なのかも知れませんね、ヨーロッパでは。

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください