久しぶりに国際情勢の話題。
ってか、この国、ホント何も変わらんなって、記事を書いていて思ったり。
3年前の記事をコピペ・ペーストしても良かったんじゃ…と思ったぐらい(笑)
3年ぶりにベネズエラ、デノミ実施へ!
南米のベネズエラの中央銀行が、2021年10月1日に、通貨ボリバル・ソベラノを100万分の1に切り下げるデノミを行ない、慢性的な物価の高騰に対応するコトを、8月5日に発表しました。
新たに導入されるのは、「ボリバル・デジタル」。
名称は“デジタル”と銘打たれており、中央銀行の声明でも“デジタル経済の深化と進展”に対応するとしているが、別にアナログな貨幣であり、実施されると現行の100万ボリバル・ソベラノが、1ボリバル・デジタルと言うコトになる。
ベネズエラの経済。
チャベス前政権下で行われた21世紀型の社会主義で、経済の硬直化を招き、その為に強制的な国営化などが行われ、それに伴い、利益を無視した経営が進み、物資不足とインフレが常態化していると言われている。
特に原油物価安に見舞われた2013年以降の経済は危機的な状況が進んでいる。
近年のベネズエラの通貨関係の動きは、こんな感じ。
2008年|1,000ボリバル→1ボリバル・フェルテにデノミを実施
2016年12月|最高額紙幣の100ボリバル・フェルテを廃止
2018年1月|国家が発行する世界初となる仮想通貨であるペドロを発行。
2018年3月|再度、デノミを実施。
簡単に書くと、こんな流れになっている訳だが、今回のデノミが実施されると、この13年間で14桁を切り下げると言うコトになる。
そんな状況下で、コロナの流行。
累計感染者数が現時点で31万人。
まだ抑えられている方だとは言われているが、そもそも政府が実態を把握しているとも思えず、為替レートで見ても、2020年7月末には1ドルが約26万ボリバルだったのが、2021年7月末には1ドル=約400万ボリバルにまで達すると言う状況に。
腐敗・非効率…で、どこから手を付けるのか
3年ぶりのデノミ。
正直、またか…と言う感じもある。
が、今回、デノミを行なった所で、経済が安定・改善する方策がある訳じゃない。
単に、通貨を切り下げるだけで、新紙幣になってもインフレが続くのは、容易に想像がつく。
世界最大級の原油埋蔵量があるベネズエラ。
それらの資源と連動した仮想通貨のペドロ。
ボリバル・ソベラノとペドロとのペッグ制による通貨の信任と言うのも、現時点では失敗に終わった感がある。
まぁ、原油とその埋蔵量は信頼できるかも知れないけれども、そもそも政府が信頼されていない訳で、世界の主要な仮想通貨交換事業者がペドロを取り扱うコトもなく、資金が集まるコトもないまま、今に至る感じである。
原油を始めとする鉱物資源が豊かにも関わらず、ここまで長きに渡って経済が苦境になっているのは、構造的な側面と、政治的な側面があるのだろう。
埋蔵量も豊富な原油も、生産コストが高く、なかなか採算ベースに乗ってこない状況になっているのに加え、経済制裁も続いている。
テーブルマウンテン・ギアナ高地と言った観光地に加え、ビーチリゾートもあるのに、今では観光客が訪れる国でもなくなった。
治安も殺人事件の発生率は高く、誘拐なども起こり、さらに役人の腐敗…
もうどこから手を付けるんだろう…と言う状況である。
中国を頼るか、アメリカを頼るか
前回、南米を旅した時点で、ベネズエラの治安は悪化していた。
もしかしたら行けるかも?と、マナウスまで行ってみて、情報を集めてみたけれども、ボクの危険回避能力とスペイン語レベルでは、やはり難しそうだと、その時は判断したのだけれど、その時と比べても治安も悪化、インフレも加速している状況にある。
やはりその前に南米を旅した時に、行かなかったコトが悔やまれるけれども、打開策は2つに絞られるのだろう。
まず1つは、反米と言う軸を中心に、中国・ロシア・トルコがより強固な支援を行ない、一気に石油関係の施設を更新して、効率を上げ、輸出産業からしっかりと利益を出すと言うコト。
ただ役人などの腐敗が広がっているコトを考えると、たとえ利益が出たとしても、国民全体に広がる可能性は薄いのかも知れないけれど。
もう1つの打開策は、2018年の大統領選挙を無効と主張としたグアイド氏による政権が樹立され、アメリカによる経済制裁が緩和されるコトなのだと。
ただそもそもグアイド氏は、ベネズエラを実効支配している訳でもなく、2021年1月には国民議会議長でも無くなったので、暫定大統領を名乗る根拠すらなくなっている状態だし、どこまで政治能力があるのかも、不明瞭な感じもする。
ただ間違いなく言えるのは、デノミを行なったぐらいでは、経済は回復しないし、またインフレが進むだけだと言うコトと、旅人がベネズエラに戻るコトは、当面、難しいと言うコトだろう。
行きたいな…
ベネズエラ。
行くに行けないと思うと、余計に行きたくなるな…
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