エクスプレス予約、価格体系見直しでメリットは半減に!

いつどの列車に乗っても同額でシンプルだった体系が一変!

ちょっと前のニュースですが、「JR東海」・「JR西日本」・「JR九州」の各社は、東海道・山陽・九州新幹線のネット予約サービスである「エクスプレス予約」と「スマートEX」の価格体系の見直しを発表しました。

現状の「エクスプレス予約」の特徴は、

  1. 繁忙期でも年中同一料金
    駅での自由席の販売額よりも安い値段で指定席に乗車が可能
  2. 年会費は1,100円(税込み)
    だが東京~新大阪間片道の割引額がそれ以上
  3. シンプルな体系
  4. 出発直前までインターネットから変更が可能

と言う感じになっているが、こう言った特徴すらメスを入れる大きな改定になりそう。

具体的に改定内容を見てみると、こんな感じ。

  1. 通常期・繁忙期などのシーズン別料金の設定
  2. 普通車指定席およびグリーン車の割引額縮小
  3. のぞみ・みずほ号利用時に、加算額が必要(普通車自由席については、現行同額に据え置き)
  4. 東京・品川間/京都~西明石間の各駅相互間を乗車する場合は、+10円の鉄道駅バリアフリー料金が加算
  5. 乗車28日まで間で予約が可能なEX早特28ワイドを新設(JR東海管内のみ)

それぞれ対象となる区間などが若干、異なりますが、大きく見ると、こんな感じの改定で、メリットになっていたモノがほとんどなくなり、4番の出発直前までインターネットから変更可能なコトが残るぐらいに。

どのぐらいの金額になるのか…を見てみると、主な区間だと、こんな感じ(EX予約・大人・のぞみ/みずほ号利用通常期時)。

区間所定運賃現行改定後値上げ幅
東京~名古屋11,300円10,310円10,880円+570円
東京~新大阪14,720円13,620円14,230円+610円
東京~広島19,760円17,990円19,180円+1,190円
新大阪~博多16,020円14,600円15,640円+1,040円
新大阪~鹿児島中央23,050円21,730円22,670円+940円

*閑散期は200円引き・繁忙期は200円増・最繁忙期は400円増(東海道・山陽新幹線区間の場合)

新設されるEX早特28ワイドは、東京・品川~名古屋が9,700円、~新大阪が12,240円。

改定は2023年秋実施予定(詳細日は未定)。
また各社ともに、新幹線と併せてホテル・交通手段をシームレスに予約・決済が可能な「EX-MaaS」や、乗車日の約1年前から指定席を申し込めるサービスを同時に導入するコトも、発表になっています。

今までがお得すぎただけ?

かなり思い切った改定。
と言うか、今までの利点を大きく損ねるレベル。

もちろん、まだまだよく利用する方にとってはメリットの大きなサービスですが、そこまで利用頻度が高くない人だと…と言う感じ。

と言うか、現行の価格水準が破格なんですよね。
年会費1,100円。
それなのに東京~名古屋間で割引になるのは片道990円。東京~新大阪間で片道1,100円ですからね。

それが東京~名古屋で420円・~新大阪で490円・~広島で580円に。
新大阪~博多で380円・~鹿児島中央で380円になると言う話なだけ。

1.5往復すれば、東京~新大阪でも年会費の元は取れる形ですからね。

そう、単にこれまでがお得過ぎた。
それだけ。

そんなに利用頻度が高くないと言う人ならば、既存の他のICカードやクレジットカードに紐づけができる年会費無料のスマートEXもありますしね(ただ割引額はJR東海管内完結の利用だと200円に留まりますが)。

ただエクスプレス予約だと、前後に在来線区間がある場合、“東京都区内”“大阪市内”と言った「特定都区市内制度」は対象外。

仮に在来線区間が前後にある場合、どうなんだろう…?と言う感じ。

東京から初乗り分147円。
新大阪~大阪で170円。
両方で317円。

今回の改定で割引額がこれまでの1,100円から490円に下がるとなると、173円分のお得になるだけなので、最早、お得感はゼロと言ってしまった方が良いのかもなぁ…と。
仮に新宿~東京~新大阪~大阪だと、112円しかお得になりませんからね。

もう年会費、払うだけの価値はなさそうな気しかしないですね。

在来線区間の有無がカギになる?

エクスプレス予約だと、これまでのぞみもひかりも通年で同額と言うのが、大きな特徴でした。

どの列車にいつ乗っても同じ金額。

それが分かりやすく、かつシンプルな体系を生んでいましたし、出張などの清算でも、特段、手間にならないと言うメリットもありましたが、これが一気になくなるコトに。

確かにコロナ禍で厳しい状況にはなりましたが、もう需要は戻って来ている状態。
完全にコロナ禍以前に戻るか?と言われると微妙でしょうが、それでも決算で黒字が出る様な状態にまでは戻って来ている訳で、どうしてこのタイミングで?と言う気しかしない。

逆に、ある程度の知名度もあるし、利用もあるので、料金改定の機会を伺っていて、今がコロナ禍後の値上げのラストタイミングと判断したのかな?と思うぐらい。

まぁ、年に2回ぐらい、利用する方で、さらに前後にJRの在来線区間が付かない利用が多い方は、それでもお得ですし、変更も可能なので、そのまま利用するのもアリだとは思うのですが、そうではない方や、大体、前後に在来線区間を付けるコトが多いと言う利用の場合は、これを機に再考するのはアリなのかな?と言う感じですかね。

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