大雪は全便臨時化!
経営難に直面しているJR北海道が、2021年春のダイヤ改正に合わせて、5つの特急列車の減便などを決定したコトを明らかにしました。
元々、経営が行き詰っていたJR北海道ですが、コロナ禍による影響で、2020年度の減収額が、前年度比で400億円に上るとの見通しもあり、コスト削減で50億円規模の収支改善を目指すとのコト。
減便の対象になる特急は、以下の通り。
便名 | 区間 | 運転本数 | メモ | |
現状 | 改正後 | |||
北斗 | 札幌~函館 | 24本 | 20本+臨時2本 | 上下最終各1本減便+上下2本臨時化 |
カムイ・ ライラック | 札幌~旭川 | 48本 | 44本+臨時4本 | 上下4本臨時化 |
大雪 | 旭川~網走 | 4本 | 臨時4本 | 全便臨時化 |
サロベツ | 旭川~稚内 | 4本 | 2本+臨時2本 | 上下2本臨時化 |
特急列車で見ると、減便以外に、「北斗」は7両から5両への減車、札幌~釧路間の「おおぞら」は6両を5両に減車するコトも発表に。
現行本数が維持されるのは、札幌~網走間の「オホーツク」(4本)・札幌~稚内間の「宗谷」(2本)ぐらいでしょか。
旭川で札幌行きに接続と言う形で走行区間の短縮が図られて新たに生まれ変わった「大雪」「サロベツ」は、共に対象になり、その中でも「大雪」は全便が臨時化されると言う形に。
ただ臨時化と言っても、「サロベツ」は年30日程度の運休、「大雪」は年50日程度の運休と言うコトで、かなりの日で運転はされるコトになる訳ですけれどもね。
それでも、やっぱり全便が「臨時化」されると言うのは、衝撃的な感じがしてしまいます。
特急以外も減便するが、情勢は…
特急以外で見ると、札幌圏以外の函館(滝川~旭川)・留萌・石北・宗谷(旭川~名寄間)・根室(災害運休以外の滝川~帯広間の各線で1日合計10本程度を減便する感じ。
札幌圏で見ると、新千歳空港へのアクセスである快速「エアポート」を含め、平日10本・土休日20本程度の減便を検討するとのコト。
また極端に利用の少ない36駅のうち、現在、18駅については沿線自治体と廃止に向けた協議が進められている状態です。
これらの改正で、年間の経費節減額は、列車の減便・減車で約5億円・駅の見直しで約5,500万円の合計5億5,000万円。
一方で、2020年度の減収額は、鉄道事業で前年度比約360億円。不動産などのその他の事業が、約40億円を見込んでいるのが現状なので、全然、追い付いていないと言う状態になります。
地方の公共交通網をどう考えるか
それにしても…
ホントにJR北海道は厳しい。
かなり以前から叫ばれている話ではありますが、こうした減便を行っても、もう焼け石に水状態になっている感じ。
そこにコロナ禍ですからね。
ただ、使命が尽きているのであれば、「鉄道」と言う形に捉われる必要はない。
それもまた事実。
もちろん、「鉄道」と言う形で残るコトによって、町に賑わいが生まれ、間接的な経済効果が生まれているのであれば、また異なる話ではありますが、車社会が完全に浸透している場所であれば、町の賑わいの中心に鉄道がある訳でもナイでしょうから。
ただ廃線・減便と言う形だけでなく、これからの公共交通について、新しい意見が出て来ていないと言うのも、残念だな…とは思う。
まぁ、それは地方自治体がどこまで覚悟を決められるのか…と言う話でもあるのだろうけれど。
でも、北海道の場合、もう残された時間が少なくなっているだけに、どう言った形でそれぞれの町の形が考えられているのか…
議論だけでなく、そろそろ答えも欲しいところ。
日高線などではようやく答えが出ましたが、その他の場所でも。
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