ジェットスター・ジャパン、過去最大206億円の赤字!
JAL系LCCの「ジェットスター・ジャパン」が2021年6月期決算を発表しました。
コロナ禍で迎える決算となりましたが、最終損益は前年の77億円の赤字に続き、206億円赤字。
2期連続の赤字で、赤字額は過去最大に。
詳細を見てみると、こんな感じ。
2021年6月期 | 2020年6月期 | 2019年6月期 | |
営業収入 | 159億1,200万 | 478億8,300万 | 605億2,300万 |
営業損益 | ▲196億9,200万 | ▲66億7,500万 | 10億6,400万 |
純損益 | ▲206億3,000万 | ▲77億5,600万 | 9億1,400万 |
営業収入は、前年度比で66.8%の減少と、かなり厳しい状態なのが分かる。
他の経営指標を見てみると、こんな感じ。
2021年6月期 | 2020年6月期 | 2019年6月期 | |
有償搭乗者数 | 182万人 | 431万人 | 562万人 |
平均搭乗率 | 67.5% | 82% | 87% |
このコロナ禍でも67.5%の搭乗率に達するように、しっかりと減便で調整が出来たと見るべきなのか。
それとも一般的にLCCの採算ラインは80%と言われているので、遠く及ばなかったと見るべきなのか…
どちらにせよ、前年度から比べると、旅客数はガクンと落ちた形。
さらにコロナの影響がなかった2019年度と比べると、その差は一目瞭然と言う感じですね。
縮小のジェット、拡大のピーチ?
コロナ禍以後、運休を相次いで行ない、成田~新千歳・福岡線の2路線のみを減便して運航していたのを、2020年6月19日から順次、運航を開催し、7月23日までに全路線での運航を再開。
ただその後もコロナの影響が長引き、202年10月25日には、全24路線の内、6路線を事実上、撤退。
関空は、パイロット・CAの拠点の閉鎖も行っていました。
決算期が異なるので、一概に比較はできないですが、ANA系のLCCのピーチと比べると、こんな感じ(ピーチは3月期決算)
ジェットスター・ジャパン | ピーチ | |
営業収入 | 159億1,200万 | 219億500万 |
営業損益 | ▲196億9,200万 | ▲359億3,700万 |
純損益 | ▲206億3,000万 | ▲295億500万 |
コロナ禍でも新路線に就航するなど、拡大路線を維持して来た「ピーチ」と、ひとまず縮小を行なった「ジェットスター・ジャパン」。
営業損益レベルでは結構、差が付いている感じですかね(まぁ、どちらも厳しい内容なのには変わりがないけれど)。
「ジェットスター・ジャパン」の今期の資本などは未発表ですが、前年度の資本+資本剰余金は120億円だったコトを考えると、債務超過に陥っている状態だと。
ただJALが支援を行っているコトもあって、運転資金は確保できているのでしょう。
その辺りの構図もANA・「ピーチ」と同じ感じですかね。
反転はA321LR導入からか?
さて、ここからどう盛り返して行くのか。
この1年間の決算を見る限り、単価が下がっている状態だが、価格面での需要喚起を続けつつ、動向を見つつ、供給量を調整する流れは、しばらく変わらないのかな?と言うのが正直なところ。
中距離国際線への参入を見据えて、国内の高需要幹線に投入する予定だったA321LR。
238席仕様で3機、導入する計画だった訳ですが、これをどうするんでしょうね。
そうこうしている間に、ZIPAIRはシンガポールに就航したし、台北への就航も内定しているし、中国路線は春秋航空日本(スプリング・ジャパン)がJALグループに入ったし…
なんか先が見えない感じがするんだよなぁ…と。
それはきっとコロナ禍が無くても…と言えるのでしょうが、A321LRを投入するタイミングが反転攻勢に出る時期と言えるのかも知れませんね。
でも、そろそろ何かしら動きがあっても良いような気はしますね。
コメントを残す