ミラノの発着枠は数枠、譲渡へ
「EC」(欧州委員会)が進めていた「ルフトハンザ・ドイツ航空」グループによるイタリアの国営航空会社「ITAエアウェイズ」の買収について、条件付きながら承認するコトが発表になりました。
買収の条件としては、
- イタリア~中欧を結ぶ短距離路線を、競合他社数社へと移管する
- ミラノ・リナーテ空港の発着枠を競合他社に譲渡する
こんな感じで、「ITAエアウェイズ」株の41%を2024年10~12月期に「ルフトハンザグループ」が取得し、買収は完了する見込み。
また「ルフトハンザグループ」は、残りの株式も取得できるオプションでも合意しており、早ければ2025年にも行使が可能だとのコト。
「ITAエアウェイズ」は、元々は「アリタリア-イタリア航空」。
長らく経営再建がとん挫していましたが、ようやく完全に動き出した形になります。
スカイチームからスターアライアンスへ移行か
「EC」として目を付けたのは、イタリアと中欧とを結ぶ路線について。
「ルフトハンザグループ」は、傘下に多くの航空会社を抱えていますが、特に中欧エリアに偏っているため、「ITAエアウェイズ」が入ると、かなりの程度、補完関係になる形で、寡占化を防ぐために、そこは他社への参入を条件にした形ですが、他はすんなり…と言う感じですね。
もうちょっと条件を厳しくするだろう…と思っていたのですが、肩透かし的な感じ。
で、これらが進展すると、「ITAエアウェイズ」は、現状のスカイチーム加盟から脱退して、スターアライアンス加盟に移行するコトが容易に想像できますね。
スカイチームに加盟している航空会社で、ヨーロッパを本拠地にしているのは、
- エールフランス
- KLMオランダ航空
- エア・ヨーロッパ
- チェコ航空
- タロム航空
- ヴァージン・アトランティック航空
これらに加え、「スカンジナビア航空」が9月1日からスターアライアンスからスカイチームへと移籍する予定。
ただ「エア・ヨーロッパ」もワンワールド加盟のIAGが買収する話になっているので、今後、アライアンスの移籍がある可能性が高い状態なので、仮に「ITAエアウェイズ」がスターアライアンスに移籍し、「エア・ヨーロッパ」までワンワールドへと移籍してしまうと、ヨーロッパ西側だとエールフランスとKLMオランダ航空の2社のみになってしまうのは、ちょっと寂しい感じがしますね。
それを補うだけの規模があり、アライアンス未加盟の航空会社が、もうヨーロッパ本土の西側には残っていないですし。
ますますルフトハンザがデカくなる
それにしても…
ますます「ルフトハンザ・ドイツ航空」グループが拡大する形に。
単体でも十分、大きいのに、傘下に入っている航空会社を併せると、ホントに巨大なグループになっています。
昨今、航空会社が資本を含めて提携をしていますが、その走りと言えるグループですが、その動きが今後、アジア圏にも広がるかどうか。
まぁ、アジア圏はヨーロッパと異なり、国々の権益が確保されている状態なので、仮に資本を含めた提携の話になっても、ヨーロッパと同じスタイルにはならないのは明白ですけれどね。
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