スカイマーク決算は、163億円の赤字だが、実態は…?

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そう言えば、スカイマークの佐山会長が、4月に突如、退任されていましたよね。
このブログでは記事にしていないけれど。
経営難からの立て直しに、国際線進出に、コロナ…
なかなか起伏のある経営環境だったようにも思うけれど、ホントにお疲れ様です…と言う感じ。
そして、やっぱり会社を長く存続させるのって、難しい話だよなぁ…とも。

スカイマークは、163億円の赤字!

「スカイマーク」の2021年3月期決算が発表になりました。

これによると、前年904億円あった営業収益は、前年度比38%の341億円にまで沈むと言う苦しい決算になっており、最終損益も前年度の13億円の赤字から、163億円に赤字幅が大きく拡大すると言う内容になっていました。

ひとまず、詳細から。

項目2020年度2019年度前年度比
営業収益340億6,400万円903億6,000万円38%
営業損益▲316億7,500万円22億5,000万円
経常損益▲296億200万円28億1,100万円
当期純損益▲163億4,200万円▲12億6,500万円

営業収益は前年度の38%。
前年度881億円だった営業費用は、657億円で、約75%。

と言うコトで、2期連続の赤字で、赤字額が膨らむと言うカタチに(昨年の決算の内容は、コチラを参照)。

期首当時の資本金は、90億円だったモノの、これを89億円減資し、資本金を1億円とし、中小企業扱いになっていますが、元々は100億円規模の増資を検討していたとも言われており、主要株主のANAがそれに応じなかったと言う話もチラホラと。

まぁ、ANAとしても厳しい状況ですし、主要株主ではありますが、そもそもコードシェアですら普段から拒否られているのだから、これに応じなかったとしても無理はナイ話ではあるかと。

実態は300億円の赤字…?

当期の純損益は163億円の赤字ですが、そもそもこれには、25億円の雇用調整助成金と、135億7,600万円の繰延税金資産を計上しているモノ。

別にそれ自体は、フツーの助成金だし、会計処理な訳ですが、これを踏まえると、実質的には、約300億円近い赤字だったとも言える。

で、期末時点の純資産の合計は104億2,400万円。

仮に繰延税金資産がなければ、債務超過と言う状態に陥っていたとも言えます(逆に言えば、繰延税金資産の計上があったから他の手を打たなかったとも言えますが)。

短期の借入金は300億円。

みずほ・三井住友・りそな・日本政策投資銀行の4行からの借り入れ。

融資枠は合計で500億円と言うコトなので、まだ余裕がある訳ですが、借り入れた300億円がほぼほぼ喝取の流出に繋がったとも言える内容ですね。

まぁ、言い換えれば、しっかりとマネージメント出来ていると言う表れなのかも知れませんけれどもね。

結論的には、資金繰りがカギ

基本的に「スカイマーク」は、高収益路線の多い羽田空港をベースにしている航空会社ですが、2020年度は、コロナ禍によって売上は減ったが、それに見合って固定費が削減できなかったと言う結果とも言える。
まぁ、固定費が大幅に削減できなかったのは、リース機材の割合が大きい新興航空会社の宿命と言えるのかも知れませんけれどね。

搭乗率も2020年度は、60%を超えて来たのは、2020年9・10月と2021年2月だけ。

繁忙期には平均で90%を超えてくるコトも珍しくない「スカイマーク」なのに…と言う感じ。

ただ基本的には収益性が回復して行くのは、「スカイマーク」は、羽田をベースにしつつ、比較的低価格の航空運賃を実現しているコトと定時発着率が安定しているのもあるので、他の国内の航空会社よりは早い段階で…と言うポジションにいるのも確か。

なので、カギになって来るのは、航空需要がいつ回復するのかと言う点と、それまでの資金繰りと言うコトになるのかな…と。

それに必要なのは、「スカイマーク」の経営力。

ただやはりA380を導入しようとして失敗し、経営不振になったり…と言う過去を見れば、何となく疑問符が付く航空会社(その当時と経営陣は変わっているけれど)。
だけど、LCCとまでは行きませんが、羽田発着としては貴重な低価格帯を実現している航空会社なだけに、なんとか踏ん張って欲しい所ではありますが、AIR DOとソラシドとの経営統合とかも、これから多少なりとも影響が出て来たりするのかな?

今までは、「スカイマーク」の圧勝だとは思うけれど。

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