純利益は前年度の約2倍に!
先日のANAの2024年3月期連結決算に続き、JALが決算を発表しました。
ANAは過去最高益となる1,571億円の最終黒字を計上しましたが、JALも純利益が前年度比で約2倍となる955億3,400万円を計上し、コロナ禍の影響を払拭するかのような内容の決算になりました。
ひとまず、詳細はこんな感じ。
2023年度 | 前年度比 | 2022年度 | 2019年度 | |
売上収益 | 1兆6,519億円 | +20.1% | 1兆3,755億円 | 1兆3,859億円 |
営業費用 | 1兆5,422億円 | +14.7% | 1兆3,446億円 | 1兆3,088億円 |
EBIT | 1,452億円 | +63.5% | 645億円 | 888億円 |
純利益 | 955億円 | +98.8% | 344億円 | 480億円 |
航空事業の収益を見てみると、旅客収入が国際+国内事業合わせて1兆1,731億円。
売上高が2兆円を突破し、航空事業の売上高だけで1兆8,695億円に達したANAと比べると、やはりやや物足りなさも残りますが、そもそもの発着枠数や機材数が異なるので、一概に“大手”と言う中で比較するのも正しくないのでしょう。
JALの決算もなかなかの数値です。
この結果を受けて、配当予想を修正し、期末配当は1株あたり75円に引き上げ。
さらに2025年3月期には中間・期末配当ともに40円の配当で、年間配当は80円を予想しており、ANAは1株あたり50円なので、それと比べても株主への還元に意欲的な姿勢が見て取れますね。
国際線とZIPAIRが好調!
各セグメント別の売上高を見てみると、こんな感じ。
2023年度 | 2022年度 | 対前年度比 | |
国際旅客 | 6,223億円 | 4,175億円 | +49.1% |
国内旅客 | 5,508億円 | 4,511億円 | +22.1% |
国際貨物 | 1,003億円 | 1,889億円 | -46.9% |
LCC|ZIPAIR | 540億円 | 224億円 | +140.9% |
LCC|SPRING JAPAN | 132億円 | 82億円 | +61.1% |
マイル・ライフインフラ | 2,608億円 | 2,362億円 | +10.4% |
国際線の動向が絶好調なのは、ANAと同様でしょうか。
国際旅客の2019年度の売り上げは5,312億円なので、それと比べても17.2%の伸び。
一方の国内線は2022年度と比べると大きく伸びましたが、2019年度と比べるとほぼイーブンと言う形に。
2019年度と比べると、有償旅客数は8.5%減、有償座席利用率は3.5pt減なのに対して、売り上げがほぼイーブンなので、単価を上げてきた効果が出たと形(これはANAも同様です)。
国際貨物に関しては、JALは2023年度決算時点ではほぼ貨物専用機を持っていない状態だったので、ANAと比べると弱いポイントでしたが、やはり2022年度と比べると半減近くに。
ただ2019年度と比べると68%の増。
LCCのZIPAIRも着実に路線網を増やしているので、その効果が出ている内容の売り上げになったと共に、単年度で黒字化を達成するまでに到達しているので、今後も、期待したい事業分野となりそうですね。
着々と攻めの姿勢にチェンジしているJAL
2024年に入って、JALは、
・1月1日~|JAL Life Statusプログラム始動
・1月24日~|国際線次期主力機エアバスA350-1000型機投入
・2月19日~|ボーイング767-300ER型貨物専用機の運航開始
・3月31日~|羽田~ドーハ線就航
・4月11日~|ヤマト運輸協業のA321-P2F型貨物専用機の運航開始
と矢継ぎ早に攻めてきた感じ。
これまでコロナ禍でも着々と進めてきたコトが、一通り、花を結んだと言うタイミングになり、2025年3月期の通期連結業績予想は、売上収益が1兆9,300億円、EBIT1,700億円、当期利益を1,000億円と予想し、ANAの1,100億円予想に肉薄する形に。
既に今後は、国際線の展開を拡大するコト(同時に国内線は機材縮小)を発表済み。
JAL、新たにエアバス・ボーイングから合計42機を導入へ!
JALは経営破綻もあり、かなり守りの手堅い経営を維持してきましたけれど、今後は、さらに攻めの姿勢に転じていくのかなぁ…と。
まぁ、昔みたいな放漫経営ではなく、あくまでも利益は死守しつつ、攻めていくスタイルにはなるのでしょうが、やはり日系航空会社は小さくまとまりすぎている感じもするし、今後、人口が減っていく中で、国内線の飛躍は見込めない訳で、国際線に注力して、現状の規模を維持<拡大して行かざるを得ないでしょうから、その動向は楽しみなところ。
どうせなら「ZIPAIR Bangkok」みたいな現地事業会社を立ち上げられるぐらいまで攻めてくれれば楽しみなんですけれどもね。
あとは「Spring Japan」ですかね。
中国はとりあえず、ノービザ解禁にならない限り、大きく反発するコトはないでしょうが、そろそろもうちょっと伸ばしたいところなんだろうなぁ…
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