マラリアのワクチンをWHOが初推奨!
世界保健機関(WHO)は、2021年10月6日、マラリアを予防するワクチンを推奨するコトを発表しました。
今回、推奨されたのは、グラクソ・スミスクラインが1987年に開発した「RTS,S」と呼ばれるワクチン。
2019年からガーナ・ケニア・マラウイのアフリカ3カ国で80万人超の子供を対象にして試験的な接種が行われてきた。
元々の治験結果では、ワクチンを接種した10人中4人の感染を防ぎ、重傷者患者の10人中3人を救ったとしているが、今回の試験的な接種の結果でも、重症化を30%減少させ、他の定期的なワクチン接種に対しても悪影響を及ぼさず、費用対効果も高かったと言う結果に至ったとのコト。
マラリアは人類にとって長い間、最大の疫病の1つと言っていいぐらいの存在であり、多くのケースでは、乳幼児が死に至る他、大人になってからも掛かり得る疫病であり、アフリカを旅する際には、切っても切り離せない疫病であり、多くの旅人を悩ませてきた存在である。
そのマラリアに効果があるワクチンと鳴れば、テドロス事務局長が、「歴史的な瞬間」と評したぐらいの快挙と言うのも、理解できる。
いや、ホント、もっと日本でも話題になって良いぐらいなのに…と言いたくもなる。
熱帯熱マラリア原虫にしか効かないけれど…
今回の「RTS.S」は、アフリカで最も多く見られ、かつ、最も致命的な「熱帯熱マラリア原虫」が標的になるワクチンである。
なので、他の種類のマラリアが流行している地域では、このワクチンでは意味がない。
さらに言えば、4度の接種が必要であり、生後5か月・6ヶ月・7ヶ月・18ヶ月の頃に行なう必要がある。
そして「RTS,S」が有効なのは、蚊に刺されてから肝臓に到達するまでの段階のみに効果があるワクチンになっている。
そして、マラリア自体、蚊~人間の間で様々な形態に変化して行くため、今後、耐性を持ったモノが出現してもおかしくはない。
何よりも、決して100%ではない。
なので、他のマラリア対策(ベッドネットなど)を併用しつつ、ワクチンを使用する必要もあると言う。
今後は、より100%に近付ける強さと共に、幼児以外にもワクチン接種ができるようにして行かなければならないのも事実だろう。
大きな成果。
それは事実。
だけれども、まだまだ根絶に向かう訳でもないと言うのも、また事実なのだろう。
ふと、タビロックのお二人を思い出した…
そう言えば、西アフリカのマリを旅した時、当地はフランス語圏と言うコトで、多少なりともフランス語を話せるようにしておきたいなぁ…と思ったけれど、結局、覚えたフランス語は、薬局で「マラリアの薬を下さい」と言う一文だけだった…
でも、それぐらいアフリカとマラリアは切っても切り離せない関係にあると言える。
夫婦で世界一周をしていてブログも書いていらっしゃった「タビロック☆」のひーさんとぐーすかさん(あっちゃん)。
ボクは旅先で出会うコトは叶いませんでしたが、それでも当時、よくブログを読んでいたし、人気を集めたブログの1つだった(当時のブログが未完ですが単行本にもなっています『タビロックー夫婦で世界一周しよっ♪♪』)。
西アフリカで感染、潜伏期間を経て、南米のボリビアに移動した頃に発症。
症状が出始めてからぐーすかさんが6日、ひーさんが8日。
マラリアが原因で2人ともボリビアのラパスで帰らぬ人になった。
2人とも潜伏期間のコトも知っていたし、ラパスと言うボリビアの中では医療機関のある街で発症したにもかかわらず、海外保険が切れていたなどの理由もあるのでしょうが、初動が遅れたコトで、適切な処置を適切なタイミングで行わなかったコトで、最悪の結果に繋がった。
亡くなられた理由にも、改めて驚いた。
しかも、ご夫婦揃ってな訳だし。
そして、ボク的には今まで一番長く滞在したボリビアのラパスで亡くなるなんて…と。
それから何年も過ぎたけれど、今でもマラリアは生きた疫病なのだ。
コロナばかりが目に留まるけれど、未だに多くの人が命を落とす原因となる疫病なのだ。
なので、単純に今回のワクチンは、どんどんと接種が進めばいいな…と思う。
100%じゃないにせよ、少しでも救える命があり、副作用が少ないのであれば。
そしていつの日か、マラリアを始めとする疫病を気にせずに世界が旅できる日に繋がっていけば良いのですが…
コメントを残す