JR東日本の決算は…
JR東日本が、2022年3月期の連結決算を発表しました。
それによると、最終利益が949億円の赤字で、JR東日本としては民営化後、初となる2期連続の赤字と言うコトに。
但し、売上高は前期比で12.1%増の1兆9,789億円(前期は1兆7,645億円)。
営業利益も1,539億円の赤字(前期は5,203億円)と、持ち直し傾向であるのは確かですが、ひとまず、内容としてはこんな感じ。
項目 | 今期 | 前期 | 前年度比 |
売上高 | 1兆9,789億円 | 1兆7,645億円 | 12.1%増 |
営業利益 | ▲1,539億円 | ▲5,203億円 | ー |
経常利益 | ▲1,795億円 | ▲5,797億円 | ー |
当期純利益 | ▲949億円 | ▲5,779億円 | ー |
売上高としては、少しずつコロナ禍の影響が下がっているので、回復基調になるのは、想像に容易い。
オミクロン株の拡大が回復の勢いを削いだのは事実だろうが、それでも全体的には戻り基調。
ただ最後に3月に福島県沖地震で、東北新幹線が脱線したコトで、一時、東北新幹線の一部区間運休があったのも影響はあっただろう(全線での運転再開はかなり早かったと思うけれど)。
ただやはりその割に、回復基調が弱含みと言えるのかも。
特にまだビジネス需要が戻っていないんだろうな…と言う状態なのだろう。
首都圏・新幹線。
この辺りは、2022年度にどれだけ回復基調になるのか。
それとも本格的に、リモートが定着するのか。
2022年度は、その分かれ目なのかも知れないですね。
2022年度は黒字化想定
その2022年度の計画では、売上高2兆4,530億円。
営業利益は、1,530億円。経常利益は、980億円。
当期純利益は、600億円と、黒字転換を予測。
ただ単体でも連結でも対前年度比で増収増益となるが、営業利益・経常利益・当期純利益共にコロナ禍以前の2019年度で見ると減益のままと予測。
つまりは、コロナ禍前まで…となると、まだまだ勢いがないと言う予測。
いつまでこの影響が決算面でも続くのか…と言う感じ。
JR東日本としては、主力の運輸セグメント以外で、手を打っている状態だけれども、やはり主力である運輸収入がもう少し戻ってこないと、さすがに厳しいのだろう。
JR東日本|2022年3月期決算短信
当面は、不動産事業に注力していくのが、回復への早道なのかも知れないけれども、そもそも不動産事業はスグに道が開ける訳じゃない。
となると、他のセグメントを伸ばしていくしかない。
まず主力の運輸事業。
ビジネス需要は少しずつ回復していくのだろうが、既に人口減が始まっているローカル線については、今後も厳しい情勢なのは、間違いがナイ。
新幹線もまだまだ回復には時間が掛かりそうなので、まずは首都圏の近距離路線への注力が良いのかな?と言う感じ。
踊り子・かいじ・草津・ひたち、房総半島方面…
この辺りを再び、盛り上げて行ければ、観光需要自体も盛り上げて行けそうな気はするが、比較的、取りこぼしがあるようには思う。
そして、クレジット事業を伸ばすのも手では?と。
折角、ビューカードと言う資源を持っているJR東日本。
ただ現状は、あくまでもSuicaへのオートチャージに利用するだけと言う程度で止まっている様な感じもある。
JRE POINTとビューカード。
折角、JRE POINTにポイント制度を集約させたのだから、この辺りをもう少しブラッシュアップさせていけば、もっと化けるカードだと思うのですがね。
配当は据え置いた判断は…
JRE POINTへ統合。
えきねっとのリニューアル。
オフピークポイントの導入。
シェアオフィス事業。
新幹線物流。
もちろん、コロナがなくても動き出していたプロジェクトもあるが、今の状況下で、新しい動きも見せているJR東日本。
ただどれもまだ動き出したばかり。
JRE POINT以外は、収益の柱に繋がって行く事業じゃない。
まだ2年ぐらいは、黒字化したとしても大きく跳ねる訳じゃないかも知れない。
そう言う状態なのに、配当は半期50円・年間100円を保っている。
この辺りは、それぞれの会社で考え方が異なるだろうが、2021年度も配当は据え置き。
どうなんでしょうね。
確かに株主あっての株式会社なのは間違いないけれども、2020~2021年度ぐらいの赤字額ならば、無配当を決断しても良かったような気はするけれど。
ひとまず、大きな自然災害がない1年であるコトを願うばかりだけれど。
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