ANAは最大3,321億円の大規模公募増資実施へ!

ANAも大規模な公募増資実施!

ANAホールディングスが、2020年11月27日、公募増資によって最大で約3,321億円を調達することを明らかにしました。

既にJALが同様の公募増資を行なって資金調達をしていますが、それに続く感じで、需要に応じて追加売り出しを行なうオーバーアロットメントも実施し、最大で1億4,000万株を新規で発行するコトになります。

ANAの発表によると、調達資金の内、2,000億円を、既に発注済みのボーイング787型機の購入や客室の仕様変更、空港設備などへの設備投資に利用し、残りを長期債務の返済資金に充当するとのコト。

ANAは10月に4,000億円の劣後ローンを実施しており、既に当面の運転資金に問題はナイとしていましたが、コロナ禍の影響が長期化するコトを想定し、「財務の健全性を保ったまま、スピード感を持って事業構造改革を推進するため」と説明しています。

劣後ローンと今回の増資を合計すると、自己資本比率は、9月末時点の約32%の水中にまで回復するコトになるが、コロナ禍以前に目標としていた40%に戻して行くコトを視野に入れつつ、長期的には、イベントリスクへの耐性を高めるためにも45%以上くらいにまで持って行きたいとしている。

既存株式は大幅に希薄化!

それにしても、今回の増資は、かなりの大掛かり。

JALの増資も大きなモノでしたが、JALはタイミングも良く、相場が上昇面で、想定以上の1,826億円の資金調達に成功しましたが、ANAは第3波が襲来している中での発表。

元々、今回の増資で発行済み株式数が36%近く増えるコトになり、自己株式を除くと、1株当たりの価値は最大で29.5%希薄化するコトになる。

ANAの場合、その上に劣後ローン。

果たして、ホントにこれで行けるのだろうか…と不安にはなるところ。
と言うか、なりふり構わずではあるが、もう残す手が少ないのではないか…と言う感じ。

この先、いつまで続くか分からないコロナ禍の影響で、通年の赤字が5,000億円に達しそうな勢いの中では、増資も劣後ローンも焼け石に水状態だし、もう自転車操業に近い状況。

もちろん、それをしなければ経営が持たないのも事実だし、巨額の赤字は今がピークで、これから赤字が出たとしても少しずつマシにはなって行くのでしょうが、既存の株式の希薄化が激しすぎて、もうどうなのだろう…と言わざるを得ないかな…と。

まぁ、既存の株主にしても倒産してしまったら株式なんて単なる紙くずにしかならない訳で、それよりは希釈化の方がマシなんでしょうが。

どこまで株価が反応するのか…

ただ個人的に解せないのは、それでも株価が大暴落していないと言うところ。

年初来高値が1月20日の3,674円。
年初来安値が4月6日の2,060円。
11月27日の終値が2,540円。

もちろん、下がっているのはもちろんですが、コロナ禍で巨額の赤字計上、さらに無配と言う条件の割には、踏ん張っている感じがしてならない…と言うか、この株価を維持していると言うのは、どう言うコトなんだろう…とすら。

確かにコロナ禍がなければ、日本を代表する航空会社で、回復すれば大きな含み益を抱えられるのも間違いないんだろうけれど。

やっぱ市場は読めないなぁ…と、改めて。

そう言う意味では、株式の希薄化で、どれだけ株価に変動があるのだろう…と言う気はするけれど。

 

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