気が付けば、もう年末間際。
フライトレコーダーにサンタ号が出てくると、「あぁ、クリスマスなんだな~」と思ってしまうんですが、サッサと年末に向けた動きをして行かないとなぁ…とも。
IAG、エア・ヨーロッパ買収断念!
イギリスのブリティッシュエアウェイズやスペインのイベリア航空の親会社である「インターナショナル・エアラインズ・グループ」(IAG)が進めていたスペインの「エア・ヨーロッパ」の買収。
2019年11月に買収するコトで合意。
その後、2021年1月に契約内容を修正していました。
「エア・ヨーロッパ」は、スペインの航空会社。
「IAG」はスペイン航空業界最大手のイベリア航空を抱えており、買収が成功すると、より一層、マドリッドでのハブ機能を強化でき、スペインでの地盤が強くなる形でした。
で、今回、この買収計画を断念したコトを発表しました。
この断念で、「IAG」は、4,000万ユーロを違約金として支払うほか、3,500万ユーロをグローバリアに支払う。
将来的に新たに合意に至った場合は、買収金額の減額や、買収に掛かる訴訟を回避するためにこれらを充当するコトでも合意したとのコト。
買収断念の理由は?
「IAG」による買収断念の理由としては、
・コロナ禍による混迷
・市場の状況
と言ったコトを挙げていますが、それよりも恐らく、欧州当局がさらに譲歩しなければ買収を承認しないとの姿勢を示したと言うコトが大きいのでしょう。
買収金額は、当初の予定だと10億ユーロ(約1,210億円)。
それがコロナ禍によって買収金額が減額され、5億ユーロ(約630億円)になっていたのですが、そもそも「エアヨーロッパ」は、そこまで大きな航空会社ではなかったりはする。
西側の大西洋路線(特に南米・カリブ海路線)は比較的、充実しているが、北米へは通年の定期運航だとニューヨークとマイアミ程度で西海岸へは飛ばしていない状態だし、ヨーロッパ域内線も別に路線網が豊富と言う訳ではなく、北欧線も持っていない。
東側はイスラエルのテルアビブ線が最も遠い路線と言う状況なので、東・東南アジアには飛んでいない…と言うか、カスってもいない。
アフリカ路線もモロッコ・チュニジアぐらいなので、これもほぼ飛ばしていないに等しいと言えそう。
それを考えると、そもそも金額が妥当だったのか?と言う感じもするけれど、さらに譲歩を…となると、コロナ禍と言うコトもあり、さすがに厳しいのかな?と。
まぁ、ヨーロッパ~南米線は、イベリア航空もかなりの路線を持っているので、仮に買収が実現していたら、強固な地盤になっていたのは、間違いがないのでしょうし、日本在住だとあまり関係性はないのかも知れないけれど。
規模拡大の動きは、当面、凍結か?
手頃な大きさで欧州に残っている航空会社と言うコトと、傘下のイベリア航空の本拠地であるスペインを地盤にしていると言うコトで目星を付けたのだと思うけれど、コロナ禍でどの会社も財務が傷ついている状態。
それはヨーロッパで3大キャリアに入る「IAG」でも同様な状態。
当面は、こうした買収での規模拡大と言うのは、あまりナイかも知れませんね。
コロナ禍で破産寸前→買収されると言う流れならばあり得るかも知れないけれど…
まぁ、逆を言えば、こう言う時期だからこそ、チャンスとも言えなくはないのですがね。
そして、今回の買収断念で「エア・ヨーロッパ」は先が見えなくなるかな?と言う感じがある。
単独で生き残れるか…と言うと、その規模ではないようにも思うし。
当面は、スカイチームとの連携で何とか生き残れるのかも知れないけれど、戦略が見えてこなくなるのは、事実なのかな?とも。
同じスカイチーム加盟航空会社のデルタ航空との連携に舵を切った南米最大のLATAMなんかと提携ができれば、南米路線がもっと生きて来るのかも知れないけれど。
そして、「IAG」には、もう少しコロナが落ち着いたら、長距離LCCとして創業した「レベル」の拡大に期待したいんですけれどもね。
現状、ニューヨーク・ボストン・サンフランシスコ・ロサンゼルス・プンタカーナ・カンクン・ブエノスアイレス・サンティアゴとバルセロナの間を飛ばしていますが、西側ばかり。
そろそろ東側への路線があっても良いように思うんですがね…
やはり欧州にいると東よりも西なのだろうか…
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