リージョナルプラスウイングス、誕生!

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AIR DO+ソラシド=リージョナルプラスウイングス

北海道をベースにする「AIR DO」と、南九州・沖縄がベースの「ソラシドエア」の共同持株会社「リージョナルプラスウイングス」が立ち上がり、2022年10月3日、両者が共にその傘下に入りました。

今回の経営統合は、持株会社スタイルでの経営統合。

「AIR DO」はボーイング767(座席数270・288席)が4機とボーイング737-700(同144席)が8機の合計12機体制。
「ソラシドエア」は、ボーイング737-800(同174席)が14機の体制。

「AIR DO」は、羽田〜新千歳・旭川・函館・女満別・帯広・釧路/新千歳〜仙台・中部・神戸/函館〜中部線を運航。
「ソラシドエア」は、羽田〜宮崎・大分・熊本・長崎・鹿児島・那覇/那覇〜宮崎・鹿児島・神戸・中部・石垣・福岡/中部〜宮崎・鹿児島線を運航。

路線の組み合わせも被りがなく、規模感も似ている。
そして、両社ともに筆頭株主が日本政策投資銀行で、ANA・双日が大きな株主となっている。
さらにANAの提携相手。

統合相手としては、これ以上ないぐらいに申し分ない組み合わせと言えそう。

持株会社での統合により、羽田発着の便数もANA/JALに続き、スカイマークを抜いて3位に躍り出るというカタチになります。

何よりも北から南まで、路線網が広がる航空会社になると言うコトで、今後の展開が楽しみになる感じ。

統合効果と前途は…

持株会社スタイルでの統合。

その理由は、羽田の発着枠と言うコトになる。

1社への統合になると、発着枠を返納しなければならなくなる可能性があり、ドル箱の羽田路線のいくつかを失いかねない訳だが、こうしたカタチで統合すれば、返納する必要がないと言うコトなのだろう。

両社ともにANAとのコードシェアを実施していて、「スターフライヤー」を合わせて、羽田の発着枠の過半数を抑えているANAだが、発着枠の返納があると、過半数を割り込む可能性もあるので、それを避けたと見るべきだろう。

ただそれでも機材・資材調達・訓練/整備施設・システム・間接業務などでは統合効果があると言う話。

だが前途は困難が予想できる。
少なくとも、どこまで統合効果があるのだろう?と言う感じ。

そもそも“その先に繋がる”話が、正直、あまりない。

両社はLCCよりも運賃が高く、JAL/ANAよりは安い運賃と言うフルサービス型キャリア。

だが、そもそも知名度で劣り、JAL/ANAががっちりと抑えているのがフルサービス型キャリアの現状。

さらにLCCも路線網を増やしており、旅客シェアで見ると、統合してもLCCの「Peach」の半分程度に過ぎず、「ジェットスター・ジャパン」にも劣る水準。

その狭間に立たされている状態であり、現状のビジネススタイルのままだと、上は抑えられていて下からは追われていて、伸び代があまりナイ。

羽田発着便でしっかりと収益を確保した上で、地方間路線でどれだけ収益を上げていけるか…と言う感じ。

ただ現状でも、ANAへのコードシェアによる販売収入は、売上の40%に及んでいる状態。
要するに自社だけでは稼げていないと言う感じで、それで地方間路線へと向かったところで、どれだけ収益を確保できるのだろう…?と言う気もしてしまうのだが…

発着枠維持が目的なのが正しいのか

せめて完全統合して、名称も変えて、リブランドして…となれば、また展開は異なるのかも知れないけれど、今のスタイルだと、運航会社は名称とともに残る訳だし、どこまで消費者にスケール感を訴えられるのだろう…?

ただ北から南まで、路線網ができたのは事実。

当面はANAに頼らざるを得ないのも確かだが、そこからどこまで脱却できるのか…

そこを目指していかないと、単なるANAの受け皿航空会社の統合と言うだけになってしまう気がする。

そもそも、こうしたカタチでの統合によって発着枠を維持すると言うのが、正しいのかどうか。
そして、既に両社ともにANAの実質的な支配下にある感じも否めない訳で、それで発着枠をそのままにすると言うのが正しいのだろうか。

航空会社間の競争を維持していきたいのであれば、必ずしも正しい在り方とは言えない気がするのだが…

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