タイ国際航空、赤字が続くタイ・スマイルの吸収を決定!

タイ国際航空、タイ・スマイルを吸収へ!

経営再建中の「タイ国際航空」が、子会社でLCCとフルサービスキャリアの中間ぐらいになる100%出資の子会社である「タイ・スマイル」との経営統合が、債権者委員会により承認されたコトを発表しました。

今後は、関係省庁の承認を得て、2023年第4四半期にも統合・再編を完了する見通し。

タイ・スマイルは、タイ国際航空内のサブブランドとして、LCCに近いスタイルで運航を開始。
その後、2014年に100%子会社として独立し、別会社としての運航をスタート。

但し、タイ国際航空とはコードシェアを結び、スターアライアンスにもコネクティングメンバーとして参加しているから、そこまで利用者としては変化もなかったかもしれませんが(マイレージの上級会員は別ですが)。

バンコクを拠点に、タイ国際航空が運航していた国内線・近距離国際線を移管し、約20機のA320ceoを使って運航をして来ましたが、2022年の最終損失は、42億4,800万バーツの大幅な赤字。

会社設立以後の累計では、約200億バーツ以上の損失を計上するなど、赤字体質が抜けておらず、抜本的な対策が求められていたところ。

タイ国際航空としては、コロナ禍が明け、業績も改善傾向にあるのですが、タイ・スマイルが大きく足を引っ張る形になりそうでした。

そこで、タイ・スマイルを統合し、ブランドをタイ国際航空へと統一。

経費の削減や業務プロセスの改善・シームレスな路線展開など、航空事業の再編を行なうコトで収益の改善を図って行くと言う計画。

足元の業績は急回復している状況で、単独だと2022年第4四半期の決算では、営業利益(EBIT)は88億8,200万バーツ、純利益は111億5,400万バーツを計上(タイ国際航空2022年12月期の業績を報告)。

ただタイ・スマイルに限ってみれば、営業損失が42億4,800万バーツ。

その結果、連結決算で見れば、2億5,200万バーツの純損失を計上する形に(タイ・スマイルの赤字と外国為替差損が大きかったと見られる)。

2023年第1四半期も、タイ国際航空本体は、好調を維持しているが、タイ・スマイルに限ってみれば、1億7,200万バーツの営業損失を計上(但し、一時項目があり純利益自体は8,200万バーツの黒字)している状況でした。

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債務超過は解消できていない模様ですが、資本を充実させる計画を新たに打ち出しているので、そこまで問題はないのでしょう。

と言うコトで、タイ・スマイルの吸収。

そう言えば、香港のキャセイ・パシフィック航空もキャセイドラゴン航空を吸収しましたし、シンガポール航空もシルクエアーを吸収。

アジア圏の近距離向け航空子会社は、吸収して航空事業を再編するのが、1つの流れになりつつあるのかな?と。

まぁ、確かに小さな会社にして、臨機応変な体制を作るのはアリなのでしょうが、やはり経費的に見れば増える要因でしかないのがネックでしょうね。

JALもかつてはJALエクスプレスのような会社を設けていましたけれど、伊丹発着の路線を移管した感じが強いので、そうした発着空港による使い道がタイ・スマイルはできる感じじゃないですし(そう言う意味では、キャセイもシンガポール航空も同様ですね)、そもそもLCCが強くなっているので、なかなか差別化も難しい状態。
運賃だけがLCCにつられて安くなっている様な感じもしますし。

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再建計画よりも売上高自体は、順調。

そう言う感じなのだろうが、2023年3月には債務超過を理由に、タイ証券取引所が上場廃止の可能性があるコトを通達していたりもします。

債務超過の解消に向け、新株を発行し、資本金も大きく引き上げると共に、最大で250億バーツとする借り入れも実施する再建策の修正を明らかにしている段階。

これらとタイ・スマイルの統合による経費削減などで、2023年で航空事業で少なくとも1,000万バーツの純利益の確保、2024年の債務超過解消を目指すと共に、2025年にタイ証券取引所での取引再開を目指すとのコト。

これで、これまでのツケを一気に解消できるかどうか。

結局の所、それに尽きるかな?と言うのが、正直な感想。

LCCを持たずに邁進するのか?

タイ国際航空は、現状、国内線・近距離国際線の多くをタイ・スマイルに移管していたので、これは比較的、利用者としては分かりやすくなる感じはしますね。

ただタイ国際航空は、LCC部門を持っていないのが現状。
同じく近距離便運航の子会社を吸収したキャセイは香港エクスプレスを、シンガポール航空はスクートを持っているのと、そこが大きく異なる感じ。

さらにタイは、LCCのシェアが大きいですからね。

どうせならばタイ国際航空の資本が入っているLCCのノックエアを含めての再編にまでたどり着けば、大きな形になるような気はしますが、どうなんでしょうね。

なんだかんだ言って、米国と中東以外だと、LCCを持っていないフルサービスキャリアは、総じて元気ないですしね。

それにしても…
個人的には、タイ・スマイルって航空会社名、好きだったんだけれどなぁ…
キャセイドラゴン並みに。

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