事業存続は協議中?
オーストラリアの新興LCCの「ボンザ」(Bonza)が、運航を停止しました。
「ボンザ」側は現在の状況を
事業の存続を巡る話し合いが続いている
としているが、深刻な経営難に陥っており、今後の状況はかなり不透明な状態で、立ち往生した利用者に対して、カンタスグループ(ジェットスター・カンタスリンク)は「ボンザ」と運航路線が重複する6路線の空席を、「ボンザ」の予約客に対して無償提供をスタートさせたほか、ヴァージン・オーストラリアも最終目的地の最寄り空港まで飛べる無償航空券の提供を発表しています。
「ボンザ」は、2023年1月に運航を開始したばかりのLCC。
豪・新規LCCのボンザが事業許可!デジタルファーストの行方は?
サンシャインコーストを拠点にしているが、メルボルン・ゴールドコーストも拠点としてオーストラリア26都市に合計36路線を展開していました。
使用機材は、エコノミークラスのみのボーイングB737MAX8型機で、合計6機が導入されていましたが、債権者によって一部の機材は、既に差し押さえられているとの報道が出ています。
ポイントtoポイントが仇になった?
機材数はそこまで多くはないモノの、路線網としては急速に広げていた「ボンザ」でしたが、力尽きたと言えそう(まだ運航が停止している段階ではありますが)。
航空会社は、装置産業なだけに初期費用が大きく、単価の安いLCCだと、立ち上げからの資金計画が肝心になる訳ですが、やはり計画通りにはいかなかったのでしょう。
国土の広いオーストラリアの中で、直行便としては先発航空会社が手薄なところからスタートさせていた印象で、メルボルン・シドニー・ブリスベン。
メルボルン以外の主要都市から切り離した路線展開で、ポイントtoポイントで路線網を広げていましたが、やはり厳しかったのだろうなぁ…と。
ただオーストラリアの航空業界は、やはりカンタスグループが強く、そこを経営再建中のヴァージン・オーストラリアが追いかけている感じ。
競争確保の点からすれば、この2社のグループに属さない第3の翼があっても良さそうな感じはしましたから、今回、「ボンザ」が力尽きたのは、ちょっと残念な感じですね。
日本の地方航空はどうなのか
地方空港から地方空港へ。
日本でもビミョーな感じの路線展開。
日本だと、鈴与グループの「フジドリームエアラインズ」が頑張っていますが、それでも創業拠点でありグループの本拠である静岡から名古屋に軸を移している。
「アイベックスエアラインズ」も、日本デジタル研究所のグループになっているほか、ANAとのコードシェアを行なっているし、仙台・伊丹を拠点に、中部・福岡発着線のみに限定した路線展開になっているので、やはり人口規模がある空港がベースになっている状態。
「トキエア」は、新潟を拠点にしていますが、一応、就航都市は札幌と仙台と言う人口規模がある都市への路線。
やはりある程度、人口がいないと、航空会社は厳しいのだろうな…と言うのが、正直な感想。
そうなると人口集積地がそこまで多くはないオーストラリアの場合、今後も第3の翼と言うのは、なかなか育ちにくいのかな…?と言う気はしてしまいますね。
大きな資本をバックにした航空会社ならば、あり得るのかも知れませんが。
ただ「ボンザ」はLCC。
日本の場合、地方空港発着の航空会社だとLCCじゃないんですよね。
LCCならば、価格面を打ち出した展開ができると思うのですが、あまり低価格を打ち出すと、資金面での不安があると、資金ショートが近づきますから、その辺り、難しいところでしょうね…
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