JTB、過去最大規模の赤字決算!だが21年度は黒字化も想定?

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そう言えば、ボクの住んでいる街にもあったJTBがなくなった。
元々、直営店舗ではなかったと言うのもあるのかな。
使ったコトはなかったけれど、時々、パンフを眺めたり、手に取ったりしていた店舗。
そんな感じだから無くなっちゃうんだろうな…

JTB、過去最大規模の1,052億円の赤字に!

旅行業界最大手の「JTB」グループの2021年3月期決算が発表になった。

既に2020年11月に6,500人に及ぶ要員削減と、店舗の大幅な削減などの構造改革に踏み切っている状態で、赤字決算なのは、元々、想定できていた話だが、実際の数字は、過去最大の1,051億円の赤字決算と言うコトになった。

具体的に数値を見てみると、こんな感じ。

 2020年度2019年度前年度比
売上高3,721億円1兆2,886億円28.9%
営業損益▲976億円14億円
経常損益▲743億円25億円
当期純損益▲1,052億円16億円

財務の健全性確保を最優先とした構造改革を、2020年半ばから行ったコトと、旅行以外のソリューション事業が想定よりも増えたコトで、下半期は見込みよりも改善した形だが、それでも大きな減収減益。

過去最大の赤字額。

だけれども、これだけで済んだ。
そう言いたくなる決算。

元々、JTBは、業界最大手ではあるが高収益体質の会社じゃない。寧ろ、収益体質が極めて低い企業の代表格だとも思う。

ここ近年の売上高と当期純利益の推移を見てみると、こんな状態。

年度売上高当期純利益
2017年度1兆3,230億円10億円
2018年度1兆3,674億円▲151億円
2019年度1兆2,886億円16億円

1兆円を超える売り上げがあるのにもかかわらず、大きな利益が出ていない。
近年で見れば、2019年度の16億円が最高の利益額で、2018年度に至っては151億円の赤字決算を出しているぐらい(この時の赤字は9年ぶり)。

そんな会社だった訳だけれども、2020年度は売上的にざっくり1兆円が飛んだのにもかかわらず、赤字額が1,052億円で済んだ…と言う感じ。

オンライン系の収益寄与は如何ほどか?

部門別で見ると、こんな感じ(グローバル旅行は、日本以外の第3国間における旅行事業)。

 2020年度2019年度前年度比
国内旅行1,528億円4,545億円33.6%
海外旅行225億円4,401億円5.1%
訪日旅行38億円684億円5.6%
グローバル旅行117億円1,106億円10.6%

寧ろ、この状態にあっても225億円を海外旅行で売り上げると言う底力すら感じてしまいますが、国内旅行ではダイナミックパッケージの「JTB My STYLE」の販売を開始するなど、多様化している個人旅行者への対応を急いだ形。

バーチャルツアーやオンライン型の展示会などの展開も行っていましたが、どれぐらいの利用があったのかな…と言うのが、正直、気になる所ですが。

まぁ…
実際の所、大きな収益源に放っていないんだろうな…と言う感じはするけれど。

2021年度は黒字化も可能?だけれども…

2021年度の業績予想は、現時点では合理的な数値の算定が困難として発表しなかったモノの、国内旅行事業が回復基調になれば、黒字化は可能と見込んでいる状態だけれども、上半期は変わらず…と言う感じだと思うので、どこまで下半期で盛り返せるのか…でしょうか。

ただそれにしても黒字にまで持って来るのは、業界最大手であっても至難の業のように思えますけれど。

手元の現預金としては、ある程度の規模を確保しており、当面の資金繰りには問題がなさそうですが、その一方で、連結ベースでの自己資本比率は6.9%と急落しているのは気に掛かる所でしょうか(前年同期は24.3%)。

近畿日本ツーリスト・クラブツーリズムを抱えるKNT-CTホールディングスは一時、債務超過にまでなりましたけれども、JTBも何かしらの対応がなされそうな水準のようには思えますが、そもそもJTBって業界最大手ではあるけれども上場企業ではないので、資本を増強する手段がやや限られているだけに、仮に自己資本を増強する際には、どう言う手段を取るのだろう…とも。

ともあれやはり大手格の経営が順調になるまで戻らないと…と言う感じ。

ただ既存の店舗型の旅行代理店業は、もはや、元に戻ったとしても今後の成長は見られないでしょうから、どれだけ早く次の一手を収益化させられるのか。

JTBは法人・団体・イベント系にも強みを持っているので、旅行を軸とした事業への展開を行なっていますが、今持っている総合力をどれだけ生かせるのか…と言う感じでしょうか。

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