ANAが国際線の不採算路線を削減!?
ANAの片野坂社長が、朝日新聞のインタビューに応じた話が記事になっていますが、ここにやっぱり…と言うか、衝撃…と言う内容が書かれていました。
ANA、不採算の国際線削減へ 社長「7月末にも公表」:朝日新聞デジタル
ANAホールディングス(HD)の片野坂真哉社長は朝日新聞のインタビューに応じ、新型コロナウイルスの影響で需要が激減している国際線を中心に、不採算路線を削減する方針を明らかにした。今後、具体的な削減路線を詰め、新しい事業計画を7月末にも公表するとしている。 …
要するに、新型コロナウイルスの影響で需要が減っている国際線を中心に、不採算路線を削減する方針だと言うコト。
需要が激変するならそれに合わせたスリムな態勢を作らないといけない
ま、そうですよね。
海外の航空会社は、機材の削減や古い機材の前倒し退役などを行っている訳で、日系の航空会社だけが、無縁と言う話にはならないですよね。
ただどの路線を削減するかについては、明言しておらず、7月末を目途に、新しい事業計画を公表するとのコト。
なお、記事には、政府が第2次補正予算案に盛り込んだ大企業への資本注入策の活用については、
創業以来、純民間企業として自立してきたので(政府出資は)想定していない
との話。
まぁ、それで行けるなら、それに越した話はないですからね。
ただ金融機関から融資枠を含めた9,500億円の資金調達の目途が付いているとは言いますが、財務省所管の特殊会社の日本政府投資銀行からも、融資、受けるやん。
出資があるかどうかの差は確かにデカいかも知れないけれど。
ってか、この状態なのだから、別に政府出資=悪ではないのに、やっぱりJALをディスりたいんだろうな(笑)。
候補路線を勝手に妄想してみる
さて、具体的にどこから撤退するのか。
具体的な路線名は、記事の中では、全く出て来ていないので、サクッと素人が考えてみます。
順当に考えると、不採算だと考えやすいのは、既にANAは中部~上海・香港線を運休して、名古屋発着の国際線からは撤退している状態なので、
・成田と羽田の両方から発着している路線の成田発着路線
・成田発着路線のデイリー運航便ではない路線
・1日2往復以上運航している路線
・成田発着路線
この順番でしょうか。
まずは、それに当てはめて考えてみます。
まず「成田と羽田の両方から発着している路線の成田発着路線」。
・ロサンゼルス(成田発着のコードシェア便アリ)
・サンフランシスコ(成田発着のコードシェア便アリ)
・ニューヨーク JFK
・シカゴ
・ホノルル(1日2往復:成田発着のコードシェア便アリ)
・バンコク(成田発着のコードシェア便アリ)
・ホーチミン(成田発着のコードシェア便アリ)
・クアラルンプール(成田発着は週3往復)
・シンガポール(成田発着のコードシェア便アリ)
・ジャカルタ(週3往復)
・マニラ(成田発着のコードシェア便アリ)
・北京(成田発着のコードシェア便アリ)
・青島
・台北(羽田発着は松山空港発着:成田発着のコードシェア便アリ)
・広州
怪しい筆頭格は、成田からでも2往復あるホノルル線と、成田便がデイリー運航ではないジャカルタ・クアラルンプール線。
そして桃園空港発着線が残る成田~台北でしょうね。
ANA運航便と時間が近いコードシェア便がある路線は、危なさそうです。
またハワイ線専用のA380をどうするか…と言うのも、ありますね。
続いて、「成田発着路線のデイリー運航便ではない路線」は、2路線。
・ウラジオストク(週3往復)
・チェンナイ(週3往復)
2つとも比較的新規に開設された路線ですが、これは両路線とも怪しい。
特にウラジオストクは競争過多になっているのに、ANAだけがデイリーじゃないですから、競争力もなさそうだし。
「1日複数便が運航されている路線」は、ANAの場合、こんな感じ。
・羽田~ロサンゼルス(1日2往復:コードシェア便・成田発着便もアリ)
・成田~ホノルル(1日2往復:コードシェア便・羽田発着便もアリ)
・羽田~フランクフルト(1日2往復:コードシェア便アリ)
・羽田~シドニー(1日2往復)
・羽田~バンコク(1日3往復:コードシェア便・成田発着便もアリ)
・羽田~シンガポール(1日2往復:コードシェア便・成田発着便もアリ)
・羽田~ジャカルタ(1日2往復:コードシェア便・成田発着便もアリ)
・羽田~北京(1日2往復:コードシェア便・成田発着便もアリ)
・成田~上海(1日3往復:コードシェア便・羽田発着便もアリ)
・羽田~上海(1日2往復:コードシェア便・成田発着便もアリ)
・関空~上海(1日2往復:コードシェア便アリ)
・羽田~台北(1日2往復:コードシェア便アリ)
・羽田~金浦(1日3往復:コードシェア便アリ)
路線運休よりも、減便の方が削減はし易そうですよね。
ただコスト削減的には、拠点撤退した方が、その分、削減出来るのでしょうが。
判断が割れそうな路線ばかりなのが、「成田発着路線で羽田便がない路線」。
・メキシコシティ
・デュッセルドルフ
・ブリュッセル
・パース
・ムンバイ
・ハノイ(成田発着のコードシェア便アリ)
・プノンペン
・ヤンゴン
・瀋陽
・大連(成田発着のコードシェア便アリ)
・厦門
採算的には、どの路線が撤退になっても不思議じゃなさそうな印象ですが、ブリュッセルやヤンゴンと言った単独路線ならば、持ち堪えられる可能性もあるのかな?
ただブリュッセルはフランクフルトから、ヤンゴンならばバンコクからのコードシェアで代用は可能でしょうから、この辺りは、単価が高いビジネス需要次第でしょうか。
削減対象路線は、こんな感じか…
結果的に、独断と偏見で考えると、なんとなく対象になるのは、
・成田~ホノルル(減便)
・羽田~ロサンゼルス(減便)
・成田~クアラルンプール
・成田~ジャカルタ
・成田~ウラジオストク
・成田~チェンナイ
・羽田~シドニー(減便)
・成田~上海(減便)
・成田~パース
・成田~台北
・成田~メキシコシティ
・成田~ムンバイ
こんなところでしょうか。
折角、地道に国際線網が広がっていただけに、やや残念な話題にはなりそうですが、航空路線に撤退は付き物なので、仕方がないのかな…とも。
多少、近年は無理をしていた分もあるでしょうし。
そもそも、コロナウイルスはきっかけだっただけで、パイロット不足などの問題もありますからね、ANAは。
ずっと右肩上がりの成長と言うのも、そうそうナイのでしょうし、ここらで1回、しっかりと財務を強くして、再拡張に向かって欲しいモノです。
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