日本でワーケーションは成り立つのか|後編

1つ、記事を挟んでしまいましたが、今日の記事は、「日本でワーケーションは成り立つのか|前編」からの続きの記事です。
なので、前の記事も読んでいただければ、幸いです。

ワーケーションに必要なのは、何だ?

今、滞在している京都なんかは、観光地ではあるけれど、実際は100万都市。

なので、多くの嗜好を満たすだけの可能性はある。

観光スポットと成り得る寺社仏閣もあれば、錦市場ならばちょっとした食べ歩きとかもできるし、ミシュランの星付き料理も堪能できる。

だけれども、今のホテル、賑わいを見せるのは、土日ぐらい。

これはホテルの問題もありますが、やっぱり未だに週末型で、連泊需要を取り込めていないように思うし、アピールできていない様にも思う。

どうしたら「ワーケーション」需要を取り込めるか。

まず、最初に浮かぶのは、値段なのだと思う。

そもそも完全な「ノマドワーカー」とは異なり、「ワーケーション」は自宅を持ったままなケースがほとんどな訳で、自宅(それが賃貸だとしても)固定費が掛かっている上で出掛ける人が多い。
つまりは、ホテル泊ともなれば、ダブルで“住む”費用が掛かるので、価格面での訴求はやっぱり必要かと。

1週間単位のウィークリープランとかは、やっぱり「ワーケーション」ができる人からすれば、魅力的に思えるだろうし、まずそれがなければ、始まらない気がする。
値段はあくまでもスタートでしょうね。

ホテル側でコワーキングスペースが整備できれば良いのでしょうが、そもそも需要が多くはない「ワーケーション」のために整備すると言うのも、難しい話。

ただ、今、大きな都市部であればコワーキングスペースは市内にも幾つかありますから、そう言った場所との提携がもっとあっても良いのかな…と言う気はします。

もう1泊したくなるような、何か

でも何よりも日本に「ワーケーション」と言う概念を作るコトからスタートしなくてはいけないんだろうな…とも。

観光地としては、「ワーケーション」の整備をするのは、難しいかも知れない。

仮に「ワーケーション」と言う概念が根付いたとしても、ホテルや観光地が環境を整備するには、ボリュームが少ないでしょうし、あくまでもニッチな需要だとは思うので。

でも、「ワーケーション」をしたいと言う街づくりは必要だと思う。
それを行ったところで、「ワーケーション」と言う結果にならなくても、連泊需要の創出にはなるでしょうからね。

今、平均の滞在が1泊程度なら、2泊に。
2泊なら3泊に。

たった1日伸ばすような観光地の創出。

「1日」と考えれば、そこまで難しくはない話に思えるけれど、バックパッカーでもない限り、その1日を延泊させると魅力を作るのって、実はかなり難しい話。

ホテル側としても、もう1日、滞在を伸ばしたいと思わせるコト。

それが「ワーケーション」に繋がらなくても、ホテルと観光地の価値の創出にはなるでしょうしね。

次の需要を、自ら作って行かなければ…

コロナ禍で打撃を受けた観光産業。

「Go To トラベル」が東京都民・東京を発着する予定にも適用されるようになり、ひとまず最悪の時期は過ぎたように思えますが(このまま第3波が無ければ…の話ですが)、それはあくまでも公的な動きがあるから。

コロナ禍の中で、次の需要を作って行く取り組み。
それができない場所は、廃れていく。

今までの国内の観光産業は、どちらかと言うと、受け身だったように思う。
少なくとも、自らがブームを作ると言う動きは、なかなか成功して来ていない感じ。

一時期、訪日外国人をターゲットにしたホテルやお店が増えましたが、それも観光地サイドが作ったムーブメントでもない様に思う。

でも、どの産業でも新しい需要を作って、その需要に対応できないのであれば、それがなくなって行くのは、自明の理ですから。

何が正解なのかは、今の時点で見えてこないのも事実だけれど、「ワーケーション」みたいな形も、次の旅行産業に必要なモノの1つの答えなのかな…なんて。

「ワーケーション」がメジャーなボリュームゾーンになるコトは無くても、平日の稼働薄を埋める足しにはなるでしょうし、“もう1泊したくなる仕組み”と言うのは、次の一歩に繋がって行く話だと思うので。

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください