赤字・赤字…なニュースばかりで、正直、滅入りますが、そんな環境でも安全を保ちながら、日々、定時運航を目指している各交通機関には、頭が下がる想いでしかない。
もうちょっと乗ってあげたいんですけれどもね、こうしたタイミングで。
何せ、先立つモノがピンチなんですよね、ボクも…(泣)
ピーチ、3期連続赤字で債務超過に!
ANA傘下のLCC「Peach」が、2021年3月期の通期決算を発表しました。
コロナ禍の影響を他の航空会社同様に強く受けた決算内容で、3期連続で最終赤字を計上し、赤字幅も拡大し、過去最大。また債務超過状態になったコトが判明しています。
項目 | 2020年度 | 2019年度 | 前年度比 |
売上高 | 219億500万円 | 710億7,000万円 | ▲69.2%減 |
営業損益 | ▲359億3,700万円 | ▲72億2,500万円 | ― |
経常損益 | ▲345億9,100万円 | 80億3,400万円 | ― |
当期純損益 | ▲295億500万円 | ▲94億9,200万円 | ― |
売上高が半減以上になっているので、まぁ、赤字なのは仕方がないのかな…と言うのは、正直な感想ですね。
JALやANAのように、旅客がダメなら貨物で…と言う機材も持っていませんでしたし(貨物輸送自体は、コロナ禍を契機に実施しているけれども、そもそも行った所で容量自体は大した話にはならないし)。
売上高が減っていると言うコトで、他の航空会社は、事業費を一気に見直して損失の拡大を防いでいる訳ですが、「Peach」の場合、事業費は、2020年3月期に726億円だったのが、今期は531億円で、27%しか減っていませんから、寧ろ、赤字にならない訳がない。
事業費が膨らんだ理由は、リース機の存在もありますが、このコロナ禍での新路線の開設なども大きかったのかなとも(「ピーチ、コロナ禍でも積極的!名古屋、初就航へ!」・「攻めるピーチ?コロナ禍でも成田~女満別・大分線を開設!」)。
ポストコロナを見据えての事業拡大で、エアアジア・ジャパンの後を狙っての中部進出など、かなり積極的な路線開設を行なっていますしね。
それを考えると、今期での大きな赤字は折り込み済みでしょうし。
セールで需要喚起をしているけれど…
ただ気になるのは、赤字額がかなり大きく、今回の決算では売上高を赤字額が超えると言う事態な部分。
バニラエアとの統合に関する費用を前倒し計上した2019年3月期は1億9,300万円の赤字。
2020年3月期は、94億9,200万円の赤字でしたから、今回の赤字幅は、大きさも半端ない感じで、それまで6期連続で黒字を出していたのを一気に吐き出した感じです。
そして債務超過も216億2,200万円と大きな金額に。
ANA HDから借り入れを行なっており、コロナの影響が長引いたとしてもコミットメントラインを設定しているので、当面の資金繰りには問題はないとしていますし、足元の予約状況は回復傾向にあるとのコト。
確かにここ最近、セールも多めですし需要喚起を図っているのは分かる。
ただまだまだ本格的な回復と言う訳ではない感じなので、オリンピック・パラリンピック後にどれだけ需要が戻っているか…と言う感じでしょうか。
需要が戻るまで、我慢比べ…
コロナ禍の1,2年の業績で一喜一憂するのは、間違っているとは思う。
コロナ禍なんて、誰にも予想もできなかった話な訳だし。
航空各社ともに厳しいし、特に貨物輸送を行なっていない多くのLCCは開店休業状態の1年だった訳だし。
でも、その中で、「Peach」は拡大路線に舵を切っていた形。
7月1日にも関空~女満別路線に就航していますし、今まで国内線比重がそれほど高くなかったコトとバニラエアとの経営統合で成田にしっかりとした拠点ができたタイミングでもあったので、一気に路線網を増やしてきた感じ。
ライバルでもある「ジェットスター・ジャパン」は、ここに来て、確実に足踏み状態で、寧ろ、路線網はコロナ禍で不採算路線を運休・撤退している状態。
「Peach」と「ジェットスター・ジャパン」。
どちらの経営判断が正しいのかは、現時点では分からないけれども。
まぁ、スカイマークの決算でも思ったけれど、要は、資金繰りと回復のタイミングなんだろうな。
完全に前の状態に戻るまでは時間が掛かるとしても、どのぐらいで搭乗率が70%ぐらいにまで戻るのか。
それまではひたすら耐えるだけ。
そう言う意味では、親会社が耐えられるだけの余力がある企業が、残るだけってコトですね。
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