ベイン、大江戸温泉物語の全株式を売却へ!
「大江戸温泉物語」のブランドにて、全国で温浴施設・ホテルなどを全国で手掛けている「大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ」。
現在は、2015年に米投資ファンドのベインキャピタルが全株式を取得している状態。
買収総額は約500億円と言われている。
それを、ベインキャピタルは2月末を目途に全株式を同じ米投資ファンドのローン・スターグループへ売却するコトを発表しました。
「大江戸温泉物語」は、全国各地で温浴施設・ホテルを展開しているが、ビジネスモデルとしては、廃業や後継者不足に悩むホテルや旅館を買い取り、リニューアルさせて自社グループとして運営をすると言うスタイル。
その際、温泉・バイキング・低価格を武器すると共に、都市部からの直通自社バスを運行して送客してきたのが特徴である。
ベインキャピタルによる買収後も、規模の拡大を続け、保有施設は約40近く。
2016年には保有施設を組み入れた不動産投資信託も立ち上げている。
が、そこに来て、コロナの感染拡大である。
インバウンド需要もなくなり、さらに都道府県を跨いでの移動の自粛。
不特定多数の人が、共通のトングなどを利用するコトになるバイキングを売りにしていたコトも、悪影響でしかなかった(現在もバイキングは行われているが、使い捨て手袋の着用など、感染対策が行われた上で再開されている)。
さらにタイミングの悪いコトに主力であり人気を集める共に、知名度の向上に成功したお台場の施設は、東京と結んだ定期借地契約の期限終了に伴い、2021年9月に閉館。
2021年2月期の決算は、2020年2月期には381億7,800万円だった売り上げは161億円に減少。
純利益も23億の赤字から107億の赤字に拡大すると言う状況だった。
ファンドは売るのが前提だから、驚きはナシ
今回の売却は、投資ファンドから投資ファンドへと売却。
元々、投資ファンドは長期保有がしたいのではなく、あくまでも売るのが目的な訳なので、ゴールは最初から分かっていたコトなので、そこまでの驚きはない。
ただ元々、赤字体質がややあった。
その中でコロナ。
ベイン側が損切りと言う観点で売却をするのか、それともそうじゃないのか。
どちらなのでしょうね。
ただ投資ファンドであるローン・スターグループが買ったと言うコトなので、損切りと言う感じはせず、あくまでも投資した分の回収ができるタイミングだったと言う気はするけれども。
今後も売却先を探しながら企業価値を上げて行くと言うコトになる。
なので、少なくともローン・スター側は、まだ企業価値を伸ばせると判断したのでしょうね。
これ以上の付加価値はどこに?
比較的安価。
施設は古さが残るけれども、温泉・食事などは、ある一定のレベルまでは揃っている。
今後も、需要がなくなるコトはないだろう。
ただ経営的にしっかりと黒字の体制ができるのか?と言われるとどうなのだろう。
元々、廃業した場所を居抜きで買い取ったりしている訳で、建物の老朽化・修繕の必要性も高まって来るので、より一層、収益を上げて行くには、スケールメリットを生かして行くか、それとも次の手を考えて行く頃合いなのだとは思う。
スケールメリットと言う意味では、コロナで経営が厳しい場所が多いので、本来であるならば、今が一番の攻め時なハズなんですけれどもね。
バイキング。
温泉。
旧態依然としたサービスに、価格面以外の付加価値をどう付けるのか。
株主が変わって、どうなって行くのかは期待したい所ですが…
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