JR東日本、羽田アクセス線東山手ルートが認可!2029年度開業へ!

コロナ禍もあって、なかなか景気の良い話が流れてこない昨今ですが、先日の「ひたちなか海浜鉄道湊線延伸」と並ぶ、久しぶりに景気の良さそうな話。
しかも、その先に繋がりそうな話題です。

JR東日本、羽田アクセス線認可!

国土交通省が、JR東日本が計画している「羽田空港アクセス線」(仮称)の第1種鉄道事業許可申請の許可を発表しました。

この「羽田空港アクセス線」。

都心方面と羽田空港とを結ぶ路線になります。

今回の認可ではまず、東京貨物ターミナル~羽田空港の間に新線を建設(約5km)。
浜松町~東京貨物ターミナル間は、休止中の貨物線である大汐線(通称で本来は東海道線の支線)を流用・改良して運転すると言うシロモノで、大汐線と上野東京ラインと接続し、宇都宮・高崎・常磐線方面への列車を運転する計画でいます。

途中駅は現状、発表されておらず、羽田空港に設けられる新駅は、第1・2ターミナルの中間部辺りに建設。
京急の羽田空港第1・第2ターミナル駅と交差する方向で設置されるとのコト。

運転本数は、1日あたり片道72本を予定し、1時間に4本で計画されています。
事業費は、約3,000億円で、2029年度の開業を目指すと言うモノ。

まずは東京駅方面とを結ぶ路線(東山手ルート)が認可されたと言う訳ですが、さらにこの新線と既存の貨物線・路線などを活用し、新宿方面(西山手ルート)やりんかい線方面(臨海部ルート)への路線も視野に入っていると言う意欲的な路線ではあります。

現状、東京駅からだと、品川で京急か浜松町で東京モノレールへと乗り換えが必要ですし、上野東京ラインと結ばれるコトで、広範囲から羽田空港へのアクセスが改善されるコトになります。

モノレールなどの課題もありそう…

まず気になるのは、運転本数とそのダイヤ。

1時間に4本程度。
都心部の路線としては、圧倒的に少ない本数。

これは西山手ルートの計画が控えているから…と言うのもありますが、1時間4本と言えども、浜松町以北は既存の路線へと乗り入れる訳で、それだけの筋がどこにあるのだろう…と言う感じですね。

まぁ、既存の品川行が羽田空港行きになるのかな…とは思いますが、大汐線は単線区間がある訳で、その辺りも気になるところ。

また広範囲の路線と直通運転がなされる計画ですが、やはり気になるのは、遅延。

空港アクセスで一番困るのは、遅延です。

飛行機は待ってくれないですからね。

それなのに、広範囲で結ばれるコトで、遅延リスクはかなり高くなる訳ですが、正直、遅延時の回復は、JR東日本は早いとは言えないので、それならば寧ろ、東京・上野駅~羽田空港間のピストン運転に特化してくれた方が安心なんですけれどもね…

また、子会社化している東京モノレールの存在価値も気になるところ。

今回の新線は、あくまでも空港利用者への路線であり、空港へ通勤している方や大井競馬場などを抱えている東京モノレールの存廃問題に繋がると言う訳じゃないでしょう。沿線住民もいますしね。

ただいずれにしても、経営的には大きな打撃であるコトは間違いないです。
東山手ルートの新線が開業してしまうと、京浜東北線沿線住民しか利用しなくなるのでは?ぐらいな感じですから。

天王洲アイルのりんかい線との接続も良くはないので、新宿・池袋方面からの需要を拾える訳でもないですしね。

やっぱり浜松町と言う起点がネック過ぎるんですよね。

それでいて各種施設の老朽化が進んでいるので、経営的にはかなり厳しくなる気がしますけれどもね。

運賃的にも安くはないので、どうテコ入れをするんだろう…みたいな。

さらに第3ターミナル(国際線)付近に駅が設けられないと言う点も、残念なところですかね。

実際に、羽田のノビシロ的には、国際線の方がまだあるのは事実。
と言うか、発着枠的にも国内線はもう増えないでしょうし。

成田のアクセスも意欲を見せてくれ…

色々と可能性のある新線であるのは、間違いないです。

ただ個人的には既に「東京モノレール」「京浜急行」の2路線が乗り入れている羽田空港な訳ですから、今すぐに整備が必要か?と言われると疑問符かな…とも。

東山手ルートよりも、西山手ルートの方が望まれているのでは?と言う気もしますが、東山手ルートの方がより広範囲に直通できる可能性が高いので、これは仕方ないのかな…と言う感じ。

ただ、それよりも既存の課題もあるだろ…と言う気がしてしまうのも、実感としてはあったりします。

空港アクセスで言えば、羽田よりも既にJR東日本が乗り入れている成田空港へのアクセスの立て直しの方が、先じゃない?とも思う。

高くて遅い「成田エクスプレス」と、本数が少なくて利用しにくい快速。

成田空港アクセスに経営を掛けている側面のある京成に比べると、全然、ヤル気のなさしか感じなくて、最早、外国人観光客御用達と化している気がしてならない。

確かに羽田の再国際化以後、成田の存在価値はどんどん低下はしていますが、それでも今での東京の玄関口であるコトには変わりないですし、荷物の増える国際線の方が、乗り換えを省きたくなるのですけれども、現状のJRによる成田アクセスは、正直、使い物にならないぐらい。

確かに羽田って都心からは近いけれども、実は、鉄道アクセス的には、便利と言い切れる人は案外、限られているのも事実。

でも成田の方が、都心からの距離があるので、もっと不便ですし、実際、需要の取りこぼしをしている側面はかなり大きいとも思うのですが…

まぁ、この辺りは経営判断なので仕方ないのでしょうが。

 

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