992億円の最終黒字に転換!
「JR東日本」が、2023年3月期の連結決算を発表しました。
2022年3月期は、最終損失が949億円。
JR東日本として民営化以後、初となる2期連続の赤字決算になりましたが、そこから大きく回復し、992億円の最終黒字を確保すると言う結果に。
売上高も121.6%増の2兆4,055億円(前年同期は1兆9,789億円)にまで戻して来ました。
今期 | 前期 | 対前年度比 | |
売上高 | 2兆4,055億円 | 1兆9,789億円 | 121.6% |
営業利益 | 1,406億円 | ▲1,539億円 | ー |
経常利益 | 1,109億円 | ▲1,795億円 | ー |
当期純利益 | 992億円 | ▲949億円 | ー |
全てのセグメントで増収になり、期末決算としては、3期ぶりの営業利益・経常利益・当期純利益が揃って黒字転換。
さらにフリーキャッシュフローが4期ぶりにプラス転換。
まぁ、かなり花丸な決算内容になりましたね。
セグメント別に見ても、
- 運輸事業…運輸収入の回復(126.7%)
- 流通サービス…エキナカ店舗の売り上げ回復(117.9%)
- 不動産ホテル…ホテル/ショッピングセンターの売り上げ回復(108.4%)
- その他の事業…クレジットカードの売り上げ増(108.2%)
実際、運輸の回復が全セグメントの回復に繋がっている感じですね。
運輸事業は、コロナ禍以前を射程圏内に入れ、現状、75%まで戻して来ている。
不動産・ホテル事業は、既にコロナ禍以前にまで数値を戻して来ている。
あとは流通サービスだけが、まだコロナ禍からの影響を引きずりそうな気配ですが、こちらも着実に伸ばしている感じでしょうか。
課題はバス事業か?
確かに去年の時点で、数字自体は戻りつつあった。
ただここまで急速に戻してくるとは、やはり予測出来ていなかった感じがある。
JR東日本、2期連続の最終赤字!赤字額は949億円!
あとグループ内で数字的に厳しいのは、
・高速バス事業
・モノレール事業
・車両製造事業
の3つでしょうか。
高速バスは対前年度比で見ると増収を収めているけれども、高速バスの売上高はコロナ禍以前と比べると、まだ50%前後の水準に留まっている状態。
モノレール事業も、対前年度比で見れば増収。
ただ東京モノレールの運賃収入は、コロナ禍以前と比べると、約60%程度。
そして車両製造事業は、車両売り上げの減少が響き、対前年度比でも減収になっている状態。
モノレールは羽田の需要が完全に戻らないと…と言うので、外部要因が強い。
ただ羽田の需要も、ぼちぼちコロナ禍以前を視野に入れて来ているので、東京モノレールも回復してくるのかな?と。
ま、その前に現時点での売り上げで収益が確保出来る様にならないと、JR東日本による羽田アクセス線ができた時に、収益がまったく上がらなくなると思うのですけれどね。
車両製造も当面は新規での投資が抑制される感があるので、もうちょっと元に戻すには時間が掛かりそう。
問題なのは、高速バスと言う感じだろうか。
鉄道も航空も旅客を戻す中で、バスだけが取り残されているような状態になりつつある。
しかも運転手不足などが、露呈して来ている状態で、どう需要の回復を狙いつつ、安定的な事業継続を行っていくのか…と言う段階になっているけれど、バス事業者はその答えを減便に求めている会社が多い様にも。
JRグループはバス事業をどうしていくんだろうな…と言う気はするし、いつになったら需要が戻ってくるのだろう…とも。
減便を戻すタイミングは、いつ?
基本的にはコロナ禍から完全に立ち直った決算。
そう言えそう。
まぁ、元々、首都圏の需要を手にできる環境なのだから、人さえ戻ってきたら黒字転換は容易な訳で、これからは安定的に成長を続けて行けるんだと。
ただこれを踏まえて、どの段階で減便しているモノなどを戻していくのか。
そのタイミングは難しい感じがしますね。
特に深夜帯は、まだまだ本格的に人が戻っているとは言い難いですし。
需要が先か、供給が先か。
そもそも減便したモノを戻すつもりがあるのかどうかも、不明ですけれどね。
ただその前に、厳しい情勢の中でも安全運転を続けてきたコトに、まずは感謝ですかね。
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