大井川鐡道、19年ぶりの新SLとなるC56を搬入!

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大井川鐡道に19年ぶり新SL!

静岡県を走る「大井川鐡道」と言えば、1976年に日本で初めてとなるSLの動態保存を開始した鉄道であり、現在も日本のSL動態保存では真っ先に会社名が上がる存在だと思いますが、C56形蒸気機関車135号機(C56 135)が新たに搬入されたコトを、2022年2月12日に明らかにしました。

 

SLの保存では有名な「大井川鐡道」ですが、新たなSLとしては2003年のC11形190号機以来、19年ぶりとなる出来事。

同機は、元々、兵庫県加東市の播磨中央公園で保存されていたモノで、1938年製。

製造後は九州・広島・島根などで活躍をして来たが、1974年に鹿児島で引退。

旧滝野町が国鉄から借り受けて、展示がなされていたが、去年、車両を管理して来た加東市が、屋根がなく雨ざらしの場所での保管であったが故に、同機を継承したJR西日本に返還を相談すると、アスベストの処理などを含めると、修復や移設などで約1億円の費用負担が必要と判明。

そこで、市としては、老朽化を理由に撤去する方針を打ち出していた。

 

そのコトを報道で知った「大井川鐡道」が車体を確認したところ、比較的、保存状態が良好な状態であるコトが判明し、譲渡の申し入れを行なった。

元々、鹿児島国体で昭和天皇が乗車するお召列車の予備機を務めていたので、入念に整備されたコトも状態が比較的良好だった要因ではないかと言われているが、市やJR西日本・県などを交えて協議を重ね、移設費用などについての調整が行われて来ていました。

今後は、綿密に検査を行ない、走行が可能なら数年後に復活させるコトが検討されると言う。

「大井川鐡道」のC56形としては、既にC56 44が存在しているが、同機は『きかんしゃトーマス』のジェームス号に衣替えしているので、原形としては久しぶりのC56と言うコトになります。

コロナ禍での新SL譲渡だが…

現在の「大井川鐡道」のSLとしては、

・C10 8…動態保存機
・C11 190…動態保存機
・C11 227…夏季限定運転車両(元「きかんしゃトーマス号」)
・C56 44…「きかんしゃジェームス号」

が現役の動態保存車両。

ここに今回、搬入された車両が加わろうとしている訳ですが、ホントに、沿線住民もそこまで多くない地方鉄道の「大井川鐡道」は、SLの動態保存と言う点では、踏ん張っていると言いたくなる。

まぁ、逆に言えば、このSLによる観光客の集客が無ければ、会社の存続が怪しいと言うコトでもありますが。

ただコロナ禍以前から経営はかなり悪化していた状態。

特に貸し切りバスの走行規制強化によって、首都圏から制限値を僅かに上回るコトで、日帰りバスツアーが催行されなくなって以降は、事業収入が激減し、SL以外の運転本数を大きく削減するまでに至ったりしていた。

そうした状態で、名鉄グループから離れ、経営再建をスタート。

沿線需要を考えると、観光需要を伸ばすしかない。

ただコロナ禍で、鉄道業界の中ではかなり大きな影響を受けた会社だと思う。

今回のC56の譲渡。
SLに頼って行かなければ、経営的に成り立たない。

ただ国内に現存するSLは減っていくだけと言う状態。
その中で、保存状態が良好な車両となると、かなり少なくなっている。

今後を見据えると、経営的に厳しい状況であったとしても、今の内に、新しい車両を手に入れておかなければ…と言うコトなのだろう。

グループで稼ぐチカラがあれば…

経営状況が厳しい地方鉄道。

生き残りを図る術は、何があるのだろう…と、最近、廃線の話題なんかがチラホラとまた出て来ているので(主にJRの話ですが)、つい思ってしまう。

今からでも銚子のように副業(今や、そちらが本業ですが)に振り切ると言うのもアリ。

その中で、「大井川鐡道」は観光事業に振り切っている感がある。
そしてそれが功を奏している数少ない事例だとも。

近年だと「きかんしゃトーマス」は大ヒットしましたしね。

やはりしっかりと振り切っているのが良いのかも…とは思うけれど、難点を言えば、バスツアーで人を集めてきた過程から、沿線に恩恵が薄そうなのと、それが故にグループ企業が育っていないと言うコトだろうか。

もうちょっと自グループが形成されていれば、また違った展開になるように思うんですがね。

今からそうした事業展開ができるのか…と言われると、結局のところ、問題は、そこに向かうだけの体力があるか…と言う感じもするけれど。

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