エア・インディア、タタ・グループ復帰で民営化!
インド政府は、2021年10月8日、経営不振にあえいでいる国営航空会社の「エア・インディア」を、インド随一の財閥である「タタ・グループ」へと売却するコトを発表しました。
元々、インド政府が民営化に向けて入札を行っており、それを「タタ・グループ」が1,800億ルピー(約2,700億円)で落札したと言うモノで、「エア・インディア」の全株式が売却される見込み。
また同時に「エア・インディア」の子会社である「エア・インディア・エクスプレス」の株式も、「タタ・グループ」が取得するコトになる。
「エア・インディア」は、元々、「タタ・グループ」のタタ航空として創業した航空会社で、それが半官半民体制になり、その後国有化されたと言う流れを持つので、今回の民営化では、久しぶりにグループに復帰すると言う形になります。
抱えていた負債は、約8,700億円以上だと言われており、この民営化が実現しなければ運航を停止せざるを得ないとまで当局は警告していたが、この内、「タタ・グループ」が引き受ける債務は約3,550億円と言われており、残りの債務はインド政府などが負担するコトになる模様。
ビスタラとの関係はどうなる?
元々、インド国内の航空業界は、LCCも台頭しており、競争が激しくなっている状態。
既に、国内最大手はLCCの「IndiGo」でシェアも、2位以下を倍以上引き離し40%以上になり、圧倒的な存在になりつつある。
2013年頃には業界第2位だった「ジェットエアウェイズ」は2019年に清算。
ワンワールドへの加盟が秒読みだった「キングフィッシャー航空」も2012年に全便運航停止し、2013年に免許が停止。
…と、目まぐるしく情勢が変化していた。
それでもまだ「スパイスジェット」「GoAir」「ビスタラ」と「IndiGo」などがしのぎを削る状態だが、「エア・インディア」のシェアと言えば、長らく停滞が続いており、ここ3,4年も揺るかに下降傾向で、11%前後。
首位の「IndiGo」とは3倍以上の大差が付いている状態である。
確かに「IndiGo」は国際線には強くないし、長距離国際線へは未進出ではあるが、旧態依然とした「エア・インディア」が盛り返すには、ちょっと差が開きすぎた感じがしてしまう。
またまだシェア自体は大した感じではないが、羽田への就航も果たした「ビスタラ」は、「タタ・グループ」とシンガポール航空との合弁会社である。
いくら「タタ・グループ」と言っても、グループ内でライバル同士である2社を抱えておく必要もないように思う。
そう考えると、今後、どちらかに片寄せされるのかどうか。
またそもそも、「タタ・グループ」になったと言えども、経営的には不振が当面は続くだろう。
それを撥ね退けるだけの力があるのかどうか。
寧ろ、1度、経営破綻をして身を軽くした方が良かったのではないか。
そんな気すらしてしまう訳だけれども、今後、楽しみな存在にはなりそうですね。
あくまでも民営化はスタート地点
民営化。
辛うじて成功と言う感じでしょうか。
結局、タタなんだな…と言う感じもするけれどお。
ただ民営化はあくまでもスタート地点に過ぎず、これからどこまで経営を変えて行けるのか…と言う感じも。
「タタ・グループ」+シンガポール航空と言う最強タッグで生まれた「ビスタラ」ですら、シェアは低迷しているところですからね。
ただ売却先が見つからない…と言う最悪の事態だけは避けられたのは、良かったのかな…とは思いますが。
それにしても…
マハラジャくんは、民営化以後も健在になるだろうか。
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