最大110億円の資金調達承認!
スターフライヤーが、2021年3月3日、3月2日に開催された臨時株主総会の内容などを含めた臨時報告書を福岡財務支局へと提出しました。
この臨時総会で承認されたのは、2020年12月に発表されていた最大110億円を第3者割当などで調達する計画。
調達先の内訳は、国内の投資ファンドである「アドバンテッジパートナーズ」グループがの「アドバンテッジアドバイザーズ」が運営しているIXGSがA種株を55億円分。
既存の株主であるANA HDが15億円分・安川電機を始めとする福岡県内の企業12社が合計で10億円分のB種株を引き受けると言う内容。
「アドバンテッジアドバイザーズ」には、新株予約権を別途に割り当て、最大30億2,200万円を調達するコトも決定された。
議決権のない2種類の優先株は、構造改革やITシステムの刷新などに充てるとし、「アドバンテッジアドバイザーズ」へ割り当てられる新株予約権による資金は、運転資金へと充てられるとのコト。
また臨時株主総会では、社外取締役2人が選任された。
まず1人は、「アドバンテッジアドバイザーズ」でディレクターを務める小林健治氏。
もう1人も同じく「アドバンテッジアドバイザーズ」で顧問を務めている上山信一氏。
これで取締役は合計で11人体制になり、6人が社外取締役
今回の資金調達でANA HDの持株比率は落ちるコトになるが、臨時株主総会後も、ANA出身の白水氏が社長を務め、代表権も堅持する。
債務超過回避!筆頭株主が変更に!
2021年3月期の第3四半期決算は、売上が前年同期比で半減以下の138億円(前年同期は311億円)になったコトもあり、純損益が75億700万円の赤字(前年同期は4億4,900万円の黒字)。
通期の見込みでも103億円の最終赤字を見込んでいる状態。
今回、資金調達が行われなかった場合、このままだと債務超過に陥る可能性があると言う厳しい財務状態にあった。
これで当面は凌げると言う形になるが、増資により、筆頭株主であったANA HDの持株比率は、13.69%(4.27ポイント減)になる見込み。
上位の大株主を見ると、こんな感じになる。
会社・組織名 | 増資前 | 増資後 |
IXGS | – | 54.56% |
ANA HD | 17.96% | 13.69% |
TOTO | 4.89% | 2.89% |
安川電機 | 3.30% | 2.38% |
ゴルフライフ | 3.63% | 1.17% |
元々、北九州を拠点にしているスターフライヤーですが、地元の援護体制が今回の投資ファンドによる増資に繋がったと見るべきなのか、それとも単にコロナ禍後を見ると、日本の航空業界に商機があると見出したのかは分かりませんけれど。
そして、ANA HDは一応、支援はするのね…
自身もかなり厳しい状態であるのは、変わらないのに。
まぁ、コードシェアによる羽田発着枠確保と言う命題もありますから、おいそれと手放せないと言うコトなのでしょうが、仮にAIR DOやソラシドが同じ形になっても支援するのだろうか…
機材数も削減へ!
今後は、これらの資金を構造改革やIT刷新資金に充て、コストを削減すると言う形になるが、めぼしい施策だと機材数を現状の13機体制から1機減らして12機体制にすると言う部分だろうか。
ただ機材数を減らすと言っても、1機だけ。
元々、リース機が多いので機材を減らすコトで現金流出を少しでも減らせると言うコトはありますが、スケールメリットを享受できるだけの規模感が無かっただけに、機材数削減による効果が大きいとは言えない状態で、まだ来期も初頭はコロナ禍の影響が色濃く残りそうな状況を考えると、やはり次の打つ手が見えてこないのかな…と言う感じがしなくもないですね。
運賃に対してのサービス水準の高さは、とても評価が高いと思う航空会社ですが、コロナ禍後を見据えると、どれだけANAからのコードシェア収入を減らして1本立ちができるようになるか…と言うところなのかな…とも。
現状は、コードシェア収入が命綱になっている感はありますけれどもね。
それにしても…
去年の初めに台北線に搭乗してから約1年とチョット。
まさか債務超過の危機に陥るとは思ってもいなかったなぁ…
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