JALが欧米路線運航のLCCを設立?何処に飛ぶの?

JALが欧米路線を運航するLCCを設立?

JALが新たに、中・長距離路線を運航するLCCの設立を検討している模様と言うニュースを、日本経済新聞が伝えています(リンク先はYahoo!News)。

具体的に記事を見て行くと、運航開始は東京オリンピック・パラリンピックに合わせた2020年を予定しており、路線としては、ヨーロッパとアメリカ本土への展開を検討しているとか。

2010年の経営破綻に伴って制限されていた路線開設や新規の投資が2017年に解禁されたJAL。

だが、正直、一気に拡大を図ると言う事業計画にはなっておらず、2018年2月に公表した「2017~2020年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2018」でも、2020年の羽田空港などの発着枠拡大に照準を合わせると言うあけの話で、具体的には2019年度にアメリカ本土西海岸へ新規路線を1つ、就航させると言うコトぐらい。

2021年度以降の次の成長へ繋げる為の地ならしみたいな感じに留まっていました。

但し、“成長への取り組み”としては、「事業領域を拡げる」としていて、JALが蓄積したノウハウや顧客基盤をぁセットした成長事業を開拓するとしていた訳ですが、既に子会社として“ピーチ”と“バニラエア”の2社を持ち、その2社を統合させて中距離路線への展開を計画するANAと比べると、LCCへの取り組みはほぼ手付かず状態のJAL。

一応、カンタス航空が設立したジェットスター・ジャパンへの出資はあるモノの、正直、そこまでの熱の入れ方を感じさせる動きではなかった訳ですが、今回のこの日経の記事が実現すると、一気にJAL主導のLCCが誕生する話になります。

 

それも、長距離路線で。

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長距離路線へのLCC進出は、世界的な潮流

世界的に見ると、最早、長距離路線へのLCC参入は時代の流れであるコトは事実。

ヨーロッパ~北米はノルウェージャンなどがバンバン路線を増やしていますし、ノルウェージャンとイベリア航空系のレベルが、ヨーロッパ~南米路線に就航。

さらにヨーロッパ~アフリカはエールフランス系のJOONやルフトハンザ系のユーロウィングスがケープタウンなどに飛ばしていますし、ヨーロッパ~東南アジアもノルウェージャン・スクート・ユーロウィングスが就航しています。

日本から北米本土やヨーロッパを結ぶLCCは、まだ存在していませんが、ホノルル線は関空からスクートとエアアジアが就航しており、世界的に見ても長距離路線へのLCC参入と言うのは、潮流だったりします。

確かにまだ日本からの長距離LCCはブルーオーシャンで手付かずに近い訳で、JALが就航させると言うのは、面白みがあります。

JALが今、就航している欧米都市は、こんな感じ

問題は、何処に飛ばすのかと言う所。

そもそもJAL本体が飛んでいる都市だと、JALの顧客を奪いかねない訳ですが、現状でJALが飛ばしている長距離路線は、以下の通り。

国名就航都市発着地便数備考
アメリカシカゴ成田1日2往復1往復はAA運航便
ダラス成田1日3往復2往復はAA運航便
ボストン成田1日1往復
ニューヨーク成田1日1往復
羽田1日1往復
ロサンゼルス成田1日2往復1往復はAA運航便
羽田1日1往復全便AA運航便
関空1日1往復
サンディエゴ成田1日1往復
サンフランシスコ羽田1日1往復
カナダバンクーバー成田1日1往復
イギリスロンドン成田1日1往復全便BA運航便
羽田1日3往復1往復はBA運航便
フィンランドヘルシンキ成田1日2往復1往復はAY運航便
中部週5往復全便AY運航便
関空週6往復全便AY運航便
フランスパリ羽田1日1往復
スペインマドリッド成田週3往復全便IB運航便
ロシアモスクワ成田週4往復

 

普通に考えれば、これらの都市は外れるのかな…と言う感じがしなくもない。

この他に、2019年度にアメリカ本土西海岸の1都市に新規就航がアナウンスされているので、それ以外となると、結構、選択肢が限られてくる感じがしなくもない。

→(追記)上記の新規就航都市は、シアトルで公式発表がありました。



具体的に就航都市を考えてみる

具体的に素人が考えてみると、北米だとトロント・マイアミ・ワシントン・ラスベガスぐらいなのかな。
ヨーロッパ方面だと、バルセロナ・ミラノ・ローマ・アムステルダム・ベルリン・ミュンヘンぐらいだろうか。

まぁ、ウィーンやブダペスト・イスタンブールが入って来てもおかしくはないかも。

この中で、ラスベガス・ミラノ・ローマとアムステルダムはかつてJALが飛ばしていた都市なので、可能性が高い感じがしなくもないけれど、ワンワールド加盟航空会社のある都市に限ると、マイアミとバルセロナが筆頭になるのかな。

まぁ、LCCなのでどこまで連帯輸送を行うかにもよりますし、そもそも機材は?と言う感じもしますけれど。

そして、何にしても、何故、成田ベースなんだろう…と言う感じもする。
関空発の長距離路線はJAL本体でもかなり手薄なのだから、飛ばし放題なのに、成田にすると、一気に共食い危険があるのに…

それだけ関空発の長距離路線は難しいと言うコトになるのかも知れないけれど。

JALは付加価値を付けて高い航空運賃でも選んで貰える航空会社を目指している訳で、共食いは起きない可能性もあるので、もしかすると、JAL就航都市へ飛ばす可能性もありますしね。

ひとまずJALからの正式なアナウンスを待ちたい所だし、実現を心待ちにしたい感じ。

ただ、その前にジェットスター・ジャパンの立ち位置を、もっとはっきりした方がいいのでは…とは思っちゃいますけれどもね。

カンタス系で行くのか、それともJAL主導で行くのか。
今回もジェットスター・ジャパンがあるからこそ、欧米路線への展開となっているんだろうし。

あとはロシアの上空飛行許可が出るかどうか…と言う感じでしょうか。

ともあれ、実は長距離を結ぶLCCって、実はそんなに安くない。
少なくとも、安いフルサービスキャリアと比べると、そこまで大差がないぐらいだったりします。

JALが新しくLCCを就航させるとして、何処まで値段を下げて来るのかも、ちょっと興味が沸く所です。

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