京都市営地下鉄が赤字で、経営健全化団体転落濃厚へ!

京都市地下鉄が経営健全化団体転落濃厚!

コロナ禍で航空・鉄道・バス・ホテル…と、観光にまつわる会社の業績が著しく悪化していますが、そうした中で、先日、京都市交通局の2021年度の予算概要が発表になりました。

元々、京都市交通局の経営状態はあまり宜しくなく、昨今のインバウンドブームと積極策でようやく一息を付いていた状態だった訳ですが、コロナ禍による外出の自粛とインバウンドの喪失などで、かなり厳しい経営状態であるコトが明らかになっています。

2021年度予算は、地下鉄で58億円・市バスで56億円の赤字想定。
赤字予算の編成は、地下鉄では4年ぶり、市バスは3年連続と言うコトになります。

コロナ禍で生じた資金不足については、総務省が、特別の地方債(特別減収対策企業債)の発行で補填が可能な訳ですが、そもそも地下鉄事業の運転資金不足は、2019年度末時点で305億円と巨額で、地方債を発行しても賄いきれない状態。

資金不足比率は、2020年度末で81%になる見通しであり、地下鉄事業に関して言えば、収支改善に向けた計画策定が義務付けになる「経営健全化団体」の判断基準である20%以上を大きく上回るコトが確実。

翌年度に、20%を下回るコトが予想される場合は、例外で「経営健全化団体」を免れるコトも可能だが、2021年度予算でも大きな改善は想定できず、「経営健全化団体」になる可能性は極めて高い状態。

ただ…

そもそも地下鉄事業は、2008年度決算で、全国の地下鉄事業としては始めて「経営健全化団体」になっているので、初めてのコトではなく、2017年度に脱却して以来、3年ぶりと言う話ではありますが(甲子園みたいな書き方だけれど…)。

トラフィカ京カード、廃止へ!

この予算案に対して、もちろんですが、改めて経費削減などを推進するコトも発表になっています。

具体的には、こんな感じ。

地下鉄事業…

・IC/磁気券併用の自動改札機のIC専用化
・券売機の設置台数を減少→保守管理費削減
・ホーム柵整備は、既に設計中の北大路駅以外は先送り
・ホーム柵整備先送りに伴い、車両改造も先送り
・コトキンライナー(金曜日の終電延長)の休止

市バス事業…

・利用状況に見合ったダイヤ見直し
・6両の減車
・おもてなしコンシェルジュの活動時間減少
・均一運賃区間の全系統への前乗り/後降り方式拡大を延期
・車両購入費の平準化

地下鉄・バス共通…

・トラフィカ京カード/昼間回数券の販売廃止(2021年10月~実施)
・バス1日券の値上げ(600円→700円・2021年10月~実施)
・地下鉄/バス1日券の値上げ(900円→1,100円/2日券は廃止・2021年10月~実施)
・地下鉄1日券の値上げ(600円→800円・2021年10月~実施)
・各種割引乗車券/乗継割引からポイントサービスへの転換(2023年4月実施)

職員の給与面でも、局長クラスで6.0%減などの減額が示されています。

まぁ…
京都の場合は、特に企画きっぷは今までが大盤振る舞いだった…と言えるのですけれどもね。

未だに売っている磁気カードタイプの「トラフィカ京カード」は、1,000円で1,100円分、3,000円で3,300円分使えますし、「バス1日券」も均一運賃区間が高雄地域まで拡大するのに、料金据え置きでしたし、「地下鉄1日券」も運賃区分で5区を往復するよりも安かったですしね。

抜本的なところは未着手?

一応、地下鉄の烏丸線に導入される新型車両は、車両が更新時期を迎えているコトから、予定通りで更新をする模様ですが、地下鉄もバス事業も、抜本的な解決に手を付けなければ、劇的な改善は見込めないのでは…と言う気がしてしまいます。

地下鉄事業で言えば、烏丸線は黒字が出せているのに対して、東西線が大きな赤字。

もちろん、建設時期が随分と異なるので、減価償却などの兼ね合いもあるが、東西線は京阪線からの片乗り入れによる車両費も小さくはないようにも。

もちろん、赤字の根本的な部分は、そもそも京都ならではで、“掘れば何かが出て来る”コトでの建設費の高騰だけれども、正直、そろそろ京阪からの乗り入れについては考える時期の様な気はする。

本来ならば、三条京阪までの乗り入れに出来れば良いのだろうが、スペース上の問題で、初期の頃はもう1つ先の京都市役所前までの乗り入れ。ひとまずそれに戻すべき様には思う。

ってか、そもそも東西線って、絶妙に乗りたい通りからズレている感もあるけれど。

いや、まず必要なのは、山科区以外の東西線よりも、市バス206系統が走っている環状線の方+河原町~祇園とかの方が利用価値が高いんだよなぁ…みたいな(但し、建設していたら距離も長くなるので、かなり建設費が高騰していたのは、間違いない)。

で、バス事業はさらに変革が必要にも思う。

鉄道網が人口の割に貧弱なので、ターミナル駅・エリアに向かってとにかくバス路線が伸びている状態。

フツーならば大きめの駅からその場所へと…と言うのが流れなのでしょうがね。

京都駅・四条通までバスがとにかくやって来ている感がある。

バスターミナルとして機能しているのは、北大路ぐらいか…と言いたくなるレベル。

南側の京都駅から繁華街の四条通を通り越して、北大路よりも北側に行くバスだとか、確かに利用者としてはダイレクトに行けるのは便利。土地勘のない観光客としても便利なのは、間違いがない。

だけれども、そろそろ整理が必要のように思う。
路線同志の重複も出て来るし、効率もかなり悪くなるし。

そりゃ、バス事業的にも厳しいだろ…と。

四条・京都駅・北大路以外にも二条(もしくは太秦天神川)・出町柳辺りももっと活用すれば良いのに…と言う感じがするんだけれど…と思いつつ、やっぱりそうなると不便感はあるから、厳しいんでしょうが。

どこまでこれを機に交通網も整理を進めるのか…
どうなるんでしょうね…

こないだの秋に久しぶりに京都に行きましたが(ロクに観光していないけれど)、ガラガラやったモンな。
そりゃ、厳しくもなるわな…

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください