ANA、894億円の黒字に転換!旅客需要の回復が鮮明に!

ANA、894億円の最終黒字に!

2023年3月度決算は、黒字転換を明言していたANAですが、いよいよ決算が発表になりました。

2022年3月度は、1,436億円の最終赤字。
そこからどれだけ巻き返せるのか…と言う感じでしたが、具体的な数値で見ると、こんな感じ。

 2023年3月度対前年度比2022年3月度対前年度比
売上高1兆7,074億円+67.3%1兆203億円+40.0%
営業損益1,200億円▲1,731億円
経常損益1,118億円▲1,849億円
当期純利益894億円▲1,436億円

最終的には、894億円の黒字転換。
2021年3月度の売上高が7,286億円だったコトを考えると、かなりのV字回復と言えますね。

ANA、2021年度決算は1,436億円の赤字!来期は黒字転換想定!

ってか、ここまで巻き返せるとは、全然、思ってもいなかったなぁ…と言うのが、正直な感想。
一応、会社的に黒字転換を謳っていましたが、半信半疑でしたから。

もちろん、各種減免措置や補助金ならびに全国旅行支援なんかも、大きく寄したのは事実でしょうが、やはり年度を通して行動制限が特になかったコトと、各国の入国制限が段階的に緩和されたのが多かったのでしょうね。

旅客需要の急回復が鮮明に!

一応、セグメント別で決算を見てみると、去年までは貨物需要が堅調で、貨物専用機材を持つANAは、かなりそれに助けられた感じがありました。

今年度は、貨物需要は一段落し、代わりに旅客需要が力強く回復して来たと言うのが、数字上も見えますね。

セグメント2023年3月度2022年3月度対前年度
売上高国際旅客4,334億円701億円+517.9%
国内旅客5,295億円2,798億円+89.2%
貨物郵便3,080億円3,617億円▲6.3%
LCC902億円378億円+138.7%

コロナ禍後、経営を牽引して来た“貨物郵便”は、自動車関連部品の需要が落ち着いたコトと、旅客機材による貨物専用便の運航を減少させた結果、やや落ち着いた内容になった他は、見事に回復した感じですね。
貨物も急減したと言うより、引き続き、維持した感じもしますし。

国際旅客の利用率は、前年27.0%から一気に73.6%に回復。
国内旅客の利用率も、前年47.8%から64.5%に回復。
LCCのPeachの利用率も、前年61.6%から73.5%にまで戻って来ているとのコト。

寧ろ、こんなに一気に需要って回復するんだなぁ…と。

もちろん、コロナ禍から需要が戻ってくるまでに年月も経っているし、タイミング的にもいつかは戻ると思われていた話。
それまでの間、ANAとしては様々な手を打ってきたと言うのも事実だと思うので、黙って需要が回復したと言う訳じゃない。
しかも需要が戻った時に、すぐに対応できるようにしておくと言うのも、至難の技だったのは、間違いない。

やっぱりこのV字回復、スゴイな…と。

因みに、マイルを核とした事業にも精を出しているANA。
航空事業におけるその他の収入は、1,447億円(前年度対比6.9%増)。

このセグメントはマイル関係だけでなく、機内販売収入と整備受託収入などが含まれているので、実際にどれだけの売り上げ規模になったのかは不明ですが、そもそもANAが想定しているレベルになっているのかな?…とも。

今期の配当などは未定

ANAの2024年3月期決算の目標は、売上高は1兆9,700億円。
国際線旅客で1,835億円。国内線旅客だと1,004億円のプラスと見込んでいる状態。
最終損益で800億円の黒字と想定(現状とほぼ変わらない黒字額とは言えそうですが)。

需要回復が続きながらも、損益ベースでは前年度と変わらない水準。

かなり控えめに見積もっているのかな?と言いたくもなる感じですね。

一応、物価高騰・委託費用の高騰などの要因があるみたいですが。

配当については、現時点では未定。

この辺りは、まだ読めない部分があると言うコトなのでしょうが、さすがに2期連続の黒字が想定できそうなら、配当だって、そろそろ戻って来そうな気はしますね。

因みに、ANAとしてはコロナ禍前と比べて約85%程度の回復を想定。
国際線も、同70%に回復になる見込み。

まだコロナ禍前までには戻っていないけれど、かなり戻って来た感じなので、これからは次に繋がる投資を行っていく感じになるのかも知れないですね。
それはそれで楽しみな感じですが。

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