ラピートで台車に亀裂!
南海電鉄が運転している特急「ラピート」。
言わずと知れた大阪市内の難波と関空駅とを結んでいる特急ですが、この特急に使用されている50000系電車の台車に、長さ約14cmの亀裂が見つかったコトが発表されました。
国交省は、深刻な事故に繋がりかねない重大インシデントと認定し、国の運輸安全委員会は鉄道事故調査官2人を派遣し、調査を始めたコトも明らかになっています。
車掌が異音に気が付く!
この亀裂が発見されたのは、運転中の2019年8月23日の夕方。
車掌が4両目と5両目の連結部分から、金属がこすれる音を聞いたと報告を行ったコト。
ラピートの車掌が指令所に、報告し、指令所の指示で泉佐野駅から車両検査の担当社員を同乗させたが、異音は確認出来なかった為、担当社員は、りんくうタウン駅で下車。
そのまま運転を継続した。
運転終了後に、車庫において再点検を行った所、5両目の台車に取り付けてある4台のモーターの内、4両目に近いモーター付近に亀裂が見つかったとのコト。
結局、車掌が異音を確認してから、該当車両は、台車に亀裂が入った様な状態で、難波~関空間42.8kmを3往復運転していたコトになります。
ラピートの50000系は1994年9月の関空開港と同時に運用がスタート。
6両編成×6本の合計36両が在籍している車両。
関空と市内とを結ぶ高速性能と、利便性・居住性を追求すると共に、車両全体のデザインコンセプトとして「ダンディ&エレガンス」を掲げ、斬新でダイナミックな先頭車のデザインで知られている車両で、今でも人気の高い車両である。
この亀裂事故を受けて、他の車両も緊急点検を実施した結果、1両から台車の同じ場所に約10cmの亀裂が見つかったとのコト。
搭乗25年が過ぎたけれど、斬新なラピート
まず思ったのは、「ラピート」って、今でも斬新さを失っていない車両だと思うのだけれど、登場してから25年も過ぎているんですね…
その間、リニューアルは行われていますが、関空から市内に向かう際には、やっぱり利用したくなる列車だったりします。
25年もあれば、金属疲労などの原因も考えられる訳で、しっかり調査とメンテナンスを行って貰いたい訳ですが、大きな事故に繋がらなかったのが、何よりも幸い。
それにしても、車掌の果たした役割って、スゴイな…と。
どれだけの異音が出ていたのかは分からないですが、AIが叫ばれている中で、車掌の役割は相対的に低下しているのが現状だと思う。
今や、都心部の地下鉄でもワンマン運転が行われるぐらいですからね。
でも、最後は人が確か。
そう言う話なのだろうか…とも。
ただ事故を防ぐ為に担当社員を同乗させたのに、異音が発見されなかったからと言って、泉佐野~りんくうタウン駅の1駅間で下車したのは、今となっては残念な感じはしなくもないけれど、別に関空まで同乗した所で、車両下を点検出来る訳でもなく、異常を見つけるのは困難だったでしょうしね。
ラピートは平常運転を維持
因みに、50000系電車はこれで2編成が運用から外れた訳ですが、ラピートの運用は、元々、予備編成が2編成設けられているので、現状、運行ダイヤには支障がナイ状態で、特に現時点では運休のアナウンスは出ていませんが、長期化する様な話になれば、また異なった展開にはなるのかも知れませんが。
南海としては、いつまで使い続けるつもりなんだろう…
出来れば、なにわ筋線が開業する予定の2031年までは使いたいのだろうが、現時点で、ラピートは搭乗25年が過ぎている訳で、あと10年以上先になるなにわ筋線開業までとなると、ちょっと現実的ではない様にも思うのだけれど、ギリギリと言われたら、ギリギリの様な気もするし…
でも、次の世代の特急が登場するまで、まだまだ元気に走り続けて貰いたいモノなのですが…
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