エアアジア・ジャパン、事業継続断念を正式に発表!

12月5日付で全路線廃止へ!

昨日の記事は前後編で上げる予定だったのですが、LCCの「エアアジア・ジャパン」の日本事業の継続断念が正式に発表されたので、この記事を差し込みます~(予定していた記事は、また明日にでも)。

セントレアを拠点にしている「エアアジア・ジャパン」。

既に、事業継続断念が噂されていたのですが、ようやく正式に発表になりました。

逆に言えば、報道では出ていたので、それほど衝撃的な話でもありませんが。

国土交通省への届出は、2020年12月5日付で、全4路線の廃止。

とは言っても、既に10月1日以降、「エアアジア・ジャパン」が運航していた

・中部~新千歳
・中部~福岡
・中部~仙台
・中部~台北(桃園)

の4路線は、運休が発表済み。
正確には、9月もほぼほぼ運休が継続されていましたけれどもね。

従業員については、2020年11月4日を以て、一部、残務処理のための要員以外は解雇になる見込み。

「エアアジア・ジャパン」は、2011年にANAとの合弁で発足。

2013年に提携が解消され、1度、日本市場からは撤退し、2014年に楽天などとの共同出資で再参入。

2017年10月に中部~新千歳線で初就航と言う歴史を持つが、これで2度目の日本撤退と言うコトになります。

コロナ禍だけが理由ではない…

コロナ禍で、2020年4月から全便を運休。

8月に福岡線に新規で就航したのと同時に、復活したが、想定以上に利用が伸びなかったとのコト。

6月の時点で、希望退職を募っており、約300人の従業員のうち、20%に当たる70人が応募していたが、需要の急減に追い付かず、今回の判断に。

コロナ禍。

とは言っても、その前から業績は今一つ。

約40億円の収入に対して、営業損益は48億円の赤字と、収入を上回る赤字を出しているのに加え、「エアアジアグループ」の中でも、ダントツに機材数が少なく、合計で3機のみ。

1日当たり1機材での平均便数も、エアアジア・インドネシアですら5.2回なのに対して、「エアアジア・ジャパン」は3.1回と、機材効率も良くなかったのだから、別にコロナ禍だけが原因と言う訳でもナイと思える(スタンバイ機材を除くと、実際は、1日当たり2.0回がベース)。

そもそも「エアアジアグループ」自体が、現在、経営状態があまり宜しくない。

各国でフランチャイズによる事業展開を進めた結果、か地元のマレーシアやタイでは一定の規模を誇るが、営業利益を上げたのは、マレーシアとフィリピンの2社のみ。

機材数が28機を数え、平均搭乗率が84%を誇るインドネシアですら14億円の赤字。平均搭乗率が89%と高いインドですら赤字決算だったりする。

ってか、90%近い搭乗率で黒字にならないインドでの事業って、どうなの?とすら思えてしまうけれど、インドの場合は、単価が安いけれども、これからまだまだ需要が増えると見込んだ先行投資なのだろう。

さらに中・長距離部門であるエアアジアXも大きな赤字に直面している。

規模の拡大を優先したために、収益性が疎かになっていたが故に、このコロナ禍で一気にそれが露呈した。

そんな感じだろう。

配当金も2019年までの3年で、約1,600億円も出しており、キャッシュがそれだけ流出していると言うのも、経営的にはどうなの?と言う感じはある。

平時ならば、まだ耐えられる感じなのだろうが、コロナ禍の中で、一気に経営の歯車が逆回転した感じだろう。

LCCのモデルに全く乗り切れなかった日本事業

そうした中での「エアアジア・ジャパン」。

親会社からの手厚い支援が期待できない状態で、経営規模が整っていない状態では、確かに厳しい感じだったのだろう。

唯一、旅客単価が8,000円台を越えて来ると言う「エアアジアグループ」の中では抜群に高かった訳だけれども、その分、人件費などの事業コストも高い訳だしね。

一応、コロナ禍がなければ、2020年までに機材数を5機に増やし、黒字化を視野に入れていたとは言うけれども、そもそも事業展開が当局の規制もあり、なかなか進んでいなかっただけに、5機に増やしたところで、ホントに黒字になったのだろうか?とすら。

そもそも、機材効率も悪かったのだし。

LCCは機材効率を上げて、運賃を安くする代わりにサービスを選択制に、そして搭乗率を上げて稼ぐのがビジネスモデルな訳だけれども、「エアアジア・ジャパン」は機材効率も良くなく、搭乗率が高い訳でもなく(それでも79%と悪い訳ではなかったけれど)…と、LCCのビジネスモデルに今一つ、乗り切れないままだった感じ。
貨物需要も拾えない中では、やはりしばらくはLCC全体で見ると、冬の時代が続きそうな感じがしますね。

「Go To トラベル」でも割引によるお得感が高くなるような、高値のホテルから埋まって行って、ゲストハウスなどを利用する人は少ないでしょうし。

初代「エアアジア・ジャパン」と2代目「エアアジア・ジャパン」。

特に初代の就航当時は“黒船襲来!”とすら言われた訳で、エアアジアの日本事業と言うのは、ある意味、日本においてはエポックだったように思うだけに、まだまだ日本の空を飛び続けて欲しかった感じはありますが、まずは大きな事故もなかったと言うコトに対してて、敬意を表したい感じです。

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