3期連続の赤字を計上中の智頭急行
上郡〜智頭間を結ぶ第3セクター鉄道の「智頭急行」が、2024年3月16日以降の購入分から、特急料金の改定を発表しました。
現行と新料金は、以下の通り。
指定席 | 自由席 | |
改定前 | 530円 | 430円 |
改定後 | 830円 | 730円 |
グリーン車料金の改定はナシ。
改定の理由としては、
3期連続で赤字決算が続いております。5類に移行し、お客様のご利用が回復傾向にはあるものの、生活様式・ビジネスシーンの変化や今後も続く人口減少等に伴い、お客様のご利用水準が新型コロナ前までの回復は厳しいと想定しております。
更に、開業から30年ほど経過し、設備の老朽化や原材料費の上昇傾向が続くことによる修繕費の増加等、安全対策にかかる費用が増加しております。
特急車両も導入30年を経過して老朽化が進み、特急列車車両の更新を進めていく必要がある時期となっております。
としています。
「智頭急行」はコロナ禍以前は、京都・大阪から鳥取・倉吉までを結ぶ特急「スーパーはくと」の需要に支えられ、決算的にも良好で第3セクター鉄道の中では数少ない優良会社でしたが、特急需要の減退が響き、この3年間は赤字決算に。
また特急車両を始め、各種設備の更新なども控えているコトから、今回の改定に踏み切った形。
300円の値上げだが収益源なだけに寄与大!
指定席も自由席も300円アップ。
ただ改定率としてはかなり高い感じ。
寧ろ、今までが安すぎたと言う感じがしなくもないけれど。
ただ「スーパーはくと」用の車両である「HOT7000系」は、登場したのが1994年。
内装などリニューアルされていると言えども、さすがに後継車の導入が検討されるべきタイミング。
そこで気になるのは、新型車両が出た際の「スーパーはくと」の運用区間。
現行の京都・大阪〜鳥取・倉吉になるのか、それとも区間を短縮するのか。
乗り入れ先のJR西日本としては、どうなんでしょうね。
確かに京都〜姫路間は新幹線もあるし、新快速もあるので、特急と言えども速達性で優位がある訳じゃないけれど、やはり関西〜山陰を結ぶ動脈としては姫路で打ち切るのはナンセンスのように思うけれど、京都〜新大阪間の廃止は、あり得なくもないのかな…と。
少なくとも現在みたいに全列車が京都発着と言う必要性は、そう高くないように思えるけれど。
「智頭急行」は、その収益の多くを「スーパーはくと」と岡山〜鳥取を結ぶ「スーパーいなば」に依存している体質。
なので、特急は会社の生
命線であると共に大きな収益源でもある。
なので、今回の改定が実施されれば、かなり収益的には大きく寄与しそうな感じですね。
ただその他の需要が鉄道としては、ホントに弱い状態なので、体力がある今のうちに多少なりとも黒字が出る収益源を作り出しておく必要もあるように思えてしまいますが、どうなんでしょうね。
そう言った動きに出れるのかどうか。
特急の運転区間も気になるけれど、そうした部分も気にして見て行きたいところではあります。
対高速バスは影響少ない?
ライバルになる高速バスを考えても、今回の改定はそこまで大きく影響はしないのかな?と言う印象。
それよりも経営的なプラスの側面の方が遥かに大きいと言う感じ。
ただ「智頭急行」としては、最後のカードをいきなり切ってきたかな?と言う気がしなくもないけれど。
まだまだ車両の更新がどう言うかたちになるのかも不明なままだけれど、より一層、地域間輸送に貢献するような新型車両の導入を期待したい感じですかね。
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