いつどの列車に乗っても同額でシンプルだった体系が一変!
ちょっと前のニュースですが、「JR東海」・「JR西日本」・「JR九州」の各社は、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約サービスである「エクスプレス予約」と「スマートEX」の価格体系の見直しを発表しました。
現状の「エクスプレス予約」の特徴は、
- 繁忙期でも年中同一料金
駅での自由席の販売額よりも安い値段で指定席に乗車が可能 - 年会費は1,100円(税込み)
だが東京~新大阪間片道の割引額がそれ以上 - シンプルな体系
- 出発直前までインターネットから変更が可能
と言う感じになっているが、こう言った特徴すらメスを入れる大きな改定になりそう。
具体的に改定内容を見てみると、こんな感じ。
- 通常期・繁忙期などのシーズン別料金の設定
- 普通車指定席およびグリーン車の割引額縮小
- のぞみ・みずほ号利用時に、加算額が必要(普通車自由席については、現行同額に据え置き)
- 東京・品川間/京都~西明石間の各駅相互間を乗車する場合は、+10円の鉄道駅バリアフリー料金が加算
- 乗車28日まで間で予約が可能なEX早特28ワイドを新設(JR東海管内のみ)
それぞれ対象となる区間などが若干、異なりますが、大きく見ると、こんな感じの改定で、メリットになっていたモノがほとんどなくなり、4番の出発直前までインターネットから変更可能なコトが残るぐらいに。
どのぐらいの金額になるのか…を見てみると、主な区間だと、こんな感じ(EX予約・大人・のぞみ/みずほ号利用通常期時)。
区間 | 所定運賃 | 現行 | 改定後 | 値上げ幅 |
東京~名古屋 | 11,300円 | 10,310円 | 10,880円 | +570円 |
東京~新大阪 | 14,720円 | 13,620円 | 14,230円 | +610円 |
東京~広島 | 19,760円 | 17,990円 | 19,180円 | +1,190円 |
新大阪~博多 | 16,020円 | 14,600円 | 15,640円 | +1,040円 |
新大阪~鹿児島中央 | 23,050円 | 21,730円 | 22,670円 | +940円 |
*閑散期は200円引き・繁忙期は200円増・最繁忙期は400円増(東海道・山陽新幹線区間の場合)
新設されるEX早特28ワイドは、東京・品川~名古屋が9,700円、~新大阪が12,240円。
改定は2023年秋実施予定(詳細日は未定)。
また各社ともに、新幹線と併せてホテル・交通手段をシームレスに予約・決済が可能な「EX-MaaS」や、乗車日の約1年前から指定席を申し込めるサービスを同時に導入するコトも、発表になっています。
今までがお得すぎただけ?
かなり思い切った改定。
と言うか、今までの利点を大きく損ねるレベル。
もちろん、まだまだよく利用する方にとってはメリットの大きなサービスですが、そこまで利用頻度が高くない人だと…と言う感じ。
と言うか、現行の価格水準が破格なんですよね。
年会費1,100円。
それなのに東京~名古屋間で割引になるのは片道990円。東京~新大阪間で片道1,100円ですからね。
それが東京~名古屋で420円・~新大阪で490円・~広島で580円に。
新大阪~博多で380円・~鹿児島中央で380円になると言う話なだけ。
1.5往復すれば、東京~新大阪でも年会費の元は取れる形ですからね。
そう、単にこれまでがお得過ぎた。
それだけ。
そんなに利用頻度が高くないと言う人ならば、既存の他のICカードやクレジットカードに紐づけができる年会費無料のスマートEXもありますしね(ただ割引額はJR東海管内完結の利用だと200円に留まりますが)。
ただエクスプレス予約だと、前後に在来線区間がある場合、“東京都区内”“大阪市内”と言った「特定都区市内制度」は対象外。
仮に在来線区間が前後にある場合、どうなんだろう…?と言う感じ。
東京から初乗り分147円。
新大阪~大阪で170円。
両方で317円。
今回の改定で割引額がこれまでの1,100円から490円に下がるとなると、173円分のお得になるだけなので、最早、お得感はゼロと言ってしまった方が良いのかもなぁ…と。
仮に新宿~東京~新大阪~大阪だと、112円しかお得になりませんからね。
もう年会費、払うだけの価値はなさそうな気しかしないですね。
在来線区間の有無がカギになる?
エクスプレス予約だと、これまでのぞみもひかりも通年で同額と言うのが、大きな特徴でした。
どの列車にいつ乗っても同じ金額。
それが分かりやすく、かつシンプルな体系を生んでいましたし、出張などの清算でも、特段、手間にならないと言うメリットもありましたが、これが一気になくなるコトに。
確かにコロナ禍で厳しい状況にはなりましたが、もう需要は戻って来ている状態。
完全にコロナ禍以前に戻るか?と言われると微妙でしょうが、それでも決算で黒字が出る様な状態にまでは戻って来ている訳で、どうしてこのタイミングで?と言う気しかしない。
逆に、ある程度の知名度もあるし、利用もあるので、料金改定の機会を伺っていて、今がコロナ禍後の値上げのラストタイミングと判断したのかな?と思うぐらい。
まぁ、年に2回ぐらい、利用する方で、さらに前後にJRの在来線区間が付かない利用が多い方は、それでもお得ですし、変更も可能なので、そのまま利用するのもアリだとは思うのですが、そうではない方や、大体、前後に在来線区間を付けるコトが多いと言う利用の場合は、これを機に再考するのはアリなのかな?と言う感じですかね。
コメントを残す