低床車両が“クソ”と発言した議員が福井にいた

低床車両は“クソ”なんだって

福井県議会で3月5日に開かれた県議会総務教育常任委員会で大雪災害に関する質疑が行われた中で、福井鉄道が導入をした低床車両の“フクラム”に対して、

「めちゃくちゃ雪に弱い。雪国ではくそみたいな電車だ。なんであんなもんを買ったのか」

と言う発言が出た。

発言主は、県会自民党所属の大森哲男議員。
当選3回ながら県議会の副議長を務めている議員だ。

“くそ”みたいな電車…
日本の議員って、どうしてこう言う発言しか出来ない人ばかりなんだろう。
品も何もあったモンじゃないし、そう言う発言が、ココの所、どんどん増えている様に思えるんだが。

確かに、低床車両は、雪に強い車両とは言えない。

それは事実だろう。

だって床が低い訳だから、一般的な車両よりも強い訳がない。

でも、日本で見ても、札幌市電・富山地鉄・富山ライトレール・万葉線…と、雪が降るエリアでもしっかり走っているし、海外でもヘルシンキなど雪国でも走っている実績があるコトを見ても、そこまで過度に弱いとは言えないのも事実。

逆に、同じ福井のJR越美北線なんて、2月の大雪の際は、福井~越前大野間の復旧に15日も掛かっていて、九頭竜湖駅までの全線開通まではさらに3日が必要になった訳で、幾ら前例のない程の大雪であったコトや、幹線である北陸線の復旧を最優先にしたと言えども、半月も復旧しなかった越美北線のJR西日本の対応の方が問題の様に思えるのだが…

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フクラムとは

そもそもフクラムは、主に福井鉄道とえちぜん鉄道の三国芦原線との相互乗り入れ便に使用されていて、福井市内の最近の公共交通機関の再整備においては、中心となる存在だ。

富山みたいにコンパクトシティを銘打った施策でもナイ感じだけれど、実際に、利用者は増加を辿っているし、福井駅前をスムーズに経由出来る様にデルタ線の建設なども計画にあるなど、今後の展開も期待されている部分がある。

そのフクラムだが、1月中旬の降雪の際は、フェニックス通りの軌道部分で立ち往生し、2月の大雪の際も、運行再開が大きく遅れてしまったコトが、今回の大野議員の発言に繋がっている訳だ。

だがその原因は、フクラムの幅が除雪車両よりも広く、レール脇に残った雪を巻き込んでしまったのが根本だと福井鉄道側は認識をしている様だ。

つまりはフクラムと除雪のシステムとがちゃんとリンクしていなかったのが問題点である(除雪車両は計画を1年前倒しして整備する模様)。



議員の仕事とは何か?クソなのは、あなただ。

雪で止まってしまったコトだけを指摘するのが議員の仕事ではなく、

“雪に強い公共交通を作るには、公の関与をどう言う形にすればいいのか”

を議論・提案するのが、本来の議員の仕事の様に思えるし、指摘するのであれば、起きる前に指摘出来なければ意味がない。

富山地鉄は、路面電車用の除雪車両がないが、富山県・富山市と3者で午前5時ごろまでに路面軌道と道路の雪を丸ごと取り除く様にしていているし、富山ライトレールの場合は、散水消雪装置を備えている訳で、福井でも同様の施策が導入されても良いと思うのだが…

まぁ、豪雪地帯じゃないけれども、1度、雪が降ると壊滅的になる東京都心部の鉄道もどうなの…とは思うし、そう言う時に危険を冒してまで出勤しなければならない日本の会社組織もどうよ…とは思うけれど。

そもそもフクラムが導入されたのは、2013年から。

導入に関しての資金は、県の予算がかなりの割合を占めている訳で、2007年に初当選組の大野氏であるならば、その可能性を指摘出来たポジションにいた訳だ。

それをしなかったのに、今更になって“クソ”発言。

いやいや、あなたの方がクソでしょ…

対案を出せない議員。
建設的な会話にならない議員。

それなのに、税金だけは納めなければならない訳で、もうどうなの…と思いたくなるんだよなぁ…

そろそろ有権者も気付くべきだと思う。

“何となく自民党”。
“会社の労組が推しているから”

とかじゃなく、自分の意見と議員の素質をしっかりと見極めて、投票。

それが出来ないから、発言したコトをスグに訂正する様な議員が出て来るんだよね(今回の大野氏も6日に発言を訂正している)。

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