鉄道で2時間30分以内のフライトはNGに!
フランスで、鉄道で2時間30分以内に到達できる都市間の、国内線フライトを禁止する法案が成立しました。
これは温室効果ガスの排出削減を狙ったモノで、議会には2年前に法案が提出され可決されていたモノが施行されると言う話。
EU(欧州連合)が、禁止の適用に当たって、対象路線の条件として、
- 代替高速鉄道が都市間を2時間半で結ぶ
- 旅行者が目的地で最低8時間は過ごせるように、早朝や夜間帯にも列車が運転されている
などを求めていたが、それを元に法案が作成された形。
ただ国際線の乗り継ぎ便に関しては、適用規定外。
と言うコトで、運航が中止になるのは、
- パリ・オルリー~ボルドー
- パリ・オルリー~ナント
- パリ・オルリー~リヨン
の3路線のみの見込みで、日本発着路線のあるパリ・シャルル・ド・ゴールからの路線は適用されない形。
環境団体の推計ではあるが、対象路線を運航停止するコトで、フランス本土発着便全体の0.3%の排出量が削減できる見込みだとのコト。
日本に置き換えると、羽田~伊丹がNGに!
国際線乗継便はスルーと言うコトなので、日本在住者からしてみれば、そこまで影響はないかも知れない。
往路…日本→パリ→ボルドー→観光
復路…ボルドー→パリ→観光→日本
と言う旅程だと、ボルドー→パリが、当日or翌日乗り継ぎじゃなければ、乗り継ぎ扱いにならないような気はするから、今後は難しくなるのかな?
日本~パリ~ボルドーの単純往復ならOKでしょうが。
まぁ、シャルル・ド・ゴールとリヨンに限って言えば、どちらもTGVが空港に入って来るし、エールフランスなどはTGVに便名を付与して共同運航便扱いとしているので、そう言う事例が増えるだけと言うコトなのでしょうが。
2時間30分。
日本に当てはめてみると、
- 羽田~中部
- 羽田~伊丹/関空
- 羽田~富山
- 伊丹~福岡
この辺りが対象になる感じ。
恐らくですが、羽田~神戸・山形はギリギリセーフかな?と。
日本でもそうですが、既にこのレベルの短距離移動だと、新幹線・TGVの方がシェアが高い訳で、どれだけ意味のある政策なのだろう…とは、思ってしまう。
逆に、飛行機がダメと言うコトで、車に流れる乗客だって皆無じゃないでしょうし。
もちろん、環境問題はこれからの地球で考えた時に、急を要する課題の1つなのは、間違いがないし、削減できる排出量がそこまで多くはなくても、代替が効くのであれば、そちらを使う方がベターと言えるのだろうが、なんか腑に落ちない部分はあるかな…と。
インパクトはあるけれど…
個人的には、短距離の航空路線を締め出すよりも、その区間利用の車を締め出した方が、より効果的なのでは?とすら思ってしまうけれど(もちろん、物流関係は除くとして)。
高速鉄道で2時間半レベルだと、なんとか車でも移動を…と思える距離ですしね。
ただ今回の法案は、結構、インパクトがあるなぁ…と言う感じ。
そう言う意味では、成功だと思う。
そして、それぐらいして行かないと、もうダメってコトなのだとは思うけれど。
少子高齢化社会を迎え、さらに財政的にもそこまで余裕がナイのにも関わらず、未だに利用がそこまで多く見込めないエリアにも、バンバン高速道路を造っている日本も、少しは見習うべきなのかもなぁ…と。
まぁ、旅客だけでなく物流を合わせて考えれば、それでも必要な道路ではあるのでしょうが、日本の運輸行政は、とにかく道路に偏っている感じがあるのは、そろそろ転換するべき時代なのでは…と。
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