売上高も2兆円到達!
「ANA」を傘下に持つANAホールディングスが、2024年3月期の通期決算を発表しました。
純損益が1,571億円の過去最高の最終黒字を計上していますが、ひとまず、具体的な数値を見てみると、こんな感じ。
2023年度 | 対前年度比 | 2022年度 | 対前年度比 | |
売上高 | 2兆559億円 | +20.4% | 1兆7,075億円 | +67.3% |
営業利益 | 2,079億円 | +73.2% | 1,200億円 | ー |
経常損益 | 2,076億円 | +85.7% | 1,118億円 | ー |
当期純利益 | 1,571億円 | +75.6% | 895億円 | ー |
売上高は2兆円の大台に到達。
その中で、航空事業の売上高は1兆8,695億円に達し、完全にコロナの影響を払拭し、過去最高益を大幅に更新する形。
営業利益率もANAとしては初となる10%を超えると言う数値で、満点の出来と言いたくなるような決算内容になっています。
1株当たりの当期純利益も335円と+144.9円になり、配当も1株50円に復配したので、会社と共にコロナ禍に耐えてきた株主としても、ようやくの決算と言う形になっている感じですね。
国際貨物以外は、絶好調!
セグメント別の売り上げを見てみると、こんな感じ。
セグメント | 2023年度 | 2022年度 | 対前年度比 |
国際旅客 | 7,281億円 | 4,334億円 | +2,947億円 |
国内旅客 | 6,449億円 | 5,295億円 | +1,154億円 |
国際貨物 | 1,555億円 | 3,080億円 | -1,525億円 |
LCC(ピーチ) | 1,380億円 | 902億円 | 478億円 |
国際旅客が絶好調に推移した1年で、コロナ禍以前の2019年度対比で見ても11%増となり、過去最高の売上高を記録する形に。
ビジネス需要がなかなか戻らない状態と言われてきた国内旅客も、運賃を値上げしたコトで、客単価を上げて来たコトもあり、2019年度対比で11%減まで盛り返すコトができている。
LCCのピーチについても、2019年度対比で56%増になり、過去最高の売上高を記録し、営業利益で見ても過去最高に。
一方でコロナ禍では好調だった国際貨物については前年度比でほぼ半減になるほどの落ち込みを見せるコトに。
但し、2019年度対比では49%増で、まだプラスを維持している状態なので、コロナ禍のフィーバーが終了したと見るべき話なのでしょう。
2024年度は国際線の拡充を発表済み
2024年度は、この好調さを維持すべく、国際線を中心に収益の拡大を目指す構え。
既にウィーン線の再開、ミラノ・イスタンブール・ストックホルム線の開設に加え(但し、元々、コロナ禍以前に企画されており、発着枠を確保していた路線ではありますが)、ミュンヘン・パリ線のデイリー化とヨーロッパ線の拡充を発表済み。
ピーチについても、国際線の構成比を42%にまで引き上げる計画(現状は36%)。
2023年度に落ち込みを見せた貨物事業については、日本貨物航空の連結化を踏まえ、新たな事業戦略を構築する1年になりそう。
国際旅客は+258億円、国内旅客は+240億円を見込み、過去最高水準を引き続き、維持する見込み。
但し、コロナ禍での減免・補助金の減少などもあり、当期純利益は1,100億円を見込んでいる。
航空関連事業の拡大は、当面、現状維持?
一気に盛り返し、過去最高益。
但し、これには減免措置や補助金が入っており、今後はそれらがなくなるので、同じような形にはならないのだろうが、それにしても、かなりの好決算。
個人的に気になるのは、コロナ禍での決算発表では航空関連事業での収益拡大でANA経済圏の形成を狙っていましたが、今回の決算資料だと、あまりその辺りには触れていないと言う点。
航空関連事業は、2023年度の売上高は前年から516億円伸ばして2,988億円に。
ただ営業利益は44億円伸ばした67億円に留まる状態。
別に収益拡大を諦めた訳じゃないのでしょうが、熱は冷めたのかな…?と言う気も。
それよりもまずは航空事業での拡大を進めて行こうと言う流れなのかな?と。
まぁ、本業に力を入れると言うのは、間違えた話ではないでしょうし、そもそも本業あっての関連事業ですからね。
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