今年の初めは、まだどうなの?的な感じもあったけれど、航空業界も観光産業も、もう完全に復活しましたね~。
ただそれなのに、なかなか高騰する宿泊費とかが下がらないなぁ…
133.3%増の43億円の黒字!
北海道を拠点にする「AIR DO」が、2024年3月期の中間決算を発表しました。
コロナ禍からの旅客が回復し、中間期の純利益は43億6,100万円の黒字となり、数字だけを見るとほぼコロナ禍の経営難から脱却したコトを反映する内容に。
具体的に見てみると、こんな感じ。
項目 | 2024年3月期中間 | 2023年3月期中間 | 増減率 |
営業収入 | 275億500万円 | 206億5,500万円 | +33.2% |
営業費用 | 229億9,600万円 | 186億2,800万円 | +23.4% |
営業利益 | 45億900万円 | 20億2,700万円 | +122.4% |
経常利益 | 43億6,500万円 | 18億7,000万円 | +133.3% |
期間中の運航便数は、807便増の12,126便。
定時出発率は、10%減の82.1%。
座席提供数が4.6%増なのに対して、旅客数は31.9%増で、利用率は、16.4%増の81.4%に。
羽田線は、軒並み利用率が好調!
「AIR DO」は路線別の利用率も発表していますが、それを見ると主力の羽田線が好調なのが分かります。
・新千歳線…82.8%(前年同期64.1%)
・旭川線…79.9%(前年同期67.2%)
・女満別線…76.0%(前年同期62.6%)
・釧路線…83.7%(前年同期61.2%)
・帯広線…79.5%(前年同期64.2%)
・函館線…79.5%(前年同期66.8%)
軒並み75~84%の利用率になっています。
寧ろ、「AIR DO」の場合、過大なのは羽田線以外の路線でしたが、そちらも同様に好調な数値を記録していて、全路線の合計でも81.4%。
そりゃ、今回の好決算も頷けますね。
自己資本比率も29.1%まで盛り返して来ました(前年同期は25.1%)。
これを踏まえて、通期の業績見通しも営業収入は509億円(当初予想は477億円)、営業利益は27億円(同19億円)、経常利益は25億円(同15億円)に引き上げるコトを発表しています。
「AIR DO」としては好決算。
同日に「ソラシドエア」も中間決算を発表していますが、「ソラシドエア」も中間決算としては4年ぶりに黒字を計上。
ソラシドエア、4年ぶりに中間決算が黒字転換!
ただ持株会社である「リージョナルプラスウイングス」としては、「AIR DO」の方が引っ張ているかたちになっていますね。
経営的には一息付けているのが実情。
課題だった羽田線以外も好調になりつつあるので、これがどれだけ維持できるか。
そして「ソラシドエア」との経営統合効果をどれだけ発揮できるのか次第で、今後の動きが変わってくるのかな?と言う感じでしょうか。
この先の展望はいかに?
ただ結局、ちょっと長い視野で見た時に、この先、どうしたいのか…と言う展望があまりない。
実質的にANAの傘下に入っている訳ですが、その下支えが無くてもやっていけるようになりたいのか、それともそうじゃないのか。
仮にそうした未来を描いているのであれば、やはりまだまだ独自で稼ぐ力が足りないのが現状でしょうし。
北海道~地方を結ぶ路線網としても、そろそろ新路線の開拓は難しくなっているように思うし(あるとすれば、神戸空港以外の関西圏への路線と、広島ぐらいでしょうか)、羽田の発着枠はもう増えないでしょうしね。
ひとまず「ソラシドエア」との協業が広がるコトを願うけれど、その動きも鈍いですしね…
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