JAL新LCCは、787-8型機2機で2020年就航!
先日の記事で、「JALが中長距離路線向けのLCCを設立する」と言う記事を書きましたが、JAL本体から正式に発表がありました(プレスリリースはコチラから)。
具体的なプレスリリースが出たので、それをちょっと見てみるコトにします。
まずJALが新たに設立するのは、中長距離路線を運航するLCC。
「中期経営計画2017-2020」で掲げている“事業領域を拡げる、新たな領域”事業の1つとして、中長距離LCCで、新たな選択肢を提供すると言うモノ。
2020年のサマースケジュールでの就航を目指し、ボーイング787-8型機を2機、導入し、JALの連結子会社として成田ベースで就航させる計画とのコト。
これまでカンタス航空系のジェットスター・ジャパンとも提携がありましたが、ジェットスター・ジャパンは、あくまでもナローボディ(機内の通路が1本しかない、比較的小さな機材)で飛ばせる国内線と国際線短距離路線での運用を行い、新会社は、それ以上の飛行距離の路線へと就航させると言うコトになります。
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さて、まず気になるのは、機内の使用の部分。
さすがに詳細の公式発表は行われていないモノの、JAL本体と比べると、40-50%増の約300席になると言う報道がなされています。
ただJALの787-8型機は、そもそも他の航空会社よりも、座席数を絞り込んだ機材。
JALの787-8型機はエコノミーは横8列なのですが、ANAを含め、横9列配置が基本なので、JALと比べて半分近く座席が増えると聞くと、それだけで気が滅入りそうですが、実はそもそも比べる対象が悪い感じも。
同じ787-8型機を使っているLCCだとスクートとノルウェージャンがありますが、JAL本体の座席数なんかを比べてみるコトにします。
すると、こんな感じでした。
航空会社 | 総座席数 | ビジネスクラス | プレエコ | エコノミー |
JAL | 161 | 38 | 35 | 88 |
206 | 30 | – | 176 | |
186 | 42 | – | 144 | |
スクート | 329 | 18 | – | 311 |
ノルウェージャン | 291 | 32 | – | 259 |
まだ2クラスになるのかどうかも発表されていませんが、中長距離路線を飛ばすと言うコトで、何となく2クラス編成になりそうな感じがしますから、ノルウェージャンに近いイメージになりそうですね。
ってか、プレミアムエコノミークラスが搭載されているJALの同型機のエコノミークラスって、88席しかナイんですね…
寧ろ、そっちの方が驚きですけれども…
そのタイプだと161席しかないので、スクートと比べると50%しか座席がないと言うコトになりますね。
ノルウェージャンのエコノミーだと横9列でシートピッチが78~81cm。
実はANAの787-8型機とほとんど同じ詰め込み方なんですよね。
“LCC”と聞くと、シート間隔が狭いと言うイメージが先行してしまいますが、実は、今の主流はそうでもなかったりするんですよね。
就航都市を、再度、予想してみる
さて…
気になる就航都市ですが、前回の記事でもその点については予想してみましたが、使用機材が当初は2機でスタートと言うコトが発表になりました。
実は、2機で効率的に運用をしようとすると、中長距離の場合、かなり難しい感じがしなくもない。
と言うのは、1日の内で往復出来る都市と言うのは、そんなに多くはなかったりして、例えば、ロンドンとかだと、飛行時間が成田からだと往路が12時間35分。復路が11時間45分(2017年度冬ダイヤ)。
空港で駐機している時間を入れなくても、1日を超えてしまうんですよね。
ヨーロッパ線で飛行時間が短く、1日の内に往復出来て大きな都市と言えば、ヘルシンキとモスクワ・ストックホルムぐらい。
ヨーロッパとは言い難いけれども、ドバイも1日で往復出来るのかな…と言う距離(スゴいビミョーな所ですが)。
ヘルシンキとモスクワは既にJAL本体が飛んでいますし、ヘルシンキは他にフィンエアーとのコードシェア便もあります。
モスクワもJAL本体が飛ばしているのに加え、アエロフロートとの提携を発表しているので、今後、コードシェアが行われるコトを考えると、ちょっと飛ばしにくそうな感じも。
ヨーロッパ線については、2機での運用開始と言うのが、かなりネックになるので、毎日運航されないかも知れないデスし、最初は就航を見送る可能性もありますね。
アメリカ線はやっぱり西海岸が有力か
一方、アメリカ方面だと、西海岸ならば理論上は帰って来れる感じ。
ロスだと往路9時間55分。復路が11時間45分(2017年度冬ダイヤ)。
これだと何かあった際の余裕時間が皆無になるので、それよりも日本に近いシアトルがベストと言う感じに。
ただ来年度に西海岸へ1路線JAL本体が就航をさせるコトが発表になっているので、シアトルかポートランドにJAL本体と新LCCが1便ずつと言う言う感じが一番、しっくりくる気がします。
→(追記)JAL本体のシアトル就航は正式に発表になりました。
もしくはANAがオール2階建てのA380を投入してくるハワイ路線。
ハワイはJALの牙城ですし、ハワイアン航空との提携もスタートしたので、あまり可能性は高くないのかも知れないけれど、ANAが安売り攻勢を掛けやすくなるのと、関空経由でアジア系LCCがホノルルまで飛び始めたので、対抗馬として飛ばすと言う可能性はない訳じゃない気がします。
JALに乗る様な人と、LCCでハワイにって言う人とは、客層的にそこまでバッティングする気もしないですし。
オセアニア路線については、今回のプレスリリースや記者発表では言及されていないのですが、パースなんかは、距離的にもちょうど良かったりしますし、実際にJAL就航の噂も絶えないので、面白い所だとは思うんですけれどもね。
アメリカ路線は1日1往復で運航出来るとして、ヨーロッパ線はちょっと厳しそうなので、週3便運航にして、余った時間をアジア路線と組み合わせると言うのも考えられます。
その場合は、香港・フィリピン以遠と言う形になりますが、合間での運用なので、そこまで激戦区には突っ込んでこないだろうなぁ…
1番あり得そうなのは、経営破綻した際に撤退していて観光需要が旺盛なデンパサールでしょうか。
LCCで気になるのは、やっぱり運賃だ
まぁ、ここまで書いておいて、気になるのは、やっぱり運賃。
アジア路線だとセールで激安運賃が出て来たりしますが、中長距離の路線だと、幾らLCCと言っても、実はそんなに安くは無かったりします。
多分、ヨーロッパに飛ばすとしても、中東系かロシア系と同じくらいの価格帯になって来るんだと。
個人的にモニターはいらないので、充電が出来れば有り難いんだけれども、何処まで低価格をJALが打ち出せるのか…と言う感じがしなくもない。
あとは何処まで有料メニューが作れるか…と言う所でしょうか。
さすがに長距離だと飲まず食わずで乗って貰うと言う訳にもいかないでしょうしね(健康上的にも)。
それにしても低価格帯の新LCCを狙うのか、それともやっぱりJAL本体で飛ぶのか。
利用者的には、選択肢が出来ると言うのは、嬉しいモノですけれどもね、これからの続報に期待したい所です。
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