JR九州、SUGOCAの乗車ポイント終了へ!
JR九州のICカードである「SUGOCA」で鉄道を利用した場合に「JRキューポ」が貯まるサービスを2021年6月30日の最終列車を以て、終了するコトが発表されました。
具体的に終了するサービスは、以下の2つ。
- 乗車ポイントサービス
⇒「SUGOCA」を利用して「SUGOCA」エリア内の自動改札機を入出上した際、カード残額から引き去った運賃の1%を積算 - 特急券ポイントサービス
⇒「SUGOCA」のカード残高で、自動券売機にて「SUGOCA」エリア内の自由席特急券を購入した際、特急料金の5%を積算
サービス終了の理由として、JR九州は、
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う乗降客の減少及び経営環境の変化を受けて
としています。
つまりはポイントサービスの終了による実質的な値上げを行なうコトで、少しでも収支を改善させたいと言うコトなのでしょう。
九州内では、既に3月末までで西鉄が「nimoca」による乗車ポイント付与を終了しているのも、後押ししたと言う感じでしょうか。
因みに、「SUGOCA」は3月末時点での発行枚数は約330万枚。
JR九州の全568駅の内、286駅と北九州モノレール13駅で利用ができるICカード(その他にSuicaやPASMOと言った全国の交通系ICカードと互換性あり)。
一方で、「JRキューポ」は、JRキューポ加盟店で「SUGOCA」を利用した買い物に対して、200円で1ポイント貯まるサービスは継続。
またJR筑肥・唐津線~福岡市地下鉄で利用すると、乗車区間に関係なく10ポイントの「JRキューポ」が貯まるサービスは継続するコトになります。
後者は福岡市地下鉄の交通系ICカードである「はやかけん」でも同様のサービスが行われているので、単独では廃止できなかったと言うのが事情でしょうが。
回数券も廃止で、ダブルで割引施策がなくなる!
JR東日本はSuicaを利用したJREポイントへの誘導を強めていますし、東京メトロは(改悪も含めてですが)メトポを利用した閑散時間への誘導を発表済み、JR西日本もICOCAを利用してのポイントサービスの活用をし始めていますが、九州地区は、西鉄もJR九州も、ポイントサービスの縮小を打ち出して、対照的な動きを見せるコトになりました。
JR九州の場合は、10枚分の値段で11回分が利用できる普通回数券も、2021年6月30日を以て販売終了(下関発着に関しては、9月30日まで)するコトが発表に。
既に、特急券の回数券である2枚きっぷも3月31日を以て、多くを廃止しているので、一気に割引的な施策をなくすして、収入増を図る姿勢に転換すると言う感じです。

確かにJR九州の場合、高速バスとの対抗は激しいですが、近郊区間に関しては、他社との競合も小さく、需要喚起を図るよりも、割引を終了して経営改善に繋げていくと言う考えは、分からなくもないですよね。
元々、閑散線区も多く抱えていますし、それが災害で不通になっている区間もある訳だし。
運賃の値上げよりも、まずは割引を打ち切って、収入増を図って、経営環境を引き締めると言うのは、現行の運賃を守ろうとするのであれば、やや仕方がないのかな?なんて思ったりも。
ごちゃごちゃと割引率や利用のしやすさが劣る他の策を打ち出されるより、“コロナで厳しいので…”と、スパッと全部なくなる方が、潔い感じもします。
割引廃止でどれだけ収支改善できるの?
ただぶっちゃけ、どれぐらいの効果があるのでしょうね?
そして、割引なしと言うのも理解はできるのだけれど、自社クレジットカード利用者に対してぐらいは、割引を残しても…と言う気もしますけれどね。
特に、JR九州は駅ビル事業も持っていて、クレジットカードと自社事業との相性も良いでしょうから、今後、伸ばしていくべき事業分野だと思うのですが、その時に、鉄道の乗車で割引があると言うのは、1つの強みになったハズですし。
でも、結局のところ、それすら行えないほどに経営環境が悪化している。
そう言うコトなのでしょうね。
利用者的には明るい話題じゃないですが、せめて、今の線区を今の運賃制度で維持するために…と、前向きに捉えるべきなのかな。
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