ひたちなか海浜鉄道、湊線を海浜公園付近まで延伸!

少子高齢化で、地方の元気がなくなって久しく、そこにコロナ禍。
もう地方の鉄道業界はダブルパンチで光明は全く見えない状況の中で、なんとか踏み止まっていますが、久しぶりに明るい話題です。

湊線、海浜公園まで延伸!

国土交通省は、「ひたちなか海浜鉄道」が申請していた、同社の湊線阿字ヶ浦からの延伸計画の第一種鉄道事業について、許可したコトを発表しました。

これで、計画が進められてきた湊線の延伸事業が、正式に開始されると言うコトになります。

「ひたちなか海浜鉄道」の湊線。
JR常磐線の水戸駅から1駅の勝田駅(ひたちなか市)と海岸側の阿字ヶ浦駅(同市)とを結ぶ全長14.3kmの路線。

今回、許可が出た延伸計画は、阿字ヶ浦駅から北側にある国営ひたち海浜公園を結ぶ区間で、3.1kmの距離。

途中、公園南口付近に途中駅が1駅、公園西口付近に終点駅が、それぞれ設けられると言う計画。

2024年春にも開業を予定しており、新線区間は、中間駅などを除いて、大部分が、高架か盛土になる予定ですが、公園南口付近の中間駅は地平駅として設置される予定。

事業費は合計で約78億円。

3セク鉄道、数少ない成功例

そもそも「ひたちなか海浜鉄道」と言えば、前身は茨城交通。

茨城交通は赤字が続き、経営状況か厳しいと判断し、営業を断念し廃止する意向を示したモノの、ひたちなか市が出資し、第3セクター化。

2017年度には、1997年度以来20年ぶりに利用者が100万人台に到達し、その結果、震災復旧補助金を除いて、発足後初となる最終黒字を計上するにまで至ると言う全体的に苦境が続く第3セクター鉄道の中では稀有な存在に。

まず「ひたちなか海浜鉄道」の成功の理由としては、ひたちなか市が手厚い支援を行なったと言うコトがある。

熱意だけでなく、実際に出資・貸付・鉄道近代化事業への補助・基金の積み立てなどの支出を行なったのが、土台になっており、そこに社長を始めとする社員のアイデアなどが加わったと言う感じでしょうか。

運行形態としても、始発は早く、終列車も第3セクター化以降、繰り下げが行われ23時台まで運転されており、1日の運転時間が長く、さらに30~40分程度の間隔で運行されているので、利用もしやすいのが特徴でしょうか。

震災もあったりした中で、廃線危機から延伸まで、よく乗り越えて来たな…と、ホント、スゴイ路線になりつつあるように思います。

都市圏内でも新線開業は厳しくなって来ているのに、地方で路線の延伸なんて、いつ以来なんだろう…とすら思うし、それが第3セクター鉄道って言うのも、快挙に近いのでは…と。

海浜公園へ便利に!

さて延伸区間。

基本的には、ひたちなか海浜公園の利用者がメインになるのかも知れませんね。
ひたちなか海浜公園は、集客力もたっぷりですし、四季問わず、一定の観光客を集めているスポットですし。

ただそれだけだとやっぱり弱含みなのも、事実。

終着駅となる公園西口近辺には、大きめのショッピングモールもあるので、どこまで地元の方々の利用者を伸ばせるのか…と言う感じがありますね(ただその為には、公園西口よりもショッピングモール側まで延伸しないと、やや距離がある様には思うけれども)。

個人的に気になるのは、やはりひたちなか海浜公園で、毎年、夏に開催されているロッキンジャパン時の輸送形態でしょうか。

構造的にJRと接続する勝田駅は、第3セクター化されても湊線との線路は切断されておらず、JR~湊線への入線が可能になっているハズ。

かつては夏には上野~阿字ヶ浦への直通運転も行なわれていたぐらいですが、まずはこれが復活するのかどうか。

現状のロッキン開催中の鉄道系でのメインアクセスは、勝田駅までのバス。そこに水戸駅へのバスが加わり、阿字ヶ浦駅へのバスはメインアクセスになっていないので、「ひたちなか海浜鉄道」の利用者もボチボチと言う感じですが、これが一気に変わりそうな気配。

ただ…

湊線のスペックだと、さすがにロッキンの動員に耐えられるモノじゃナイとは思いますが、鈴鹿開催時の伊勢鉄道みたいな流れになるのかどうか。
まぁ、色々と楽しみがある延伸ですね。

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