京都市バスは、2020年度、全路線が赤字に転落!改善策があるのか?

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京都市って、別に古い町並みだけじゃなくて、新しいモノを取り入れるのも上手な街だと思うのですが、近年で最大の愚行だったのは、やはり市電を廃止したコトでしょうね。
もちろん、当時の世論や情勢的にはそうした流れだったのは事実だけれど、せめて現在の市バス206系統ぐらいを市電で残しておけば、もっと交通網的には便利だったように…

ま、後から言った所で、どうしようもない話ですけれどね。

京都市バス、2020年度は全路線が赤字に!

2008年度決算で、全国の地下鉄事業としては初めて「経営健全化団体」になった京都市交通局。

その後、脅威的に立ち直りを見せていましたが、コロナ禍での外出自粛の影響で観光客が激減し、市民の利用も減ったコトから、再度、大きな赤字が地下鉄・バス事業で計上する結果になっていましたが、この度、2020年度の市バス事業の路線別営業係数が公表されました。

結果としては、2019年度には21の路線が黒字で、63の路線が赤字でしたが、2020年度は2008年の営業係数を公表し始めて以降、初めてとなる黒字路線はゼロになり、全82路線が赤字に転落。

2019年度には営業係数が201以上を示していた路線は9路線から24路線へと増えると言う厳しい結果に。

営業係数2019年度2020年度
100未満(黒字)21(25.0%)0
100~15041(48.8%)28(34.1%)
151~20013(15.5%)30(36.6%)
201以上9(10.7%)24(29.3%)

*(%)は構成比

営業係数は、100円の収入を得るのに必要な費用を示す指標。

100を下回ると黒字になり、100を越えて来ると赤字と言えるのですが、今までは黒字路線で何とか赤字路線をカバーして来ていたのが、それができなかったと言う話。

しかも100円を得るために200円以上が必要な路線が、約3割に達したと言うコトになります。

まぁ…
それじゃ、どうやっても黒字にはならないよねって話。

京都市バスで最も営業係数が悪かった路線は…?

個別の路線で見て行くと、まず赤字額が多かった路線は、こんな感じ。

系統営業係数運行区間
111398京都駅前~金閣寺道
西3299洛西バスターミナル~桂駅西口
16287京都駅八条口~京都駅前
84281九条車庫前~太秦天神川駅前
南1273竹田駅西口~桂駅東口

赤字額のトップは111号系統。

これは観光客向けの急行系統で、年度当初には土休日で運休を行なうなどしていた路線ですが、2020年4・5月は、対前年度比で▲80%減と言うのが大きく響いた形。

同様の観光客向け急行系統合計で見ると、前年度は営業係数が81と黒字を出していたのが、167と急激に悪化。

旅客数で見ても54.0%の減少。
前年度68の営業係数だった100系統ですら140になると言う燦燦たる結果。

逆に営業係数の程度が小さかった系統は、こんな感じ。

系統営業係数運行区間
207102九条車庫前~祇園~九条車庫前
203107錦林車庫前~西大路四条~錦林車庫前
17107錦林車庫前~京都駅前
3110松尾橋~北白川仕伏町
206110北大路BT~東山七条~北大路BT

さすがに市内循環系統は、赤字になったと言っても、営業係数は悪くない路線がほとんどですね。

ただそれでも1年間を通してみると循環系統で30%ほど乗客が減っていると言う形なので、ホントに厳しい1年だったと言うのが分かる。

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抜本的な改善策はあるのか?

収支改善を図るために、1日券などの価格の適正化が既に発表になっています。

バス1日券は600円が700円に。

地下鉄・バス1日券は900円が1,100円になり、1,700円の2日券は廃止。

「トラフィカ京カード」や昼間回数券、全国10種類のICカードによる乗継割引やPiTaPaの利用金額に応じた割引なども廃止。

これらの施策と、ワクチン接種が進み、観光需要が盛り返して来るコトで、ある程度は収支が改善される可能性はありますが、やはり市バス事業においては、そろそろ抜本的な改革も必要に思える。

民間委託などは一時、行われていましたが、系統の整理・縮小と言うのも、もっと必要のように思う。

北大路BT・出町柳・太秦天神川・二条などの駅発着を増やして、今よりもターミナル化させて、鉄道+バスと言う他の都市ではある程度、進んでいるようなスタイルに変えて行かないと、中心部の車も減らないし、バスも長距離運転になるだけで効率も悪くなるように思うのだが。

ただそうなると乗客減は避けられないでしょうけれど。

でも、今のままだと結局、あまり根本的な改善とまではいかないのでは…と言う気しかしないのですけれどね。

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